イラストでわかる! Blenderの基礎知識

特別編⁠Blenderで告知動画を作成してみる[前編] 〜令和八年度版キタミ式イラストIT塾』シリーズ発売記念

本連載では、Blender の基本的な知識、機能についてイラストを交えながら紹介しています。第67回目は、作成済みのモデルをアニメーションさせるためにどのような設定をすると良いのかを見ていきます。

12月3日、技術評論社から情報処理技術者試験本『キタミ式イラストIT塾』シリーズの令和八年度版が発売されました。その発売を記念し、今回と次回を特別編としてこれらの書籍内で登場してくるイラストの3Dモデルをもとに、書籍の告知動画を作成する過程を見ていきます。今回はモデルの紹介と、どのような設定をおこなったかを見ていきます。

注意これから紹介していくモデルの調整や動画の作成方法は、どれも自己流であるため、世間一般ではあまりしないような手順になっている可能性があります。そのことを念頭に「こんなやり方もあるんだな~」くらいの軽い気持ちで読んでくださると嬉しいです。

モデルの紹介と設定

モデルそのものは、⁠キタミ式イラストIT塾』シリーズの著者である、きたみりゅうじさんが作成しました。以下紹介していきますが、各モデルがイラストのイメージそのままに3Dモデルになっています。すごいです!

この作成済みのモデルをアニメーションさせるために、いくつかの設定をおこないました。ここでは各モデルを紹介しながら、わたしがどのような設定をおこなったかを見ていきます。

パソコンくん

まずは代表的とも言える、パソコンくんのモデルです。このパソコンくんは、書籍の表紙を飾っていたり、書籍内でも「先生」のような役割として頻繁に登場しています。

こちらのモデルは照明のない状態で「レンダー」表示にすると、顔パネル部分がきちんと光っていることがわかります。また、コンセントのしっぽ部分もしっかり再現されています。

わたしはこのモデルに対してボーンを設定したり、その後の動画を作成するところまでを担当しました。ボーンを入れるときは、個別のボーンに回転制限などのボーンコンストレイントを設定することで、誰が動かしてもモデルが変にねじれてしまうことなどを防ぎました。

コンセントのしっぽ部分には、コンセントの先端より少し先にしっぽをコントロールするボーンを配置しています。そのボーンを常にコンセントが注視するように設定することで、コンセントの動きを制御しやすくしています。

サーバ

次はサーバです。こちらは、パソコンくんとほぼ同じ構成になっています。サーバは洋服を着ているので、きちんと洋服にはテクスチャが施されています。また胸のリボンにも、しわがしっかりと作成されています。

サーバでは、ひげも個別に動かせるようにそれぞれにボーンを設定しています。コンセントのしっぽも同様に、ボーンコンストレイントを設定して動きを制御しやすくしています。

ルータ

ルータは、ランプ部分がきちんと光を放っている設定になっています。当初は、ぴこぴこ光が点滅するような設定にしようとしていましたが、想像していたような見えかたにならなかったため、常時点灯するようにしています。

この常時点灯の設定は、プリンシプルBSDFを使用しマテリアルを作成するときに、⁠放射]の数値を大きくすることで光っているような表現をすることが可能です。

リアカー

書籍には出てきませんが、サーバをリアカーに乗せ、パソコンくんが引っ張る、という動きを作成するために制作されたリアカーです。サイズはパソコンくんにあわせられています。

リアカーは動かすと車輪が自動的に動くように、ドライバーという機能を使いました。

ドライバーは、ある動きを別の動きに変換する、といった機能です。たとえば、⁠直方体を上に動かしたら、その動いた量に応じて隣に配置されている球体が回転する」といった感じの動作が可能になります。


次回は、これらのモデルを使って書籍発売の告知動画を作成していこうと思っています!どんな動画になるのか、次回も読んでくださると嬉しいです!

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