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第3のビールは、なぜビールの味がするのか?
―新ジャンルの味覚を作る技術
- 夏目幸明 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2009.12.11[在庫なし]
- 判型
- A5
- 頁数
- 176ページ
- ISBN
- 978-4-7741-4091-9
サポート情報
概要
日本が生んだ日本だけのお酒──発泡酒と「第3のビール」。世界的にも高いビールへの課税に対し、ビールメーカーは不屈の努力で新ジャンルを生み出し続け、ついに麦を使わずに造るまでに到達する。そのうえ糖質フリー、プリン体カット、完全アルコールゼロまで実現した。醸造という自然の営みが生みだす味を、人はどこまで再現できるのか。味覚の官能に技術で挑んだ、ビール味の飲料をめぐる物語。
こんな方にオススメ
- 第3のビールは、なぜビールの味がするのか?を知りたい方
- ビール、発泡酒、第3のビールの製法と成分の違いを知りたい方
- 糖質カット、プリン体カット、完全ノンアルコールビールの秘密を知りたい方
目次
1章 そもそも「ビール」とは何なのか
- 1-1 ビールの誕生
- 1-2 ビールはいかにして造られるか
- 1-3 甘い麦汁がほろ苦いビールになるまで
2章 発泡酒へ至る道
- 2-1 大ヒット「スーパードライ」の衝撃
- 2-2 スーパードライの「化学」
- 2-3 日本のビール、過酷な税制度
3章 発泡酒の登場
- 3-1 「ホップス」から「スーパーホップス」へ
- 3-2 スーパーホップス」と糖分の進化
4章 「第3のビール」とは何か
- 4-1 ビールらしさの追求から新世代の味へ
- 4-2 黄金色と味と香りの深い関係
5章 「糖質オフ」と「カロリーオフ」はどう違う?
- 5-1 糖質オフのできるまで
- 5-2 プリン体カットで尿酸値も安心?
6章 「新ジャンル」とは何なのか
- 6-1 第4のビール「麦の新ジャンル」の登場
- 6-2 「完全ノンアルコール」はなぜ、いままでなかったか
プロフィール
夏目幸明
1972年生まれ。愛知県立豊橋工業高校を卒業後、早稲田大学へ進学。日本の工業製品に関する取材を主とし、現在は小学館『DIME』の連載、ヒット商品開発秘話『UN・DON・COM.』などを担当。著書に、ヒット商品開発の舞台裏を追う『なぜ、あなたの会社にはこれが作れなかったのか?』(小学館)、ありふれた「もの」の歴史を追う『ニッポン「もの物語」──なぜ回転寿司は右からやってくるのか』(講談社)など。
著者の一言
本来、ビールより発泡酒や「新ジャンル」の方が高い、と言ったら読者は驚くだろうか。
本書では、まず「ビール」とは何かをご説明申し上げたあと、日本のメーカーがなぜ「発泡酒」の可能性に気付き、マーケッターたちがいかに市場のニーズを汲み取り、技術者たちがいかなる苦労の末にこれを作り上げたのか、といった文系的な話と、「糖類」と「糖質」の違いは何で、「大麦」と「麦芽」の違いは何で、麦汁を発酵させると化学的にどのような変化が起こるのか、といった理系的な話を織り交ぜて、各メーカーが誇る“ニッポンのすごい技術”を解き明かしていきたい。
ぜひ、日本にしかなく、ビールではない「黄金色のお酒」を手に、ゆっくりとお話にお付き合いいただければ幸いです。(まえがきより)