WSE BOOKSシリーズWeb屋の本
Web 2.0,ビジネスサイト2.0,Web2.0

[表紙]Web屋の本―Web 2.0,ビジネスサイト2.0,Web屋2.0

紙版発売

A5判/200ページ

定価1,958円(本体1,780円+税10%)

ISBN 4-7741-2814-7

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書籍の概要

この本の概要

本書は,Web 2.0時代のWeb屋とビジネス(企業・商用)サイトのための“あんちょこ”です。ティム・オライリーの著名論文のWeb屋的解釈,Web 2.0を牽引する数々のサービスの紹介はもちろん,実際にビジネスサイトのWeb 2.0対応をプランニングするためのポイントや,制作・運営のための人や組織の在り方についても触れています。

また,CGM(消費者発信型メディア)やBlogosphere(blog界)全盛時代のWebマーケティングの在り方,Web 2.0時代のコストやリスクについても取り上げています。

こんな方におすすめ

  • Web制作業務を行っている方(Web屋の皆さん)
  • Webディレクター/プロデューサー全般
  • 企業のWebサイト担当者
  • Web戦略担当者

著者の一言

「Web 2.0」というキーワードのもとWebがますます進化のスピードを速める中で,Web屋(プロのWeb制作者,ビジネスサイトの運営者)がなすべきことについての試論をまとめたのが「Web屋の本」です。ビジネスサイトのWeb 2.0対応をプランニングするための視点や,サイトの運営や組織の在り方についてなど,できるだけ沢山の有益なヒントを示すよう努めました。

制作者はもちろん,企業のWeb担当者,そしてこれからWeb業界をめざす人にもぜひ読んでいただきたいと思います。

目次

Chapter 1:“What Is Web 2.0”―Web 2.0をWeb屋的に読み解く

  • 1.1 Webの進化のスピードはますます速まっている
  • 1.2 「Web 2.0」の意味をWeb屋的に考え直してみる
  • 1.3 Web 2.0は一過性の現象で終わるのか?
  • 1.4 パラダイムとパラダイムシフト
    • 1.4.1 パラダイム
    • 1.4.2 パラダイムシフト
  • 1.5 Web 2.0は本当にパラダイムシフトか
  • 1.6 新たなパラダイムに適応すべき理由
  • 1.7 Web 2.0の定義とは
    • 1.7.1 Web 1.0とWeb 2.0の違いとは
    • 1.7.2 オライリーによる7つの原則
  • 1.8 Web 2.0を象徴的するサービスとは
    • 1.8.1 del.icio.us
    • 1.8.2 Flickr
    • 1.8.3 Wikipedia
    • 1.8.4 Google Maps
  • 1.9 Web 2.0の背景―システムとマインド
    • 1.9.1 オープンソースとWeb 2.0
    • 1.9.2 インフラとしてのLAMP・LAPP
    • 1.9.3 ウォード(ワード)・カニンガムのWiki
    • 1.9.4 アジャイル開発手法「XP」のマインドとプラクティス
    • 1.9.5 プレWeb 2.0宣言としての「クルートレイン・マニフェスト」
  • 1.10 クルートレインに学ぶWeb 2.0企業のマインド
  • 1.11 クルートレインとWeb 2.0をつなぐものは「人」
  • 1.12 なぜ今,Web 2.0が一大潮流となったのか
    • 1.12.1 クルートレインが予見し,オープンソースが準備したもの
    • 1.12.2 CGM・BlogosphereがWeb 2.0を育んだ
  • 1.13 Web 2.0を巡る批判の検証
    • 1.13.1 Web 2.0を巡るFAQ的問答
    • 1.13.2 論客ニコラス・カーのWeb 2.0批判
  • 1.14 もしWeb 2.0が流行り言葉に終わったとしても
    • 1.14.1 Blogosphereは縮退するだろうか
    • 1.14.2 ロングテールは縮むだろうか
    • 1.14.3 RemixやMashupサービスはなるなるのだろうか
    • 1.14.4 ユーザは「Web 1.0」的なサービスに満足するだろうか
  • コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【1】
    • Web 2.0時代,Web屋のライフハック

Chapter2:ビジネスサイト2.0―企業・商用サイトのWeb 2.0対応

  • 2.1 ビジネスサイト2.0を考えるフレームワーク
  • 2.2 ビッグプレーヤ―GYM,eBay,AmazonのWeb 2.0対応とは
  • 2.3 Google―Web 2.0の正統な担い手として
    • 2.3.1 Google Maps,Google Earth
    • 2.3.2 Google Analytics
    • 2.3.3 Gmail,Google Calender
    • 2.3.4 Google Base,Google Page Creator
  • 2.4 Yahoo!―Webデベロッパーへの接近を図る
    • 2.4.1 Yahoo! Maps,Yahoo! Mail
    • 2.4.2 Yahoo! Developer Network
    • 2.4.3 Yahoo! Shopping
    • 2.4.4 ヤフーの展開
  • 2.5 Microsoft―ついにオープンプラットフォームに参入
    • 2.5.1 Windows Live,Office Live
    • 2.5.2 Microsoftの転換
  • 2.6 eBay―Skype買収でECのバリューチェーンの強化
    • 2.6.1 Skypeの展開
    • 2.6.2 eBayによる買収
  • 2.7 Amazon―オープン性とユーザ参加で成長を遂げる
    • 2.7.1 A9,Alexa
    • 2.7.2 Amazon Web Services
  • 2.8 「ビジネスサイト2.0」とは
    • 2.8.1 Web 2.0がビジネスサイトに与えるインパクトは
    • 2.8.2 すべてのビジネスサイトが変わるべきなのか
  • 2.9 Web 2.0時代の企業―データとサービスを軸に
    • 2.9.1 データサイロ
    • 2.9.2 Webサービスプロバイダ
    • 2.9.3 データサイロアグリゲータ
    • 2.9.4 Webサービスアグリゲータ
  • 2.10 「データ」と「アグリゲーション」によるビジネスシナリオ
    • 2.10.1 「データ」は重要だが
  • 2.11 成功要因は「データ」「ユーザ」「サービス」だ
  • 2.12 「データ」「ユーザ」「サービス」によるネット企業分析
    • 2.12.1 ソーシャルメディア(Social Media)
    • 2.12.2 Mashupとフィルターサービス
    • 2.12.3 次世代電話
    • 2.12.4 WebOS・Webベースのアプリケーション
    • 2.12.5 インフラとプラットフォーム(Under The Hood)
  • コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【2】
    • 情報を収集する─だけでなくそのプロセスをハックする

Chapter3:ビジネスサイト2.0―アーキテクチャと実装で考える

  • 3.1 この章のフレームワークとゴール
  • 3.2 Web 2.0サービスの成功の隠し味「ファンシー(意匠・装飾)」
    • 3.2.1 「ファンシー」とはどんなものか
    • 3.2.2 「ファンシー」を扱う・実装する難しさ
  • 3.3 自社の与件から対応可能なモデルを考えることが必要
    • 3.3.1 ビジネスサイトが実利に直結しているか
    • 3.3.2 ビジネスサイト専任の担当者はいるか
    • 3.3.3 マネジメントがビジネスサイトにコミットしているか
  • 3.4 ビジネスサイト2.0への投資をどう考えるべきか
    • 3.4.1 「45%の戦略的投資」が重要
    • 3.4.2 Web 2.0における「投資」の考え方
    • 3.4.3 投資はバリュープロポジション実現のために
  • 3.5 ビジネスサイトの与件について考える
    • 3.5.1 機能追加型
    • 3.5.2 リプレース型
    • 3.5.3 新規構築(事業)型
  • 3.6 「データ」「ユーザ」「モデル」とWeb 2.0ミームマップの関係
    • 3.6.1 モデルから実装へ その前にコアコンピタンス
    • 3.6.2 「アーキテクチャ」と「実装」という比喩で考えてみる
  • 3.7 「データ」牽引モデルを考える
    • 3.7.1 「データ」を集める方法
    • 3.7.2 該当するアーキテクチャやミーム
    • 3.7.3 「データ」牽引モデルを適用するための要件
    • 3.7.4 「データ」牽引モデルを立案する際のチェックリスト
  • 3.8 「ユーザ」牽引モデルを考える
    • 3.8.1 「ユーザ」を牽引力とする仕組みとは
    • 3.8.2 該当するアーキテクチャとミーム
    • 3.8.3 サービスが動いていることを訴求する
    • 3.8.4 「ユーザ」牽引モデルを適用するための要件
    • 3.8.5 「ユーザ」牽引モデルを立案する際のチェック項目
  • 3.9 「サービス」牽引モデルを考える
    • 3.9.1 「サービス」を牽引力とする仕組みとは
    • 3.9.2 該当するアーキテクチャやミーム…
    • 3.9.3 「サービス」牽引モデルを適用するための要件
    • 3.9.4 「サービス」牽引モデルを立案する際のチェック項目
  • コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【3】
    • Web 2.0サービスをユーザとして楽しみ,洞察する

Chapter4:CGM・BlogosphereがWebマーケティングを変える

  • 4.1 CGMの台頭とアテンションエコノミー
    • 4.1.1 ECサイトの集客施策も変わりはじめている
    • 4.1.2 Web 2.0がビジネスサイトのマーケティングを変える
  • 4.2 「CGM(Consumer Generated Media)」とは何か
    • 4.2.1 背景の1つは既存メディアの影響力の低下
  • 4.3 「アテンションエコノミー」とは何か?
    • 4.3.1 爆発的に成長するBlogosphere
    • 4.3.2 アテンション(関心)の獲得が最も重要な時代になった
    • 4.3.3 ユーザはこれ以上の情報を処理できない
  • 4.4 AIDMAの法則からAISAS・AISCEASの法則へ
    • 4.4.1 AISASの法則
    • 4.4.2 AISCEASの法則
  • 4.5 AISAS・AISCEASはWeb 2.0時代のネットユーザの導線
  • 4.6 CGM・Blogosphereで何が起きているかを見渡そう
    • 4.6.1 CGM・Blogosphereのトレンドをキャッチ
    • 4.6.2 ユーザの興味を探し出す
  • 4.7 CGMでのプロモーションのリスクとは
    • 4.7.1 やらせblogによる失敗例
    • 4.7.2 日本で起きた,やらせ(?)blog騒動
    • 4.7.3 重要なのは“対話”を意識したサイトづくり
  • 4.8 アクセス解析を巡るトレンド
  • 4.9 ロングテールをWebマーケティングに活かすには
    • 4.9.1 CGM時代のSEO・SEMへの取り組み方は
    • 4.9.2 SEO・SEMのロングテール対応を考える
  • 4.10 普及したRSSをビジネスサイトで活用する
    • 4.10.1 2005年は「RSSの年」だった
    • 4.10.2 ビジネスサイトでRSSを活用するには
  • 4.11 RSSの普及で「アクセス解析」にも見直しが必要に
    • 4.11.1 ページビュー,ユニークユーザの先にあるもの
    • 4.11.2 RSSに特化したアクセス解析をするには
  • 4.12 広告チャネルとしてのRSS
  • 4.13 Blogosphereをバイラル広告が駆けめぐる
    • 4.13.1 バイラルマーケティングの登場
    • 4.13.2 blogを使ったトラックバックキャンペーン
    • 4.13.3 バイラルCMによるプロモーション
    • 4.13.4 バイラルCMのインセンティブと効果測定ツール
  • 4.14 Yahoo!が示すCGMとの付き合い方
    • 4.14.1 Yahoo! Shoposphereが示す「ソーシャルコマース」への道
    • 4.14.2 日本でのYahoo!の展開
  • 4.15 CGMの今後は? Google BaseとStructured Blogging?
    • 4.15.1 Google Baseは「人手」を活用するトレンドへの分岐点?
    • 4.15.2 Blogosphereのコンテンツの標準化とマイクロ化―microfomats
    • 4.15.3 CGMの進化にWebマーケティングは従う
  • コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【4】
    • オープンな運動に身を投じ,オープンマインドを知る

Chapter5:演習 ビジネスサイト2.0をプランニングする

  • 演習:オモチャの創発的な遊び方を考える―Wikiやタギングで参加できるサイト
  • 演習:Web 2.0時代のクレーム対応インフラ
  • 演習:リクルート学生向けのソーシャルニュースサイト
  • 演習:Ajax・Flashで実現する“アクションアバター”
  • 演習:政府系の事業をSNSインフラを用いて促進
  • 演習:顧客とプランニングの要件
  • 演習:ネット×リアルのバイラル鬼ごっこ
  • 演習:Know Whoシステム2.0
  • 演習:釣り情報のblogアグリゲーションポータルサイト
  • 演習:オンラインゲームを広報とフィランソロピーに活かす
  • コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【5】
    • 日々何かを形にし,リリースしてみる

Chapter6:Web屋2.0―ビジネスサイト2.0のための人と組織

  • 6.1 Web屋2.0のためのプラクティスをまとめてみる
  • 6.2 Web屋2.0 戦略立案・サービスのリリース編
    • 6.2.1 戦略を隠すこと,オープンにすること
    • 6.2.2 サービスは小さめに,そして早く行う
  • 6.3 Web屋2.0 広報・宣伝戦略編
    • 6.3.1 声高な宣伝より他者による評判が大切になってきた
  • 6.4 Web屋2.0 組織体制・スタッフのスキル編
    • 6.4.1 未知の問題はチーム全体で解決する
    • 6.4.2 Web 2.0はエンジニア主導の時代か
    • 6.4.3 Web 2.0時代のスキルセットとは?
    • 6.4.4 Web 2.0時代のプロデューサーやディレクター
    • 6.4.5 Web 2.0時代のWebデザイナーやマークアップエンジニア
  • 6.5 Web屋2.0 顧客との付き合い方編
    • 6.5.1 顧客にリスペクトされる存在になるために
    • 6.5.2 顧客のビジネスゴールに共鳴するパートナーとして
    • 6.5.3 見積もりにおける留意点
    • 6.5.4 協業のスタイルはどうなるか
    • 6.5.5 プロジェクトの評価基準はどうすべきか
  • 6.6 Web屋2.0 仕事スタイルとR&D編
    • 6.6.1 カジュアルなR&Dで変化に対応しよう
    • 6.6.2 20%ルール,Happy Friday
  • 6.7 Web屋2.0 知的財産とオープンな活動編
    • 6.7.1オープンな運動への貢献を通じて存在感を高める
  • 6.8 Web屋2.0 自社Webサイトの活用編
    • 6.8.1 自社サイトは試行錯誤の姿を写す鏡として
  • 6.9 最後に―「お砂場」企業実現の鍵はマネジメントが握っている
    • 6.9.1 「お砂場企業」とは
    • 6.9.2 高まるマネジメントの役割
  • コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【6】
    • 個人として立ち,エンプロイアビリティを高める

Chapter7:ビジネスサイト2.0におけるコストとリスク

  • 7.1 「50%の完成度」「ユーザは貢献者」というが
  • 7.2 コストをどのように見込み,リスクをどう管理するのか
  • 7.3 ビジネスサイト2.0の「運用」とは
    • 7.3.1 運用コストの考え方
    • 7.3.2 「運用」はルーティンではなく,マーケティングそのもの
  • 7.4 サービスのリリースが迅速に行えないというリスク
  • 7.5 わからないものを実装するというリスク
  • 7.6 ユーザ参加で生まれるリスクとは
    • 7.6.1 ユーザ参加とコミュニティ運営におけるリスク
  • 7.7 コミュニティサイト運営に学ぶリスク軽減プラクティス
    • 7.7.1 あらかじめモデレートな利用規約への同意を促す
    • 7.7.2 過剰に包括的であるなど都合の良い規約にしない
    • 7.7.3 監視やクレーム処理はスキルあるスタッフがあたる
    • 7.7.4 トラブル対処は迅速とフェアネスを重んじる
    • 7.7.5 事例から学ぶコミュニティサイト運営
  • 7.8 ソーシャルブックマークのキャッシュ問題
  • 7.9 著作権,知的所有権,ライセンスなどのリスク
    • 7.9.1 名誉毀損,肖像権侵害など
    • 7.9.2 著作権法の侵害と引用
    • 7.9.3 「転載」と「引用」の違い
  • 7.10 「データ」が牽引するビジネスモデルを知財で考える
    • 7.10.1 データは知的財産
  • 7.11 オープンソースソフトウェアのコストとリスク
    • 7.11.1 OSSの品質保証
    • 7.11.2 ライセンス違反のリスク
  • 7.12 Remix・Mashupによるサービス構築がはらむリスク
    • 7.12.1 del.icio.usに関連したトラブル
    • 7.12.2 Remix・Mashupサービスの現実的なリスク管理とは
  • 7.13 Web 2.0時代のコスト管理・リスク対策
    • 7.13.1 コストは戦略と呼応する
    • 7.13.2 リスクはトレードオフで考える
  • コラム:Web屋2.0のマインドとプラクティス【7】
    • Web屋としての社会貢献も考えてみる

Appendix:イケてるWeb 2.0サービス・API総覧

著者プロフィール

中野宗(なかのはじめ)

株式会社アークウェブ取締役副社長/CMO(最高マーケティング責任者)。Webプロデューサー。

オープンソースのECサイト構築ソフトウェアの日本語化プロジェクト「Zen-Cart.JP」の立ち上げ,Web制作者コミュニティ「WebSig24/7」モデレーター,Web屋の“楽しい”社会貢献を志す「WebSigエコ&ピース」代表。最近では自社のTwitterのマッシュアップサービス「ecoったー」「necoったー」や,社会貢献型サービス「Miqqle」の企画など。

個人ブログ:du pope : NAKANO Hajime’s Blog