人と人とのつながりを財産に変える オンラインサロンのつくりかた

この本の概要

「大手企業と100万円相当のコラボ企画を実現」
「顧客との信頼関係で売上が50万円アップ」
「サロンスタートから6か月で,600名ものコミュニティに成長」

モノも情報も溢れかえる現代,安定して収益を得るには,顧客から信頼されることが大切。そして,他者がマネできない顧客との関係性をつくるのに効果的なのが,オンラインサロンです。
本書は,2年間で30社のオンラインサロンを設立・運営し1000人以上の会員を見てきた著者が教える,サロンづくりの入門書にして決定版。

「でも,有名人やカリスマじゃないと人が集まらないでしょ」
「ものすごく手間がかかるんじゃないの」

こんなよくある疑問を解消しながら,月額会費制のサロンで顧客との信頼関係を作り,安定収益につなげる方法を学べます。

こんな方におすすめ

  • 労働集約型のビジネスで収益の上限が見えている個人事業主の方
  • コミュニティ運営をはじめたい方
  • 他からマネされないお客さんとの関係性を作りたい方

著者の一言

「1年先,いや来月の確実に見込める売上が欲しい」
「販売がどんどん難しくなっている」
「どうすれば安定収益を得られるのか」

この本を手に取ったあなたは,このようにお考えかもしれません。
モノでもコトでも,なにかを「売る」ということがどんどん難しくなっていると思いませんか? 自分たちの会社やお店で購入してもらうために,日々,自社がNO.1に見える切り口で情報発信をされているのではないでしょうか。しかし,他社も同じように情報発信をしています。そうして日々「わが社がNO.1」と発信される環境下では,顧客にとってもなにかを「買う」という行為が負担になっています。たとえば,パソコン1台を買う前には,価格比較サイトやレビューサイトを見る人は多いのではないでしょうか? 私はあれが大の苦手で,情報の取捨選択に疲れます。でも辞められない……。購入後により良い商品やより安い買い方を見つけてしまって,後悔したくないからです。
購入前にたくさんの情報が必要なのは,企業と顧客に信頼がないからです。「この商品に本当にそれだけの価値があるのか?」「この企業は信頼できるのか?」という不安があるから。逆に,「この会社で買って良かったから,またここで買おう」と思えると,必要な情報はぐっと減るのではないでしょうか。信頼はお互いの時間を節約します。新しいお客様に購入していただくコストと,既存の客様にリピートしていただくコストが数倍~数十倍も違う理由は,信頼があるかどうかです。とすると,「一度買っていただいたお客様との関係性をいかに継続していけるか?」が,冒頭の安定収益の鍵となってきます。
その関係維持に有効な手段として,オンラインサロンが注目を集めています。オンラインサロンとは,月額会費制で顧客に有益な情報や体験を提供することを通して関係性を作るモデルです。サロンの外は情報過多で,自分で取捨選択をする必要がありますが,サロンでは信頼関係でつながっているので,顧客は一定の情報の取捨選択をサロンオーナーに委ねています。

「この分野に関しては,あなたを信頼するから,ほかの人よりもあなたの言葉を信用します。だから,他所では言わない悩みや本音を聞いてください」

そんな関係性なのです。また,同じ分野に関心のある会員同士で一緒に学んだり,情報交換を行い,つながりを提供することも,サロンの魅力といわれています。商品ラインナップや価格設定,セールスレターなど表面的なことはかんたんにコピーされますが,お客様との関係性は一朝一夕ではコピーできません。
本書は,ゼロからオンラインサロンを立ち上げ,安定的に運営していくための手順を紹介しています。私は2016年にコミュニティ運営事務局の会社を立ち上げ,30数社のオンラインサロンの立ち上げと運営に関わってきました。また,講演では1200名以上にオンラインサロンの作り方をレクチャーし,運営で関与した会員数は1000人を超えます。その経験をもとにまとめた本書では,3つの特徴があります。
1つめは,よくある「自社はこうしてうまくいった」というその会社固有の成功談ではなく,私自身が事務局として関わった多種多様な業種のオンラインサロンの運営から「お客様が長く参加し続けてくださる方法」をまとめていることです。“事務局”といいながら,時には会員と一緒にオンラインサロンを本気で楽しみながら,「いいオンラインサロン運営とはなにか?」を考えてきました。30数社の経験をもとに,幅広い業種で再現性の高いものになるように意識しています。
2つめは,講座ビジネスや会員ビジネスにありがちな「カリスマ」を必要としない運営方法を解説していることです。カリスマやエネルギッシュな創業社長でしかできない方法では,再現性がありませんし,運営を人に任せることができません。変化の激しいこれからの時代に,カリスマや権威的な象徴に承認をしてほしい人を集客して中長期的に課金させ続けることは難しいと考えています。本書では極力,そのような要素のない,普通の人(スタッフや現場責任者の方)が運営できる手順を紹介しています。具体的には,「サロンのビジョンやコンセプト設計を考え抜く」ということですが,その詳細は第3章をご覧ください。
3つめは,図表を多く使用してわかりやすく理解できるようにしていることです。人の感情や心理の動きは文章だけでは伝わりづらいものがあるので,心理の動きを図表であらわしています。また,オンラインサロンでのコミュニケーションの手順,顧客の話の聞き取り方など,運営チームで共有できるワークシートも取り上げ,本書1冊で必要なツールが揃うようにしています。
オンラインサロンの運営を通して,お客様との関係をつくり,継続率の向上やリピート,売上アップにつなげていただきたいと思います。誠実にお客様に向き合う方が,本書を通して,お客様との強い結びつきを作っていただけることと,その事業の運営を通していつもどおり働く“普通の人たち(非カリスマ)”が自分の日々の仕事に誇りを持てるようなものになれば,これ以上うれしいことはありません。
(本書「はじめに」より)

著者プロフィール

中里桃子(なかざとももこ)

1982年佐賀県生まれ。
日本で唯一のオンラインサロン運営を専門としている株式会社女子マネ代表取締役。広告・イベント会社勤務を経て独立。2013年に立ち上げた読書会は,半年で毎月100名を超えるイベントに成長。現在は,個人・法人20社以上のコミュニティマネージャー・顧問として活動中。日本最大手セミナー会社でも「コミュニティ・オンラインサロンの作り方」講師として登壇。累計1100名の法人・個人にコミュニティの作り方教えている。
ビジョンは「愛情表現をするように仕事をする人で日本をいっぱいにする」こと。
幼稚園の入園初日にいじめられ,コミュニティへの参加に挫折。「どうしたら集団に溶け込めるのか」と悩みながら,3歳から18歳までは地元で仲間外れキャラとして過ごす。大学進学で田舎を出て,人間関係を一新することで「新しい自分」を生きることができ,清々しさを感じる。しかし,いきなり人間関係が得意になる訳ではなく,12年間の会社勤めのなかでは7社を転々としながら,自分探し。30歳でコミュニティに出会い,信頼できる仲間ができたことで,コミュニティの楽しさにはまり,コミュニティ運営に関わるようになる。
固定された役割や人間関係に窮屈さを感じている人に,リスクなく,コミュニティを使って自分らしさ,新しい可能性を試す方法を伝えたいと考えている。関係性のなかで,人がどう自分らしく生きるかを考え続けて33年。普通の人が気軽に挑戦できる社会をつくるために, “役割の試着” ができるコミュニティ活用の方法を広めている。