エネルギー資源のすべてがわかる
- 矢沢潔 著
- 定価
- 2,838円(本体2,580円+税10%)
- 発売日
- 2014.12.11[在庫なし]
- 判型
- B5
- 頁数
- 128ページ
- ISBN
- 978-4-7741-6996-5
サポート情報
概要
日本はエネルギー資源の輸入超大国です。私たちは生活のすべてがエネルギー資源の消費に依存しており、エネルギー資源が不足すれば生活や産業は1日たりとも持ちません。本書はそのエネルギー資源がテーマです。これらが地球上のどこにどれだけあり、どんな方法と技術で手に入れて電力に変えているのでしょうか。また、エネルギー資源の安定的な確保と供給は、将来の生活を約束するうえで欠かせないテーマです。本書は、現在の世界と日本のエネルギー資源の実情を、多数の写真やイラスト、図表を用いながら俯瞰します。
こんな方にオススメ
- エネルギー問題や電力問題に関心のある方
- エネルギー資源について関心のある方
目次
Part1
石油
~全地球に広がる油田開発:深海油田と非在来型油田
- エネルギー消費の50パーセントを占める石油
- 石油はいつどのようにして生まれたか?
- 石油採掘の最新技術
- 石油タンカーとパイプライン
- 【マップ】
- 世界の石油資源マップ
- 【コラム】
- 海底油田とオイルタンカー事故による自然破壊
- 石油の非生物起源説
- 日本の国家石油備蓄基地
Part2
石炭
~21世紀のいまもエネルギー供給の大黒柱
- 石炭は太古の太陽エネルギー
- 石炭層を探して掘り出す方法
- 石炭の環境破壊と新しい石炭火力発電所
- 【マップ】
- 世界の石炭資源マップ
- 【コラム】
- 「石炭化」のプロセス
- 圧倒的に多い石炭採掘の事故死者数
- 大気破壊的な石炭の環境問題
- 日本の石炭輸入、増加の一途
Part3
天然ガスとLNG
~エネルギーの新たな主役へ
- 天然ガスは地球生物が蓄えた太陽エネルギー
- 天然ガスを液化すると体積は600分の1に
- ガス火力発電の大気環境への影響
- 「原始資源量」と「可採埋蔵量」の違い
- 月までよりはるかに長いアメリカのパイプライン
- 消費量の97パーセントを輸入に頼る日本
- 【マップ】
- 世界の天然ガス資源マップ
- 【コラム】
- 人間の天然ガス利用の記録
シェールガス
~“シェール革命”で世界のエネルギーはどう変わるか?
- アメリカが世界最大の産油国になる
- 世界のエネルギーの主役は天然ガスへ
- フラッキングとシェールガスの台頭
- シェールガスはどこに分布しているか
- シェール革命を“輸出”できない理由
- シェール革命は崩壊する?
- シェールガス採掘と環境破壊
- フラッキングで地震発生
- 【コラム】
- シェールガスを採掘する方法
- 日本にもシェールガスがある?
- メタンハイドレートへの期待と壁
Part4
ウランとトリウム
~原子力発電のエネルギー源
- まもなく500基を超える発電用原子炉
- 原発国から非原発国へ電力を供給する“グリッド”
- 電力の安定供給と価格変動、温暖化ガスの排出
- ウランから原子炉用の燃料を生成する
- 高品位のウランと低品位のウランの違い
- 北朝鮮は世界一のウラン資源国?
- 海水に含まれる“無限の”ウラン資源
- 【マップ】
- 世界のウランとトリウム資源マップ
- 【コラム】
- 新型原子炉は「第3世代プラス」へ
- ビル・ゲイツの新しい原子炉
- 近づく「トリウム原発」の時代
- 高速増殖炉と核燃料サイクル
- 夢の無限エネルギー「核融合実験炉」の建設始まる
Part5
再生可能エネルギー
~再生可能、それとも“NIE(新非効率エネルギー)”?
- エネルギー密度が小さい再生可能エネルギー
- 太陽エネルギーの性質を理解する
- 風力発電の可能性と競争力
- 【コラム】
- 地球に届く太陽のエネルギー
- ドイツは“エネルギーのカナリア”?
- 補遺:水力エネルギー
プロフィール
矢沢潔
科学雑誌編集長などを経て1982年より科学情報グループ矢沢サイエンスオフィス(㈱矢沢事務所)代表。内外の科学者・研究者、科学ジャーナリスト、編集者などをネットワーク化し30数年にわたり自然科学、医学(人間と動物)、エネルギーなどに関する情報・執筆活動を続ける。編著書100冊以上。本書では構成・執筆・まとめを行った。
ビル・アンドレティ(Bill Andrietti)アメリカのジャーナリスト・編集者。コーネル大学卒業(哲学専攻)。科学分野のほか経済学、社会学などの分野で執筆活動を続ける。本書ではアメリカやカナダで現在進行中の“シェールガス革命”について現地から報告した。
新海裕美子(しんかいゆみこ)
東北大学大学院理学研究科(化学)修了。1990年より矢沢サイエンスオフィス・スタッフ。科学の全分野とりわけ医学・生理学関連の調査・執筆・翻訳を行う。共著書に『家族がガンになったときすぐに知りたいQ&A』(学研マーケティング)、『薬は体に何をするか』『自然界をゆるがす「臨界点」の謎』『ノーベル賞の科学』物理学賞編、生理学医学賞編(以上技術評論社)、『始まりの科学』(ソフトバンククリエイティブ)、『この一冊でiPS細胞が全部わかる』(青春出版社)など。
ハインツ・ホライス(Heinz Horeis)
物理学教師から科学ジャーナリストに転向。ドイツの科学雑誌編集長を経て1990年より矢沢サイエンスオフィス・ヨーロッパスタッフを兼ね多数のノーベル賞学者などにインタビュー。たびたび来日し日本の科学技術を取材してドイツのメディアに紹介。南アルプスや丹沢山塊を歩き、2008年インド→中東→ドイツまで1万キロをインド製オートバイで走破。近刊に『ヒッグス粒子とはなにか』(矢沢潔と共著、ソフトバンククリエイティブ)など。