現場の即戦力シリーズ機械加工技術 Q&A
2011年5月27日紙版発売
横山哲男 著
A5判/260ページ
定価2,838円(本体2,580円+税10%)
ISBN 978-4-7741-4671-3
書籍の概要
この本の概要
ものづくりで大切なのは,新たな加工に直面したときに,加工のポイントを見抜き,必要な加工手順を設計し実行することです。本書は,機械加工技術者向けに,現場でのさまざまな問題,疑問に答える形でまとめた実践入門書です。
本書の構成は,それぞれ各章の前半で,その分野における基礎知識や知っておかねばならない情報をいくつかの「Point」として示し,それぞれ後半で,「Q&A」として,現場からの疑問に答える形で実践的な解説を行っています。
「わからない材料の加工は」,「必要な表面粗さを確保するには」,「特殊工具の工夫が大切」,「削れる硬さの限界は」,「切削油剤で仕上がりが違う」など,各テーマについて見開き2頁で解説されていますので,得たい情報から学ぶことも可能です。文献の知識をどう生かすか,加工精度をどう活用して実践に結びつけるかなど,ここには著者長年の経験に基づくノウハウが充実しています。
こんな方におすすめ
- 初級の機械加工技術者
- ものづくり現場で機械加工に携わっている技術者
- 機械加工技術について知りたい異業種関係者・学生
目次
1章 切削と加工精度の確保
- 解説
- Point1.1 切削のメカニズム
- Point1.2 切り屑の形態
- Point1.3 構成刃先
- Point1.4 切削抵抗
- Point1.5 切削熱と切削温度
- Point1.6 切削面の粗さ
- Point1.7 工具の摩耗原因
- Point1.8 工具の摩耗形態
- Point1.9 工具の寿命
- Point1.10 切り屑処理
- Point1.11 びびり振動
- Point1.12 ぴびりの対策
- Point1.13 特殊加工法
Q&A
- Q1.1 わからない材料の加工は
- Q1.2 軟らかい材料は難しいか
- Q1.3 ワークが燃えたらどうするか
- Q1.4 構成刃先によいことはあるのか
- Q1.5 必要な表面粗さを確保するには
- Q1.6 刃先摩耗状態の判断は
- Q1.7 ワークが熱いとどれだけ精度に影響するか
- Q1.8 びびりと機械の据え付けは
- Q1.9 ステンレスは漏らしたら駄目って
- Q1.10 加工ではどのくらいの電力が必要か
2章 切削工具
- 解説
- Point2.1 工具材料
- Point2.2 高速度工具鋼(ハイス)
- Point2.3 超硬工具
- Point2.4 コーティング工具
- Point2.5 サーメット・セラミックス
- Point2.6 ダイヤモンドとCBN
Q&A
- Q2.1 超硬P・M・Kは使用基準
- Q2.2 突っ切り作業でへそを残さない
- Q2.3 超硬チップのブレーカを働かせるには
- Q2.4 断続切削の刃先欠損は最小限に
- Q2.5 中ぐり工具の選択
- Q2.6 特殊工具の工夫が大切Ⅰ
- Q2.7 特殊工具の工夫が大切Ⅱ
- Q2.8 溝加工に適するエンドミル刃数
- Q2.9 アップカットとダウンカットは違うのか
- Q2.10 正面フライスの刃をそろえる
- Q2.11 ドリルの刃先は暴れるのか
- Q2.12 ドリル加工を容易にするシンニング
- Q2.13 折れたタップを抜くには
- Q2.14 音の静かな鋸刃
- Q2.15 単純・簡単・平滑仕上げのパニシング
- Q2.16 TiNの工具寿命の長い理由は
- Q2.17 ダイヤみたいなドリルとは
3章 材料の特性と加工
- 解説
- Point3.1 被削性
- Point3.2 展延性材料と高硬度材料
- Point3.3 ステンレス鋼
- Point3.4 耐熱合金
Q&A
- Q3.1 削れる硬さの限界は
- Q3.2 黒皮を削っては駄目
- Q3.3 プレハードン鋼はなぜ削れるのか
- Q3.4 ダイス鋼は工具摩耗が早すぎる
- Q3.5 薄い硬化層はどう仕上げるか
- Q3.6 プラスチック加工の留意点は
4章 切削油剤
- 解説
- Point4.1 切削油剤の作用I
- Point4.2 切削油剤の作用Ⅱ
- Point4.3 切削油剤の種類
- Point4.4 切削油剤と添加剤
Q&A
- Q4.1 油系は水系よりすぐれるのか
- Q4.2 サラダ油が高品質を生む
- Q4.3 水溶性は管理を徹底しないと爆発
- Q4.4 切削油剤で仕上がりが違う
5章 段取りと計測
- 解説
- Point5.1 表面粗さⅠ
- Point5.2 表面粗さⅡ
- Point5.3 治具・取付具Ⅰ
- Point5.4 治具・取付具Ⅱ
Q&A
- Q5.1 水準器で摩耗深さを測定するには
- Q5.2 傾きから形状を推定するには
- Q5.3 精密な角度の研削方法は
- Q5.4 締金の押さえ方
- Q5.5 クランプしたワークの平行だし
- Q5.6 タップの下穴はどう決めるか
- Q5.7 不安定ワークの取付け
- Q5.8 熱処理したセンタ穴の仕上げは
- Q5.9 大物丸棒にセンタ穴をあける
- Q5.10 横型で多品種同時加工をするには
- Q5.11 治具では基準をダブらせては駄目
6章 研削加工
- 解説
- Point6.1 研削砥石
- Point6.2 研削作業
Q&A
- Q6.1 振れのでない砥石のドレッシング
- Q6.2 研削割れはなぜ起こる
- Q6.3 仕上げのポイントは
- Q6.4 超高速研削の能率は何倍か
- Q6.5 機械が自分で自分を削る
- Q6.6 磁石が効きにくいときの対応は
- Q6.7 たくさんある砥石の中からどれを選ぶ
- Q6.8 セラミックスの研削は掃除が絶対
- Q6.9 資格を取るには
7章 NC加工
- 解説
- Point7.1 NC技術の変遷
- Point7.2 NC加工の手順
- Point7.3 NC加工の効果
- Point7.4 省力化
- Point7.5 生産工程への影響
- Point7.6 CADとNC加工
Q&A
- Q7.1 極座標制御は精度が出せない
- Q7.2 小径エンドミルの仕上げは
- Q7.3 曲面加工でのプログラムの節約
- Q7.4 繰り返し動作は固定サイクルで
- Q7.5 より細かいサイクルはサブプログラムで
- Q7.6 コンピュータ機能が使えるマクロ
- Q7.7 変数が使えるマクロ機能の活用は
8章 機械のメンテナンス
- 解説
- Point8.1 機械の精度と加工精度
- Point8.2 変形とその対策
- Point8.3 機械の据付けと精度検査
- Point8.4 機械の保全
Q&A
- Q8.1 テストバーって何ですか
- Q8.2 テストバーを使わない検査方法は
- Q8.3ワークの心押台側が細る理由は
- Q8.4 ベッドの摩耗・据付け不良の影響は
- Q8.5 フライスのあやめ模様で機械の判断
- Q8.6 平面研削盤は傾かないのか
- Q8.7 高精度確保には慣らし運転を
- Q8.8 精度の許容値はどう決めるのか