本連載では、Blender の基本的な知識、機能についてイラストを交えながら紹介しています。第65回目は、前回に引き続き深度マップを使用して平面のオブジェクトを立体的に見せる方法を見ていきます。
前回のおさらい
前回の記事では、深度マップを利用してBlender上で平面のオブジェクトに凹凸を作成するとことまで操作を行いました。
今回は、凹凸を作成したオブジェクトにマテリアルを貼りつけたり、凹凸の強弱を調整したり、といった部分を見ていきます。
マテリアルを貼りつけてみよう
前回凹凸を作成したオブジェクトに、元の画像をマテリアルとして貼り付けます。
オブジェクトを選択した状態で、[マテリアルプロパティ]に切り替えたら、[新規]をクリックします。
[ベースカラー]の隣にある黄色い丸をクリックすると、メニューが表示されます。その中から[画像テクスチャ]を選択しましょう。すると、[開く]から画像を選択できるようになるので、深度マップを作るにあたって元となっている画像を選択します。
そうすると、オブジェクトに画像のマテリアルが適用されます。テクスチャが反映されたことで、凹凸部分が画像のどの部分に対応しているかがわかりやすくなりました。もしテクスチャが反映されない!と思ったら、表示方法を[マテリアルプレビュー]もしくは[レンダー]に切り替えてみてください。
凹凸の調整をしよう
次に、凹凸の強さなどを調整してみます。オブジェクトを選択した状態で[モディファイアープロパティ]を開きます。[Displace]の欄にある[強さ]の数値を上げ下げすることで、凹凸の強さを変更できます。
最後に、凹凸部分がとげとげしているので、[サブディビジョンサーフェス]をオブジェクトに適用させてみます。サブディビジョンサーフェスでは、ポリゴンを細分化することで表面を滑らかに見せることができます。また、これはモディファイアすべてに言えることですが、モディファイアは適用させるまではあくまで見た目を変えているだけです。そのため、サブディビジョンサーフェスを適用させている場合、ポリゴン数を多くし滑らかに見せながら実際のポリゴンは増えていません。結果として、動作が重くなることが防げます。
[モディファイアープロパティ]から[サブディビジョンサーフェス]を選択します。[ビューボートのレベル数]、[レンダー]の数値を共に2から3ほどにあげることで、滑らかにすることができます。[ビューボートのレベル数]では、現在の目に見えているポリゴンの分割数を調整します。[レンダー]では、レンダリングを行ったときのポリゴンの分割数を調整します。少しわかりにくいでしょうか。例えば、[ビューボートのレベル数]を変えずに[レンダー]のみ数値を上げた場合、見た目は変わりませんが、レンダリングしたときの見た目は滑らかになります。
Webサービスを使用すれば、深度マップは比較的簡単に作成できるため、手軽にオブジェクトに凹凸を作ることができます。ちょっとした模様などで試してみても面白いかもしれません。