イラスト・図解シリーズ光触媒のしくみがわかる本
2003年9月26日紙版発売
大谷文章 著
四六判/192ページ
定価1,628円(本体1,480円+税10%)
ISBN 4-7741-1846-X
ただいま弊社在庫はございません。
書籍の概要
この本の概要
光触媒反応とは,光触媒が光を吸収して生じる励起電子と正孔が起こす還元・酸化反応のことで,私たちの生活のかなり身近なところでいろいろ活躍しています。たとえば,空気洗浄,脱臭,浄水や抗菌,防汚のためなどなど。本書は,この光触媒反応を,化学の面から解説してみました。なかなか難しい分野なのですが,ふむふむなるほど,と思っていただけること,うけあいです。
こんな方におすすめ
- 光触媒に興味・関心のある方、化学を勉強されている方
目次
第1章 光触媒とは −光触媒入門−
- 1.1 こんなところにある光触媒
- 屋外で働く光触媒
- 室内で働く光触媒
- 装置や器具の中で働く光触媒
- 測定装置への応用
- 1.2 光触媒で起こること
- 光触媒で起こる「化学」反応
- 酸化と還元とは
- 他の反応にない光触媒の特徴
- 燃料電池と水素
- 光触媒の代表選手「酸化チタン」
第2章 光触媒が働くしくみ
- 2.1 光と物質
- 光とはどんなものか −電磁波と光子−
- いろいろな電磁波
- 光と物質のかかわり
- 物質が持つエネルギーの種類
- 光吸収と励起
- 電子励起に必要なエネルギー
- 物質が励起されると何が起こる?
- 光触媒は『電子励起』
- 2.2 電子と正孔
- 固体の電気伝導性
- 結晶の中の電子
- 半導体の電子励起と正孔
- 電子/正孔と酸化還元
- 酸素の働きと酸化
- 酸化と還元を両方使う −光触媒で有機合成−
第3章 光触媒の化学
- 3.1 光触媒反応が進むしくみ
- 化学物質の吸着
- 酸素の光吸着と光脱着
- 吸着のしくみ
- ラングミュアの式
- 光吸収と電子・正孔の生成
- 電子の還元力と正孔の酸化力
- 酸化還元電位
- 電子による還元
- 正孔による酸化
- 水酸ラジカル
- ラジカル連鎖反応 −酸素の働き−
- 超親水化現象
- 3.2 反応の速さ
- 化学反応の速度
- 「光触媒活性」=速度?
- 触媒と光触媒反応の違い −活性点の有無−
- 活性点とは?
- ターンオーバー数(TON)
- 光の利用効率:量子収率
- 量子収率を求める
- 光触媒活性と光子利用効率・量子収率
- 量子収率を決めるのは何か
- 電子−正孔による化学反応を速くする
- 表面積・比表面積と反応速度
- 光触媒反応の律速段階とは
- 枝分かれ反応と定常状態近似
- 電子と正孔の再結合
第4章 いろいろな光触媒
- 4.1 酸化チタン
- 白と無色透明:酸化チタンの吸収スペクトル
- 顔料としての酸化チタン 屈折率と隠ぺい力
- チョーキング
- 酸化チタンの原料と製造法
- アナタースとルチル,ブルカイト
- 液相法での結晶の作り分け
- アナタースとルチルの光触媒活性
- デグサP-25
- 作用スペクトルの解析
- アモルファス(無定形)
- 可視光応答化
- 高活性酸化チタンを作る
- 4.2 酸化チタン以外の金属酸化物
- チタン酸ストロンチウム
- 酸化亜鉛
- 酸化タングステン
- 酸化鉄
- 4.3 金属硫化物
- 硫化亜鉛
- 硫化カドミウム
- 硫化水銀
- 4.4 その他の半導体
- シリコン
- 4.5 材料としての酸化チタン
- 単結晶
- ゾル(コロイド)
- 微粒子
- 一次粒子と二次粒子
- 薄膜
第5章 光触媒を使ってみよう
- 5.1 光触媒や作り方を選ぶ
- 5.2 酸化チタン光触媒の準備
- 酸化チタンの粉末を使う
- チタンから酸化チタンの薄膜を作る
- ゾル溶液を使う
- 5. 3 反応装置の準備
- 反応容器
- 光源
- 光学フィルター
- 実験例1 汚れの分解
- 実験例2 アセトアルデヒドの分解
- 実験例3 酢酸の分解
- 実験例4 色素の分解
- 実験例5 メタノール水溶液からの水素生成
第6章 光触媒について調べる
- 6.1 本で調べる
- 6.2 学術雑誌を調べる
- 6.3 ウェブ(WWW)で調べる
- 6.4 学会/研究会/団体等のリスト
- 6.5 光触媒をよく知っている人を探す