生物ミステリー(生物ミステリーPRO) 古生物食堂

「古生物食堂」のカバー画像
著者
土屋健つちやけん 著
黒丸くろまる 絵
松郷庵 甚五郎 二代目まつごうあん じんごろう にだいめ 料理監修
古生物食堂研究者チームこせいぶつしょくどうけんきゅうしゃチーム 生物監修
定価
2,178円(本体1,980円+税10%)
発売日
2019.8.23 2019.9.4
判型
A5
頁数
224ページ
ISBN
978-4-297-10819-9 978-4-297-10820-5

概要

「……古生物って、意外と美味しいんじゃない?」

そう思ったこと、ありませんか?

そんな“憧れ”が実現するお店、それが『古生物食堂』。
この食堂には、古生物が日々持ち込まれる。

……これ、どうやって食べるのかな?

系統(祖先・進化の関係)と生態を伺いつつ、古生物の味を大胆に類推。
大胆かつ繊細な味付けで、古生物たちは「魅惑の料理」へ!

全ての料理にはレシピがついているので、憧れの古生物料理がご家庭でもお楽しみいただけます。

こんな方にオススメ

  • 古生物ファン
  • 古生物の生態に興味のある方
  • 生物の生態と味の関係性について興味のある方

目次

  • 『古生物食堂』お品書き

古生代編

  • アノマロカリスしんじょう揚げの甘酢餡かけ&みそディップとフィンの素揚げ
  • アグノスタスのお好み焼き風とオレノイデスのみそソース
  • ピカイアの和風オムレツ
  • ユーリプテルスのトマトパスタ
  • ボトリオレピスのピリ辛味噌炒め
  • ディプロカウルスのまる鍋風
  • ヘリコプリオンの中華風餡かけ&肝の旨煮

中生代編

  • ショニサウルスの塩麹竜田揚げ
  • シノオルニトミムスの砂肝アヒージョ
  • エラスモサウルスのネックのスープ
  • パンノニアサウルスの蒲焼き
  • テトラゴニテスのバター風味
  • メタプラセンチセラスのブルスケッタ
  • ヘスペロルニスの赤ワイン煮込み
  • 恐竜の巨大卵の味噌漬け&メレンゲクッキー
  • 恐竜卵のふわっふわ目玉焼き
  • シチパチの麻婆豆腐餃子
  • ヴェロキラプトルのもも肉燻製&手羽中のパリパリ香草焼き
  • セントロサウルスのごぼう巻き&アスパラの塩炒め
  • ピナコサウルスのタンステーキ&皮骨・肉の大根煮
  • ロースト・ヒパクロサウルス

新生代編

  • ガストルニスの天つゆ仕立て
  • アンビュロケタスのバジルソースかけ
  • ペゾシーレンのスペアリブラーメン
  • エオヒップスのタルタルステーキ
  • デイノガレリックスの時雨煮
  • ケレンケンの梅肉蒸し
  • デスモスチルスのカレー
  • ホセフォアルティガシアの豪快ロール焼き
  • メガロドンのオレンジソテー&フカヒレの姿煮

★古生物食堂 勝手口

  • もっと詳しく知りたい読者のための参考資料

プロフィール

土屋健つちやけん

著者
オフィス ジオパレオント代表。サイエンスライター。埼玉県生まれ。
金沢大学大学院自然科学研究科で修士号を取得(専門は地質学、古生物学)。
その後、科学雑誌『Newton』の編集記者、部長代理を経て独立し、現職。
雑誌等への寄稿、著作多数。『リアルサイズ古生物図鑑 古生代編』で「埼玉県の高校図書館司書が選ぶイチオシ本2018」第1位などを受賞。
2019年、サイエンスライターとして初めて日本古生物学会貢献賞を受賞。
近著に『リアルサイズ古生物図鑑 中生代編』(技術評論社)など。
土屋家においては、週2回のランチ当番。
そのときは「つくることも食べることも楽しいこと」を念頭に調理……しているが、なぜかやたらと時間がかかってしまう(なぜだ?)。

黒丸くろまる

漫画家。
代表作は『クロサギ(原案/夏原武)』『絶滅酒場』など。
描きながらヨダレが出てくるようなお食事ばかりで、本当にどこかで食べられないかなあと夢想しながらの作画でした。
個人的には巨大卵の味噌漬けが…! 友達や家族と一緒に、こんなビックリ料理の数々を囲めたら最高ですね。
作ってくれる人や一緒に食べる人など、「おいしい」という気持ちを共有してくれる人がいれば、「おいしい料理」はさらにおいしくなると思います。
私は酔っぱらうとやたらクサいことをいいだす傾向があるので、そういうのを笑わずに聞いてくれる人がいいな(笑)

松郷庵 甚五郎 二代目まつごうあん じんごろう にだいめ

料理監修者。
1984年所沢に創業、松郷庵甚五郎はおいしいだけでなく、食の安心・安全を大切にしてきました。
そば・うどん共に独自の製法によるものです。
木の温もりを感じる店内が昔懐かしさを感じていただけると思います。
ホームページおよび各種SNSもやっています。
おいしい料理に不可欠なもの……食べていただくお客様に喜んでもらおうという気持ちが、根本的には、大事だと考えます。

古生物食堂研究者チームこせいぶつしょくどうけんきゅうしゃチーム

(順不同)

木村由莉(きむらゆり)

国立科学博物館地学研究部生命進化史研究グループ研究員。古生物学者。
専門は陸棲哺乳類化石で、小さな哺乳類の進化史と古生態に魅了されている。
歯の化石から古生態を読み解こうと奮闘していたら飼育実験も行うことになってしまい、新米飼育係も兼ねる。
理科の実験に使う耐熱性ビーカーでおいしい緑茶を飲むのが最近の日課。

久保田克博(くぼたかつひろ)

理学博士。兵庫県立人と自然の博物館研究員。
兵庫県丹波地域やモンゴルのゴビ砂漠で、小型獣脚類恐竜を中心に、恐竜の記載や系統関係について研究しています。
学生時代は手作り料理をすることもありましたが、就職してからは手軽さ重視の食事中心になってしまいました。
料理は味よりも、それに注ぎ込んだ愛情や情熱が大事だと信じています。
あくまで理想ですけどね(笑)

栗原憲一(くりはらけんいち)

株式会社ジオ・ラボ代表取締役社長、北海学園大学客員研究員。
2003~2015年まで北海道三笠市立博物館で学芸員(古生物学)、2015~2019 年まで北海道博物館で学芸員(博物館展示・教育)を務めた経験を生かし、2019年6月より会社を設立。
科学的知識を生かした地域活動(ジオパークなど)や地域拠点施設における展示活動の支援を行っている。
おいしい料理には、素材の旬を知ることが不可欠。
味と物語の両方を楽しむことができる。

高崎竜司(たかさきりゅうじ)

北海道大学理学院大学院生(博士課程後期)。
動物の『食』と進化の関係性に強い興味をもち、現在は胃石を通じて恐竜の消化器官の研究を行っています。
鳥脚類の記載分類なども。
料理においては、食材を作る方々、それを仕上げる料理人、そして食材となる動植物、その全てに感謝を忘れずに。
恐竜を含む野生動物は、何かを食べる為に必死になってさまざまな戦略を編みだしています。
飢えることなく、毎日ごはんが食べられることに感謝を。
あぁ、今日もごはんがおいしい。

田中源吾(たなかげんご)

金沢大学国際基幹教育院助教、熊本大学合津マリンステーション客員准教授(兼任)。
島根大学卒業後、静岡大学大学院で博士(理学)を取得。
金沢大学、レスター大学、京都大学研究員、群馬県立自然史博物館学芸員、海洋研究開発機構、熊本大学合津マリンステーション特任准教授を経て現職。
おいしい料理に不可欠なものといえば、やはり食後のデザートとコーヒー。
餡子とコーヒーの絶妙なマッチングに癒されています。

田中康平(たなかこうへい)

筑波大学生命環境系助教。名古屋市生まれ。
北海道大学理学部卒、カルガリー大学地球科学科修了。Ph.D.。
名古屋大学博物館特別研究員を経て現職。
恐竜の卵化石や赤ちゃん・親化石を調査し、恐竜類から鳥類に至るまでの繁殖行動や子育ての進化を中心に研究している。
「おいしい料理に不可欠なもの」星3つ。

田中公教(たなかとものり)

兵庫県立人と自然の博物館・恐竜化石総合ディレクター。
兵庫県から見つかる恐竜をはじめとするさまざまな化石を用いた普及教育活動を支援しています。
また、恐竜時代の歯のある鳥類や羽毛について研究しており、とりわけ白亜紀にはじめて出現した潜水鳥類や飛ばない海鳥の進化プロセスに興味をもっています。
おいしい料理には、「時間」をかけることが不可欠。
じっくり煮込んでください。

田中嘉寛(たなかよしひろ)

大阪市立自然史博物館・学芸員。
北海道大学総合博物館・研究員を兼ねる。
ニュージーランド、オタゴ大学でイルカの進化を研究し博士号を取得。
専門は鯨類など、水生哺乳類の進化(古生物学)。
酢はお気に入りの調味料です。
化石を岩から取り出す作業で、酢など酸を使って岩を溶かすことがあります。
酢は食べてよく、化石研究によく、重宝します。
岩を溶かすのは食用酢ではありませんが。

千葉謙太郎(ちばけんたろう)

岡山理科大学生物地球学部生物地球学科助教。
カナダやモンゴルで恐竜化石発掘を行いながら、セントロサウルスやプロトケラトプスなどの角竜を中心とした古生物の分類学的研究と、脚の骨などの中に残されている年輪構造に基づいて恐竜の成長に関する研究を行っています。
肉はレアなほうが好きなので、もしヒパクロサウルスのステーキを食べられるならぜひ軽めな焼き加減で食べてみたいです。

林昭次(はやししょうじ)

岡山理科大学生物地球学部生物地球学科講師。理学博士。
骨の内部構造から脊椎動物の大型化・小型化の要因や水棲適応について研究しています。
これまでに恐竜類・クビナガリュウ類・束柱類などの絶滅種から、シカ・ペンギン・ワニなどの現生種までさまざまな動物たちを研究対象としてきました。
私にとって「おいしいお料理に不可欠なもの」、それは食事をする空間だと思います。
料理の質ももちろんですが、私にとっては一緒に食事をする人や場所が素敵なものかどうかが大事だと感じます。

宮田真也(みやたしんや)

城西大学水田記念博物館大石化石ギャラリー学芸員。理学博士。
日本や海外の白亜系~新生界から産出する魚類化石の分類学的研究を行っています。
魚類化石を研究するために現生魚類の骨格について調べたりもします。
料理については、調理する側にとっては鮮度および食材に対する知識と調理技術、食べる側は空腹感や「命をいただく」という認識が大事だと思います。