Storybook 10リリース ―モジュールシステムをESMに統一しコンパクト化

Storybook開発コミュニティは2025年10月28日、UIフロントエンド開発環境Storybookの最新バージョンStorybook 10をリリースした。

Storybookはフロンエンド開発におけるUIコンポーネントやページを個別に構築するためのオープンソースの作業環境。Storybookのコードでは、これまでCommonJSとESM(ES Modules)の両方を利用してきたが、Storybook 10ではESMのみを利用する形に変更した。これによりインストールサイズが前バージョンStorybook 9と比較して29%軽量化された。なおESMのみの利用になるため、要件を満たすNode.jsのバージョンが必要となる。

Storybook 10のその他の主な特徴は以下の通り。

テストを容易にするモジュールの自動モッキング
Vitestの協力により、テスト時にモジュールをモックするユーティリティsb.mockを改良し、開発ビルドと静的な本番ビルドの両方で利用できるようになった。
React向けタイプセーフなCSFファクトリーのプレビュー
Component Story Format(CSF)の次期バージョンで、タイプセーフ、エルゴノミクス、自動補完機能を向上させたCSFファクトリー(CSF Factories)をテスト段階からプレビューに昇格。CSFファクトリーは現在Reactのみで利用可能で、10.xでVue、Angular、Web コンポーネントファクトリーがサポートされる予定。
UI編集と共有の最適化
モバイル端末でコンポーネントがどのように表示されるか簡単に確認できるよう、共有メニューにQRコードが表示されアクセスできたり、今編集しているストーリーを右クリックメニューから別のエディタで開いて編集するといった編集、共有機能が強化された。
タグフィルタリングの除外と設定
成熟度の異なる段階にあるコンポーネントや、異なるチームが所有するコンポーネントが混在する大規模なStorybookを管理しやすくするため、ストーリーにタグを追加した。新しい「Exclusion(除外⁠⁠」タグにより選択したタグに基づいてストーリーを除外できる。また「Configuration(設定⁠⁠」タグでデフォルトのUIの状況を設定することができる。

新規プロジェクトでStorybook 10を試したい場合はnpm create storybook@latestで導入でき、既存のStorybookプロジェクトでは以下のコマンドから自動移行ウィザードを使用してアップグレードできる。

npx storybook@latest upgrade

詳しくはStorybook 10に移行するためのマイグレーションガイドを参照。

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