【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド
[新装改訂3版]
[新装改訂
2020年1月25日紙版発売
2020年1月25日電子版発売
斎藤昌義 著
A5判/352ページ
定価2,068円(本体1,880円+税10%)
ISBN 978-4-297-11145-8
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書籍の概要
この本の概要
累計5万部! ITの常識をあなたのビジネスの武器にする
「技術の背景や価値,そのつながりまで体系だって理解できる」と大好評の『ITトレンド』が,5万部を超えアップデート!
「デジタル・トランスフォーメーション」「注目すべきテクノロジー」の章,「MaaS」「ニューラル・ネットワーク」の話題などを新たに追加。
ITの「時流」も,そこから一歩先んじるための「本質」も,コレ1冊でかんたん総づかみ!
【特典】掲載の図版はすべてPowerPointデータでダウンロード,ロイヤリティフリーで利用可能! 研修教材や提案書など,学んだ知識をビジネスに活用する際にご使用ください。
著者の一言
はじめに
「ITは大切だ!」
そんなことはわかっていても,難しくてついていけないと,尻込みしてはいませんか。
「新しいITのキーワードについていかなければ!」
でも,どんどん出てくるし,どれが重要なのか,自分たちのビジネスに,どう役立つのかわからないし,追いかけきれないとモヤモヤしてはいませんか。
そんなお困りを解決するために,本書は生まれました。
ITに関わるトレンドは多岐にわたり,お互いが複雑に絡み合っています。
ITに関わる専門家でさえ,それを見渡し,体系的に理解できている人はわずかです。ましてや,それをわかりやすく説明できる人など,さらに限られています。
それでも,ITは私たちの日常にこれまでになく深く関わり,ITを味方にできなければ,ビジネスで生き残ることは難しいのが現実です。せめて,そんなITのトレンドを体系的に見渡すことができる書籍があればと探してはみたものの,想いにかなうものを見つけることはできませんでした。
ならば自分で書いてしまえと作ったのが,2015年に出版した本書の初版です。世の中に広く散らばるITのキーワードを大きなテーブルに広げ,これを歴史やビジネスの文脈で並べ替え,その「さわり」と「役割や価値」をできるだけわかりやすい表現で,体系的にまとめようと仕立てました。
それから4年半が経ちました。途中2017年に第2版を出しましたが,さらに2年が経ったいま,もはやそれさえも「最新」とはいえなくなってしまいました。
たとえば,「デジタル・トランスフォーメーション」という言葉は,いまでこそだれもが見聞きする言葉になりましたが,2年前は一部のITアナリストが語る程度でしかなく,25年前の「インターネット」,10年前の「クラウド」ほどの認知度しかありませんでした。しかし,これらが,世界のありようを大きく変えてしまったように,「デジタル・トランスフォーメーション」もまたそんな可能性をうかがわせる言葉へと,いまその存在感を高めています。
また,AIはいまや私たちの日常に溶け込み,IoTはそんなAIを支えるしくみとして,ビジネスに深く関わっています。これもまた,2年前には,「すごいねぇ,そんな技術があるんですねぇ」といっている程度でもなんとかなりましたが,もはやそんなことでは,非常識のそしりを免れません。
5G(第5世代通信システム)が本格的なサービスを開始すれば,社会やビジネスの常識をひっくり返してしまうでしょう。ブロックチェーンはさまざまな形で実用の段階に入りつつあります。少し前までは未来の技術と考えられていた量子コンピュータもまた,いまやビジネスの現場で使われ始めています。
本書では,あらためていまの「最新」を見渡し,これまでの解説を見直すとともに,前版にはなかった,「これから」を牽引するであろうテクノロジーについても新たな項目をふんだんに盛り込みました。
「ITは難しくて,よくわからない!」
もうそんな言い訳はもうやめにしませんか。私たちの日常はITなくして成り立たないし,ITを味方に,いや武器にできないビジネスに,もはや未来はありません。ましてや「ITの戦略的な活用」や「ビジネスのデジタル化」なんて,できるわけありません。電車やバスの乗り方がわからなければ生活できないように,ITを知らなければビジネスができない時代になったのです。
たとえば,新しく自宅を建てるとき,「なんでもいいから,格安で住み心地のいい家を作ってくれ」と建築会社に頼み,できあがった家を見て「こんな家を頼んだつもりはない」と文句をいっても後の祭りです。
どうしたいのかは施主の責任です。ITの場合も同じ話です。何を解決したいのか,何を実現したいのか,それを決めるのは「当事者」であるあなた自身です。その手段として,ITにできること,できないこと,そして,自分の「どうしたいのか」にどのように応えてくれるのか,そのアタリをつけておく程度のことは,最低限できなくてはなりません。そのうえで,ITの専門家である情報システム部門やITベンダーに相談するのがスジというものです。そのとき,ITについてはなにも知らないでは,「なんでもいいから,儲かるシステムを作ってくれ」というしかありません。
もちろん,システムを設計する,プログラムを書く,ネットワークを構築するなどは,専門的な知識や技能を持つ人たちに任せればいいのですが,ITの最低限の常識がなければ,そんな彼らと真っ当な話すらできません。彼らの提案や見積が妥当なのか,これで自分たちのビジネスはうまくいくのかがわからないでは仕事になりません。
昨今,システム開発が失敗して訴訟になるといった事件をよく耳にしますが,それは必ずしも専門家たちの不手際が原因ではなく,事業の当事者や経営者のITの最低限の常識さえ知らず,丸投げしてしまったことが原因であることも少なからずあるようです。せめて,IT用語が何のことをいっているのか,ビジネスでどのような役割を果たしてくれるのかといった程度の知識は,常識として持ち合わせていたいものです。
「進化が速すぎてついていけない」
ついていくのではなく,先を見通すことです。一歩先んじてこそ,チャンスは自分の味方になってくれます。昔も今も,変化のなかった時代はありませんでした。これからも同じです。そして,その変化を先取りできた人たちが,チャンスを掴んできたことも変わりません。
本書は,そのための最新ITの常識を,専門知識を持たない方にもご理解いただけるように,わかりやすく体系的に整理しました。
また,ITの仕事に関わっている方でも,新しい言葉についていけずに,困っている方もいらっしゃると思います。そんな方にとっては,いまの常識をあらためて整理して見渡すのにお役に立つでしょう。
就活生や新入社員の皆さんにとっても,ビジネスの現場で必要とされているITの最新の常識を体系的に学ぶ教科書として,うってつけの内容です。
1つひとつのテクノロジーを深く理解するには,それぞれについての専門書を,お読みください。本書の役割は「深く理解する」ことではなく,「広く見渡す」ことです。そして,自分たちの取り組むべきテーマやビジネスへの活かし方を考えるきっかけがご提供できればと思っています。
前版同様,本書の説明で使っている最新チャートのパワーポイント版をロイヤリティフリーでダウンロードいただけるようにしました。その方法については,本書の最後で説明しています。どうぞ,企画書や提案書に使ってください。
ITの常識をあなたのビジネスの武器にする
そのために,本書をご活用いただければと願っています。
令和元年12月末日
斎藤昌義
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