しくみ図解 道路保全が一番わかる
- 窪田陽一 監修
- 定価
- 2,068円(本体1,880円+税10%)
- 発売日
- 2013.11.23 2013.12.6
- 判型
- A5
- 頁数
- 192ページ
- ISBN
- 978-4-7741-6117-4 978-4-7741-6197-6
サポート情報
概要
2020年の東京オリンピック開催決定により、インフラ整備が課題となっています。特に首都高速は50年近く経過しており、その劣化や老朽化からその修繕が急がれています。本書は道路・トンネル・橋梁の保守や点検にスポットをあてて、関連事業者にわかりやすく解説します。『道路が一番わかる』の姉妹本です。
こんな方にオススメ
- 土木・建設関係者 特に保守作業に携わる方
目次
1章 道路保全の時代
- 1 蓄積した社会基盤の高齢化
- 2 道路施設の劣化・変状の原因
- 3 点検作業の重要性
- 4 履歴情報の管理と共有
- 5 維持・修繕の費用と財源
- 6 道路アセット・マネジメントと道路保全管理計画
- 7 防災性能と環境水準の維持・向上
- 8 道路の通行制限と交通安全
- 9 地域社会と道路管理者の連携
2章 舗装の維持・修繕
- 1 道路舗装の種類と構造
- 2 アスファルト舗装の変状
- 3 アスファルト舗装の維持・修繕
- 4 ポーラス・アスファルト舗装の変状
- 5 ポーラス・アスファルト舗装の維持・修繕
- 6 コンクリート舗装の変状
- 7 コンクリート舗装の維持・修繕
- 8 ブロック系舗装の変状
- 9 ブロック系舗装の維持・修繕
- 10 排水施設の変状と維持・修繕
- 11 地下埋設物と舗装復旧
- 12 構造物との段差の維持・修繕
- 13 消融雪施設の維持管理
- 14 道路の改築
3章 道路付属施設・道路植栽の維持管理
- 1 道路付属物の定義と分類
- 2 道路付属物の点検・補修
- 3 交通安全施設(防護柵)
- 4 交通安全施設(眩光防止施設)
- 5 交通安全施設(中央分離帯転落防止網)
- 6 交通安全施設(落下物防止柵)
- 7 交通管理施設(道路標識)
- 8 交通管理施設(路面標示)
- 9 交通管理施設(視線誘導標)
- 10 交通管理施設(車線分離標・距離標)
- 11 交通管理施設(可変式道路情報板設備)
- 12 交通管理施設(道路照明設備)
- 13 その他施設(遮音壁)
- 14 その他施設(植栽管理 他)
4章 盛土と切土法面の維持・修繕
- 1 盛土の変状
- 2 盛土の維持・修繕
- 3 地盤改良
- 4 切土の変状
- 5 切土の維持・修繕
- 6 法面緑化工
- 7 ブロック張工とコンクリート張工
- 8 法枠工
- 9 コンクリート擁壁工
- 10 ジオテキスタイル
- 11 排水施設
- 12 法面の植生管理
5章 橋梁とコンクリート構造物の維持・修繕
- 1 鋼橋の変状と点検方法
- 2 鋼橋の防錆
- 3 伸縮装置の交換
- 4 支承
- 5 コンクリート構造物の変状と点検方法
- 6 コンクリート橋台・橋脚
- 7 コンクリート桁の変状と維持・補修
- 8 コンクリート床版
- 9 交通安全のための橋梁付属設備
- 10 カルバートの維持管理における着目点
6章 トンネルの維持・修繕
- 1 トンネルの構造と非常用施設
- 2 トンネルの点検・調査
- 3 トンネルの変状
- 4 トンネルの維持補修・補強対策
- 5 ひび割れ対策
- 6 覆工の剥落対策
- 7 漏水対策
- 8 覆工背面の裏込め工法
- 9 トンネル内巻工法
- 10 照明設備
- 11 換気設備
- 12 消火設備及び避難誘導設備
- 13 遠方監視システム
- 14 断面拡幅工法
7章 道路の改良と景観の向上
- 1 道路改良事業
- 2 線形改良と拡幅
- 3 交差点の改良
- 4 沿道空間との一体整備
- 5 歩道と自転車道の整備
- 6 道路占用物の整序
- 7 夜間照明の改善
プロフィール
窪田陽一
1980 年東京大学大学院工学系研究科博士課程修了。工学博士。現在、埼玉大学大学院理工学研究科教授。埼玉県環境審議会会長。20 年前に東京ゲートブリッジの基本形態を提案し、完成まで技術検討委員会委員兼景観検討部会長としてデザインを監修するなど、国土交通省・埼玉県他各種行政機関の委員・委員長などを歴任。雷電廿六木橋のデザインにより土木学会デザイン賞2010 年最優秀賞を受賞。論文・著書など多数。(監修及び第1章、第7章、各コラム執筆)
二木隆
1985 年鳥取大学大学院工学研究科修了。同年、大成道路(株)入社。 現在、大成ロテック(株)事業本部技術部部長技術士(建設部門)。道路、空港などの舗装に関して、設計から施工における工法・材料などへの技術的な検討や対応に携わっている。(担当:第2章執筆)
松坂敏博
1988 年山梨大学工学部土木工学科卒。同年4月に、日本道路公団採用。2011 年NEXCO東日本㈱関東支社谷和原管理事務所長。現在、本社管理事業本部管理事業計画課長(兼)SMH 推進チームリーダー。社会インフラ維持管理・更新検討タスクフォース及び社会インフラ維持管理・更新の重点課題検討特別委員会(土木学会)委員。(第3章執筆)
鈴木輝一
1976 年東北大学大学院工学研究科修士課程修了。同年、4 月鹿島建設(株)入社。エコールサントラルパリ客員教授などを歴任。現在、埼玉大学大学院理工学研究科教授。博士(工学)。専門は地盤工学。2008 年にIJOG Excellent Paper Award を受賞。著書に、『理工学のための線形代数』(培風館、共著)などがある。(4-1 ?4-5 執筆)
北本幸義
1984 年京都大学工学部土木工学科卒業。1986 年同大大学院工学研究科土木工学専攻修了後、鹿島建設㈱入社。東北支店山王海ダムJV、土木管理本部などを経て、現在、技術研究所土質・地盤グループ長。博士(工学)、技術士(建設部門、農業部門)。分担著に『新しい補強土擁壁のすべて』(総合土木研究所)、『仮設構造物の計画と施工[2010 年改訂版]』(土木学会)。(4-6 ~ 4-12 執筆)
本間淳史
1988 年早稲田大学大学院理工学部建設工学科修士課程修了。現在、東日本高速道路(株)さいたま工事事務所長。民営化前の日本道路公団に入社以来、新東名、外環道、圏央道など高速道路の橋梁構造物の調査、設計、施工、維持管理に幅広く従事。土木学会、日本道路協会などの委員会活動、基準作成などに参加。2006 年大阪大学大学院工学研究科にて博士(工学)を取得。(第5章執筆)
横澤圭一郎
1975 年3月千葉工業大学土木工学科卒業。同年4月(一社)日本建設機械施工協会施工技術総合研究所に入所。現在、技師長。技術士(建設部門・総合技術監理部門)。入所後から39 年間、主に山岳トンネルの調査、設計、施工、維持管理に携わる。主なトンネルとしては、鷲羽山トンネル、舞子トンネル、関越トンネル、オランダ坂トンネルなどがある。(第6章執筆)
著者の一言
本書は、維持・修繕などと通常よばれている範囲を越えて、道路そのものの全面的な改良や更新も取り上げています。さらには道路の外側にあり、道路と一体に見える沿道も取り上げて、道路を通行する時に眺められる景観を改善する考え方も解説しています。道路を通行する一般の人々の目には、沿道をふくむ全体の姿が道路なのです。
新しい道路を次々に建設する時代は過ぎ、今まで造られてきた道路をいかに長持ちさせながら日々利用していくかを真剣に考える時代になりました。人々が毎日利用する道路の姿を、より良い状態で持続させるための基礎知識への入り口として、本書を活用していただければ幸いです。