WEB+DB PRESS plusシリーズ[新版 zsh&bash対応]macOS×コマンド入門
──ターミナルとコマンドライン、基本の力

[表紙][新版 zs

紙版発売
電子版発売

A5判/400ページ

定価2,948円(本体2,680円+税10%)

ISBN 978-4-297-11225-7

電子版

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この本の概要

初学者の方々に向けた「macOS×コマンドライン」の解説書。
zshとbashに両対応し,解説を刷新しました。

本書では,macOSベースでOSの基礎知識とコマンドラインのテクニックを丁寧に解説。
macOSの源流にあるUnix系OSのコンセプトを押さえつつ,ファイルやファイルシステム,ユーザやプロセスの概念,シェル,ターミナル.appなど,コマンド実行に役立つOS&関連知識を丁寧に取り上げます。独学でも楽しみながら学べるように,ポイントを押さえた図解や実例が満載です。

新版では巻末附録として,主要なコマンド&オプションが一覧できる「クイックリファレンス」に加え,パーソナルユースを想定した「Python」「Raspberry Pi」の2つの環境構築例も収録。
macOS,そしてこれからのコンピューターを使いこなしていくための基本の力を身につけたい方々へ向けて,充実の解説をお届けします。

※本書は『[基礎知識+リファレンス]macOSコマンド入門 ――ターミナルとコマンドライン,基本の力』(西村めぐみ著,新居雅行技術監修,技術評論社,2017)を元に,大幅な加筆/修正,目次構成の変更,最新情報へのアップデートを行ったものです。

こんな方におすすめ

  • コマンドをこれから使ってみたい方々
  • macOSの,GUIとは別の一面に興味をお持ちの方々
  • OSの基本を実機で試しながら学習してみたい方々

本書の構成

本書では,macOSでコマンドにはじめて接する方々に向けて,ファイル操作やテキスト処理など基本的なコマンドや学習しやすいコマンドを中心に取り上げています。実行例で示している内容は個人用のマシンを想定し,各コマンドは概ね見本どおりに入力して試せるようになっています。動作確認はmacOS Catalina(10.15)で行いました。本書の構成は以下のとおりです。第1章から第3章は,とくに基本事項を重点的に扱っています。

第1章[入門]macOSとコマンドライン
「コマンド」を入力する場所や入力した内容のことを「コマンドライン」と言います。ここではコマンドラインがどのようなものかを少しだけ試しているほか,コマンドの使い方を理解する上で役立つ知識として,macOSの成り立ちや歴史,Unix系OSとの関係について簡単に紹介しています。
第2章ターミナルとFinderの基本
コマンド入力に使用するアプリケーションである「ターミナル」の設定や,普段見ている「フォルダ」がターミナルではどのように見えるかなどを確認する章です。後半のFinderとターミナルを連携させる方法は,コマンド入力に少し親しんだら,改めて読み返してみてください。
第3章シェル&コマンドラインの基礎
コマンドラインの基礎部分を取り上げた章です。入力に楽をする方法やコマンドの組み合わせ方などを扱います。最後に,macOSを操作する上で重要な意味を持つroot(ユーザ)についても解説しています。第3章までを把握すれば,コマンドラインの日常的な利用ができるようになるでしょう。
第4章ファイルシステム
そもそもファイルシステムとは何か,どのような用語が使われているか,また,macOS Catalina(10.15)で新しく取り入れられたシステムはコマンドラインからはどのように見えるか,などを解説しています。
第5章ファイル&ディレクトリの探検
コマンドによるファイルやディレクトリの操作について扱います。普段Finderで操作しているようなことが,コマンドラインでできるようになるでしょう。実際に試せるように,テスト用のファイルを作成していますのでぜひ同じコマンドを入力してみてください。
第6章ファイルの属性とパーミッション
ファイルやディレクトリについてさらに理解を深めるための章です。ファイルの所有者や更新日時などの情報をどのように確認するか,あるいは,読み書き可能などの許可をどのように設定するか,また,ファイルを探したり圧縮したりといった操作についても扱います。
第7章シェルの世界[zsh/bash対応]
ファイルの操作を通じてコマンドラインに慣れてきたら,シェルについてもう少し詳しく学習してみましょう。macOS Catalina(10.15)から標準シェルとなったzshと,これまでの標準シェルであるbashについて,まずは共通の操作について,次にそれぞれの環境設定について解説します。
第8章テキスト処理とフィルター
コマンドラインの得意分野であるテキスト処理の章です。まずは表示に関するコマンド,続いて並べ替えや置換などの簡単な加工を扱い,最後に高度なテキスト処理としてgrepと正規表現,sed,awk,vi(vim)コマンドを扱います。
第9章プロセスとコマンドの関係
プロセス関連のコマンドによってmacOSで現在何が行われているかを調べ,シグナルによって実行中のプロセスに対して働きかける方法を扱います。また,ジョブコントロールやシステムを再起動する方法なども取り上げています。
第10章システムとネットワーク
システム全体の情報とネットワーク,そしてシステムのメンテナンスについての章です。これらの項目は,macOSでは基本的にGUIで操作しますが,コマンド操作に置き換えることで使い勝手が向上するかもしれません。
第11章Homebrew×パッケージ管理
Homebrewはソフトウェアのインストールやアップデートなどを安全に効率良く行う「パッケージ管理システム」の一つです。パッケージ管理システムの役割と,Homebrewの具体的な利用方法を紹介します。
Appendix A[基本コマンド&オプション]クイックリファレンス
本編で登場したコマンドを中心に,便利なコマンドの基本の使い方と主要オプションを紹介しています。本編での登場ページも掲載していますので,あわせて参考にしてみてください。
Appendix Bコマンドラインで広がる世界
最後に,おもにパーソナルユースを想定し,コマンドラインを実際に使う具体例を2つ取り上げています。B.1節はHomebrewとpyenvによるPython環境の構築です。Pythonを使いたい人にはもちろん,Pythonを使う予定がなくても,シンボリックリンクやシェルの設定がどのように働いているかを見ていくことで,これまで見てきたさまざまな設定や操作への理解が深まります。B.2節は小型のシングルボードコンピュータ「Raspberry Pi」の環境をmacOSで構築し,macOSから操作しています。コマンドラインであればさまざまな操作ができること,Unix系OSであれば,macOS以外のPCも同じように操作できることが実感できるでしょう。

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まえがき 使える道具を増やす
本書は,macOSのコマンドを知り,活用していくための解説書です。
本書に寄せて macOSとコマンドの話
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本書のサンプル

本書の紙面イメージは次のとおりです。画像をクリックすることで拡大して確認することができます。

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著者プロフィール

西村めぐみ(にしむらめぐみ)

1990年代,生産管理ソフトウェアの開発およびサポート業務/セミナー講師を担当。書籍および雑誌での執筆活動を経て㈱マックス・ヴァルト研究所に入社,マーケティングリサーチの企画および実査を担当。その後,PCおよびMicrosoft Officeのeラーニング教材作成/指導,新人教育にも携わる。おもな著書は『図解でわかるLinuxのすべて』(日本実業出版社),『シェルの基本テクニック』(IDGジャパン),『Accessではじめるデータベース超入門[改訂2版]』(技術評論社)など。


新居雅行(にいまさゆき)

ライフマティックス㈱勤務,システム開発,コンサルティング,トレーニングを主業務とする。iOS,macOS,サーバ,データベース,FileMaker,Webアプリケーションがおもなフィールド。DB連動Webアプリケーション向けのフレームワーク「INTER-Mediator」の開発者。代表的な著作は1990年代の『Macintoshアプリケーションプログラミング』(上下巻,ディ・アート)など。電気通信大学大学院修了。博士(工学)。