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Waylandの将来に全力を注ぐ ―KDEプロジェクト⁠PlasmaにおけるX11の完全ドロップとWaylandへの“全振り”宣言

KDEプロジェクトは11月26日、⁠Going all-in on a Wayland future(Waylandの将来に全力を注ぐ⁠⁠」と題したブログを投稿し、次期リリースとなる「KDE Plasma 6.8」はWaylandオンリーとなることを明らかにした。従来のX11アプリケーションのサポートはXwaylandが行い、Plasma X11セッションのサポートは終了する。

KDEは最近のPlasmaリリースにおいてWaylandへのフォーカスを進めており、従来のX11アプリケーションはXwayland互換レイヤを利用するようユーザに求めてきたが、Plasma 6.8のリリースを前に「すでにユーザの大多数がWaylandセッションを使用している」ことから、あらためてWaylandオンリーの方針を宣言したかたちだ。X11のサポートを終了することでPlasma開発における「機能、最適化、開発速度の新たな機会が生まれる」と、開発リソースの最適化と一本化も進むとしている。

「最高のフリーデスクトップを作り続けたいのであれば、多くの作業を妨げるレガシーサポート(X11)に引きずられることなく、多くのチャンスをともなう環境の変化にすばやく適応できるよう、機敏である必要がある」⁠KDEプロジェクト)

CDE(Common Desktop Environment)は2年ぶりにアップデート

なお、KDE Plasmaの"Waylandオンリー"宣言と同日、The Open Groupが管理するMotifベースの「Common Desktop Environment(CDE⁠⁠ 2.5.3」がひっそりとリリースした。前バージョンの2.5.2から約2年ぶりのポイントアップデートである。

CDEといえば、かつては旧Sun MicrosystemsやHP、IBMなどが提供する商用UNIXの標準的なデスクトップ環境だったが、2000年を過ぎるころからはLinuxの台頭とともに商用UNIXが徐々に衰退、また、CDEもGNOMEやKDEといったオープンソースのデスクトップ環境に取って代わられていった。その後、さまざまな変遷を経て2012年にオープンソース(LGPLv2)として公開されたが、開発状況は活発とはいいがたく、話題になることも少なかった。現在、GNOME/KDEともにWaylandへの一本化を進めているなか、Waylandへの抵抗を示すユーザも少なくないが、今回のアップデートが多少なりともX11ユーザの受け皿になるとよいのだが…。

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