WSE BOOKSシリーズWeb屋の本
―Web 2.0,ビジネスサイト2.0,Web屋2.0
―
2006年6月22日紙版発売
中野宗,安藤直紀 著
A5判/200ページ
定価1,958円(本体1,780円+税10%)
ISBN 4-7741-2814-7
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書籍の概要
この本の概要
本書は,Web 2.0時代のWeb屋とビジネス(企業・商用)サイトのための“あんちょこ”です。ティム・オライリーの著名論文のWeb屋的解釈,Web 2.0を牽引する数々のサービスの紹介はもちろん,実際にビジネスサイトのWeb 2.0対応をプランニングするためのポイントや,制作・運営のための人や組織の在り方についても触れています。
また,CGM(消費者発信型メディア)やBlogosphere(blog界)全盛時代のWebマーケティングの在り方,Web 2.0時代のコストやリスクについても取り上げています。
こんな方におすすめ
- Web制作業務を行っている方(Web屋の皆さん)
- Webディレクター/プロデューサー全般
- 企業のWebサイト担当者
- Web戦略担当者
著者の一言
「Web 2.0」というキーワードのもとWebがますます進化のスピードを速める中で,Web屋(プロのWeb制作者,ビジネスサイトの運営者)がなすべきことについての試論をまとめたのが「Web屋の本」です。ビジネスサイトのWeb 2.0対応をプランニングするための視点や,サイトの運営や組織の在り方についてなど,できるだけ沢山の有益なヒントを示すよう努めました。
制作者はもちろん,企業のWeb担当者,そしてこれからWeb業界をめざす人にもぜひ読んでいただきたいと思います。
目次
Chapter 1:“What Is Web 2.0”―Web 2.0をWeb屋的に読み解く
- 1.1 Webの進化のスピードはますます速まっている
- 1.2 「Web 2.0」の意味をWeb屋的に考え直してみる
- 1.3 Web 2.0は一過性の現象で終わるのか?
- 1.4 パラダイムとパラダイムシフト
- 1.4.1 パラダイム
- 1.4.2 パラダイムシフト
- 1.5 Web 2.0は本当にパラダイムシフトか
- 1.6 新たなパラダイムに適応すべき理由
- 1.7 Web 2.0の定義とは
- 1.7.1 Web 1.0とWeb 2.0の違いとは
- 1.7.2 オライリーによる7つの原則
- 1.8 Web 2.0を象徴的するサービスとは
- 1.8.1 del.icio.us
- 1.8.2 Flickr
- 1.8.3 Wikipedia
- 1.8.4 Google Maps
- 1.9 Web 2.0の背景―システムとマインド
- 1.9.1 オープンソースとWeb 2.0
- 1.9.2 インフラとしてのLAMP・LAPP
- 1.9.3 ウォード(ワード)・カニンガムのWiki
- 1.9.4 アジャイル開発手法「XP」のマインドとプラクティス
- 1.9.5 プレWeb 2.0宣言としての「クルートレイン・マニフェスト」
- 1.10 クルートレインに学ぶWeb 2.0企業のマインド
- 1.11 クルートレインとWeb 2.0をつなぐものは「人」
- 1.12 なぜ今,Web 2.0が一大潮流となったのか
- 1.12.1 クルートレインが予見し,オープンソースが準備したもの
- 1.12.2 CGM・BlogosphereがWeb 2.0を育んだ
- 1.13 Web 2.0を巡る批判の検証
- 1.13.1 Web 2.0を巡るFAQ的問答
- 1.13.2 論客ニコラス・カーのWeb 2.0批判
- 1.14 もしWeb 2.0が流行り言葉に終わったとしても
- 1.14.1 Blogosphereは縮退するだろうか
- 1.14.2 ロングテールは縮むだろうか
- 1.14.3 RemixやMashupサービスはなるなるのだろうか
- 1.14.4 ユーザは「Web 1.0」的なサービスに満足するだろうか
- コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【1】
- Web 2.0時代,Web屋のライフハック
Chapter2:ビジネスサイト2.0―企業・商用サイトのWeb 2.0対応
- 2.1 ビジネスサイト2.0を考えるフレームワーク
- 2.2 ビッグプレーヤ―GYM,eBay,AmazonのWeb 2.0対応とは
- 2.3 Google―Web 2.0の正統な担い手として
- 2.3.1 Google Maps,Google Earth
- 2.3.2 Google Analytics
- 2.3.3 Gmail,Google Calender
- 2.3.4 Google Base,Google Page Creator
- 2.4 Yahoo!―Webデベロッパーへの接近を図る
- 2.4.1 Yahoo! Maps,Yahoo! Mail
- 2.4.2 Yahoo! Developer Network
- 2.4.3 Yahoo! Shopping
- 2.4.4 ヤフーの展開
- 2.5 Microsoft―ついにオープンプラットフォームに参入
- 2.5.1 Windows Live,Office Live
- 2.5.2 Microsoftの転換
- 2.6 eBay―Skype買収でECのバリューチェーンの強化
- 2.6.1 Skypeの展開
- 2.6.2 eBayによる買収
- 2.7 Amazon―オープン性とユーザ参加で成長を遂げる
- 2.7.1 A9,Alexa
- 2.7.2 Amazon Web Services
- 2.8 「ビジネスサイト2.0」とは
- 2.8.1 Web 2.0がビジネスサイトに与えるインパクトは
- 2.8.2 すべてのビジネスサイトが変わるべきなのか
- 2.9 Web 2.0時代の企業―データとサービスを軸に
- 2.9.1 データサイロ
- 2.9.2 Webサービスプロバイダ
- 2.9.3 データサイロアグリゲータ
- 2.9.4 Webサービスアグリゲータ
- 2.10 「データ」と「アグリゲーション」によるビジネスシナリオ
- 2.10.1 「データ」は重要だが
- 2.11 成功要因は「データ」「ユーザ」「サービス」だ
- 2.12 「データ」「ユーザ」「サービス」によるネット企業分析
- 2.12.1 ソーシャルメディア(Social Media)
- 2.12.2 Mashupとフィルターサービス
- 2.12.3 次世代電話
- 2.12.4 WebOS・Webベースのアプリケーション
- 2.12.5 インフラとプラットフォーム(Under The Hood)
- コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【2】
- 情報を収集する─だけでなくそのプロセスをハックする
Chapter3:ビジネスサイト2.0―アーキテクチャと実装で考える
- 3.1 この章のフレームワークとゴール
- 3.2 Web 2.0サービスの成功の隠し味「ファンシー(意匠・装飾)」
- 3.2.1 「ファンシー」とはどんなものか
- 3.2.2 「ファンシー」を扱う・実装する難しさ
- 3.3 自社の与件から対応可能なモデルを考えることが必要
- 3.3.1 ビジネスサイトが実利に直結しているか
- 3.3.2 ビジネスサイト専任の担当者はいるか
- 3.3.3 マネジメントがビジネスサイトにコミットしているか
- 3.4 ビジネスサイト2.0への投資をどう考えるべきか
- 3.4.1 「45%の戦略的投資」が重要
- 3.4.2 Web 2.0における「投資」の考え方
- 3.4.3 投資はバリュープロポジション実現のために
- 3.5 ビジネスサイトの与件について考える
- 3.5.1 機能追加型
- 3.5.2 リプレース型
- 3.5.3 新規構築(事業)型
- 3.6 「データ」「ユーザ」「モデル」とWeb 2.0ミームマップの関係
- 3.6.1 モデルから実装へ その前にコアコンピタンス
- 3.6.2 「アーキテクチャ」と「実装」という比喩で考えてみる
- 3.7 「データ」牽引モデルを考える
- 3.7.1 「データ」を集める方法
- 3.7.2 該当するアーキテクチャやミーム
- 3.7.3 「データ」牽引モデルを適用するための要件
- 3.7.4 「データ」牽引モデルを立案する際のチェックリスト
- 3.8 「ユーザ」牽引モデルを考える
- 3.8.1 「ユーザ」を牽引力とする仕組みとは
- 3.8.2 該当するアーキテクチャとミーム
- 3.8.3 サービスが動いていることを訴求する
- 3.8.4 「ユーザ」牽引モデルを適用するための要件
- 3.8.5 「ユーザ」牽引モデルを立案する際のチェック項目
- 3.9 「サービス」牽引モデルを考える
- 3.9.1 「サービス」を牽引力とする仕組みとは
- 3.9.2 該当するアーキテクチャやミーム…
- 3.9.3 「サービス」牽引モデルを適用するための要件
- 3.9.4 「サービス」牽引モデルを立案する際のチェック項目
- コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【3】
- Web 2.0サービスをユーザとして楽しみ,洞察する
Chapter4:CGM・BlogosphereがWebマーケティングを変える
- 4.1 CGMの台頭とアテンションエコノミー
- 4.1.1 ECサイトの集客施策も変わりはじめている
- 4.1.2 Web 2.0がビジネスサイトのマーケティングを変える
- 4.2 「CGM(Consumer Generated Media)」とは何か
- 4.2.1 背景の1つは既存メディアの影響力の低下
- 4.3 「アテンションエコノミー」とは何か?
- 4.3.1 爆発的に成長するBlogosphere
- 4.3.2 アテンション(関心)の獲得が最も重要な時代になった
- 4.3.3 ユーザはこれ以上の情報を処理できない
- 4.4 AIDMAの法則からAISAS・AISCEASの法則へ
- 4.4.1 AISASの法則
- 4.4.2 AISCEASの法則
- 4.5 AISAS・AISCEASはWeb 2.0時代のネットユーザの導線
- 4.6 CGM・Blogosphereで何が起きているかを見渡そう
- 4.6.1 CGM・Blogosphereのトレンドをキャッチ
- 4.6.2 ユーザの興味を探し出す
- 4.7 CGMでのプロモーションのリスクとは
- 4.7.1 やらせblogによる失敗例
- 4.7.2 日本で起きた,やらせ(?)blog騒動
- 4.7.3 重要なのは“対話”を意識したサイトづくり
- 4.8 アクセス解析を巡るトレンド
- 4.9 ロングテールをWebマーケティングに活かすには
- 4.9.1 CGM時代のSEO・SEMへの取り組み方は
- 4.9.2 SEO・SEMのロングテール対応を考える
- 4.10 普及したRSSをビジネスサイトで活用する
- 4.10.1 2005年は「RSSの年」だった
- 4.10.2 ビジネスサイトでRSSを活用するには
- 4.11 RSSの普及で「アクセス解析」にも見直しが必要に
- 4.11.1 ページビュー,ユニークユーザの先にあるもの
- 4.11.2 RSSに特化したアクセス解析をするには
- 4.12 広告チャネルとしてのRSS
- 4.13 Blogosphereをバイラル広告が駆けめぐる
- 4.13.1 バイラルマーケティングの登場
- 4.13.2 blogを使ったトラックバックキャンペーン
- 4.13.3 バイラルCMによるプロモーション
- 4.13.4 バイラルCMのインセンティブと効果測定ツール
- 4.14 Yahoo!が示すCGMとの付き合い方
- 4.14.1 Yahoo! Shoposphereが示す「ソーシャルコマース」への道
- 4.14.2 日本でのYahoo!の展開
- 4.15 CGMの今後は? Google BaseとStructured Blogging?
- 4.15.1 Google Baseは「人手」を活用するトレンドへの分岐点?
- 4.15.2 Blogosphereのコンテンツの標準化とマイクロ化―microfomats
- 4.15.3 CGMの進化にWebマーケティングは従う
- コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【4】
- オープンな運動に身を投じ,オープンマインドを知る
Chapter5:演習 ビジネスサイト2.0をプランニングする
- 演習:オモチャの創発的な遊び方を考える―Wikiやタギングで参加できるサイト
- 演習:Web 2.0時代のクレーム対応インフラ
- 演習:リクルート学生向けのソーシャルニュースサイト
- 演習:Ajax・Flashで実現する“アクションアバター”
- 演習:政府系の事業をSNSインフラを用いて促進
- 演習:顧客とプランニングの要件
- 演習:ネット×リアルのバイラル鬼ごっこ
- 演習:Know Whoシステム2.0
- 演習:釣り情報のblogアグリゲーションポータルサイト
- 演習:オンラインゲームを広報とフィランソロピーに活かす
- コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【5】
- 日々何かを形にし,リリースしてみる
Chapter6:Web屋2.0―ビジネスサイト2.0のための人と組織
- 6.1 Web屋2.0のためのプラクティスをまとめてみる
- 6.2 Web屋2.0 戦略立案・サービスのリリース編
- 6.2.1 戦略を隠すこと,オープンにすること
- 6.2.2 サービスは小さめに,そして早く行う
- 6.3 Web屋2.0 広報・宣伝戦略編
- 6.3.1 声高な宣伝より他者による評判が大切になってきた
- 6.4 Web屋2.0 組織体制・スタッフのスキル編
- 6.4.1 未知の問題はチーム全体で解決する
- 6.4.2 Web 2.0はエンジニア主導の時代か
- 6.4.3 Web 2.0時代のスキルセットとは?
- 6.4.4 Web 2.0時代のプロデューサーやディレクター
- 6.4.5 Web 2.0時代のWebデザイナーやマークアップエンジニア
- 6.5 Web屋2.0 顧客との付き合い方編
- 6.5.1 顧客にリスペクトされる存在になるために
- 6.5.2 顧客のビジネスゴールに共鳴するパートナーとして
- 6.5.3 見積もりにおける留意点
- 6.5.4 協業のスタイルはどうなるか
- 6.5.5 プロジェクトの評価基準はどうすべきか
- 6.6 Web屋2.0 仕事スタイルとR&D編
- 6.6.1 カジュアルなR&Dで変化に対応しよう
- 6.6.2 20%ルール,Happy Friday
- 6.7 Web屋2.0 知的財産とオープンな活動編
- 6.7.1オープンな運動への貢献を通じて存在感を高める
- 6.8 Web屋2.0 自社Webサイトの活用編
- 6.8.1 自社サイトは試行錯誤の姿を写す鏡として
- 6.9 最後に―「お砂場」企業実現の鍵はマネジメントが握っている
- 6.9.1 「お砂場企業」とは
- 6.9.2 高まるマネジメントの役割
- コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【6】
- 個人として立ち,エンプロイアビリティを高める
Chapter7:ビジネスサイト2.0におけるコストとリスク
- 7.1 「50%の完成度」「ユーザは貢献者」というが
- 7.2 コストをどのように見込み,リスクをどう管理するのか
- 7.3 ビジネスサイト2.0の「運用」とは
- 7.3.1 運用コストの考え方
- 7.3.2 「運用」はルーティンではなく,マーケティングそのもの
- 7.4 サービスのリリースが迅速に行えないというリスク
- 7.5 わからないものを実装するというリスク
- 7.6 ユーザ参加で生まれるリスクとは
- 7.6.1 ユーザ参加とコミュニティ運営におけるリスク
- 7.7 コミュニティサイト運営に学ぶリスク軽減プラクティス
- 7.7.1 あらかじめモデレートな利用規約への同意を促す
- 7.7.2 過剰に包括的であるなど都合の良い規約にしない
- 7.7.3 監視やクレーム処理はスキルあるスタッフがあたる
- 7.7.4 トラブル対処は迅速とフェアネスを重んじる
- 7.7.5 事例から学ぶコミュニティサイト運営
- 7.8 ソーシャルブックマークのキャッシュ問題
- 7.9 著作権,知的所有権,ライセンスなどのリスク
- 7.9.1 名誉毀損,肖像権侵害など
- 7.9.2 著作権法の侵害と引用
- 7.9.3 「転載」と「引用」の違い
- 7.10 「データ」が牽引するビジネスモデルを知財で考える
- 7.10.1 データは知的財産
- 7.11 オープンソースソフトウェアのコストとリスク
- 7.11.1 OSSの品質保証
- 7.11.2 ライセンス違反のリスク
- 7.12 Remix・Mashupによるサービス構築がはらむリスク
- 7.12.1 del.icio.usに関連したトラブル
- 7.12.2 Remix・Mashupサービスの現実的なリスク管理とは
- 7.13 Web 2.0時代のコスト管理・リスク対策
- 7.13.1 コストは戦略と呼応する
- 7.13.2 リスクはトレードオフで考える
- コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【7】
- Web屋としての社会貢献も考えてみる
Appendix:イケてるWeb 2.0サービス・API総覧
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