Mastodon 4.5が2025年11月6日にリリースされた。このバージョン4.5では、元投稿者の引用ポリシーを尊重する引用投稿の投稿が可能になった。
今回、Mastodon 4.5では、ユーザーからの要望が多かったとされる引用投稿を投稿する機能が実装がされた。4.4で引用投稿の表示にのみ対応していたが、これで本格的に引用投稿が利用できるようになった。
Mastodon 4.5におけるフィード上での引用投稿の表示と引用メニュー
この引用機能は、投稿者のプライバシーを尊重するため、各投稿に付随する引用ポリシーに基づいて引用可否が制御される仕組みとなっている。引用投稿を行う際に、元投稿者が引用を許可していない場合は引用できない(Mastodonのデフォルト設定では、どの投稿も引用を許可する設定になっている) 。また、フォロワー限定投稿の場合には、ほかのユーザーが引用投稿をおこなうことができないようになっている。
投稿の公開範囲と引用ポリシーの設定ダイアログ
引用の可否は投稿後も変更可能であり、元投稿者が引用を禁止した場合、その投稿を引用していた引用投稿では元の投稿が非表示となる。この仕組みにより、元投稿者の意図しない引用や拡散を防ぐことができるという。
Mastodonでは各投稿に対して公開範囲(パブリックやフォロワーのみなど)を設定できるため、その兼ね合いで引用投稿の取り扱いが複雑になる。この引用機能の実装にあたり、上述の引用ポリシーを尊重する「引用の承認」と「公開範囲」を考慮したActivityPubを用いたプロトコル設計がおこなわれ、FEP(Fediverse Enhancement Proposals)のFEP-044f: Consent-respecting quote posts (同意を尊重する引用投稿)として取りまとめられた。Mastodon側は、他のFediverseソフトウェアの実装者が、このプロトコルを採用することに期待している。
今回のMastodon 4.5では返信の欠落に対処する「Fetch All Replies」も導入された。4.4以前は他のサーバーでは見える返信が自分のサーバーでは見えないという返信の欠落がありえたが、「 Fetch All Replies」が機能することで、ページ読み込み時と15分ごとに不足返信の確認がおこなわれるようになり、Fediverse横断の会話継続性が向上したとのこと。
サーバー管理者向けには、訪問者やログインユーザー向けに特定のコンテンツフィードを無効化できる「Feed Management」 、訪問者向けにローカルフィードをホームページで見せる「Visitor Homepage」 、ブロック対象をより制御する「Targeted Blocking」 、モデレーター画面でのリンクプレビューや引用投稿を表示する「Moderation Context」などの機能が追加された。
今後の展望として、Mastodon 4.6のリリーススケジュール(来年2026年第1四半期を予定)と実装機能(Packs ;おすすめのアカウントのコレクション機能の初期実装など)がブログで触れられている。