マンガと図解で今すぐできる 「思い」を届ける 遺言書

書籍の概要

この本の概要

本書は,「普通」の家族が相続トラブルを避け,「思い」を次代に伝えるための遺言書づくりのポイントを,さまざまなケースについて豊富なマンガとイラストで解説したものです。遺産相続の現状や,将来予想される相続トラブルを避けるために,どんな遺言書を作ればいいのかをわかりやすく説明しています。自筆証書遺言の文例や,公正証書遺言作成の手順もあるので,実際に遺言書を作る際に役立ちます。文例も多数掲載。本文紙面と,ダウンロードで,相続準備や遺言書作成に活用できる下書き用シートも提供しています。ぜひ大切な人と一緒に,本書を見ながら初めての遺言書づくりに挑戦してください。

こんな方におすすめ

  • 遺言書に興味があるが,作ったほうがいいのか確信が持てない,あるいは面倒そうで取り掛かれない高齢者と,将来の相続に不安を抱いている子供世代

本書のサンプル

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目次

  • はじめに
  • 遺言書で「思い」を届けよう!

プロローグ 家族仲がよくても,お金持ちでなくても,相続トラブルは起きる?

  • 「普通の家族」の10年後の未来予想図[1]家族仲がいいから,将来相続でもめるわけがない?
  • 「普通の家族」の10年後の未来予想図[2]財産はあまりないから,相続トラブルにならない?
  • このまま相続が発生するとどうなる?

第1章 まず相続について知っておこう

  • 1-1 亡くなったあとの遺産相続の流れ
    • 相続手続きができないことは珍しくない
  • 1-2 相続トラブルを防ぐための方法とは?
    • まとまった現金を手元に用意しておく
    • 遺産相続は,遺言書があればトラブルを防げる!
  • 1-3 法定相続人と法定相続分を把握する
    • 法定相続人になる人
    • 遺言をする人が結婚している場合
    • 遺言をする人が独身で子どもがいない場合
  • 1-4 「遺留分」は最低限,法定相続人に残された権利
    • 法定相続分を無視した遺言書でも,無効にならない
    • 法定相続人は,遺留分を請求できる場合がある

第2章 みんなが満足する遺産相続とは?

  • 2-1 「普通の家族」の10年後の未来予想図【解決編】[1]家族仲がいいから,将来相続でもめるわけがない?
    • ケース1 本当に口約束だけで実現できる?
    • ケース2 きょうだい仲がよければ,相続でもめないって本当?
    • ケース3 きょうだい平等に相続させれば問題ない?
    • ケース4 妻の面倒は長男夫婦が見てくれるから大丈夫?
  • 2-2 「普通の家族」の10年後の未来予想図【解決編】[2]財産はあまりないから,相続トラブルにならない?
    • ケース5 財産のほとんどはマイホーム。どうやって分ければいい?
    • ケース6 子どもと親が同居。そのままで大丈夫?
    • ケース7 こまごまといろんな財産があるけど,何もしなくても大丈夫?
    • ケース8 借金の存在を子どもたちに伝えていない
  • 2-3 こんな気がかりも,遺言書で解決できる?
    • ①子どものいない夫婦
    • ②事実婚(内縁関係)の夫婦
    • ③独身で子どもがいない
    • ④離婚・再婚で複数の子どもをもうけた
    • ⑤配偶者が重度の認知症
    • ⑥障がいのある子ども
    • ⑦賃貸物件をどう相続させる?
    • ⑧事業を後継者に継がせたい
    • ⑨親不孝な子どもに財産をあげたくない

第3章 遺言書を作る前に,これだけは押さえよう

  • 3-1 「遺言能力」があるうちに作成する
    • タイムリミットは72歳?
  • 3-2 遺言書に書けること,書けないこと
    • 書けるのは,「遺産」と「人」に関すること
  • 3-3 遺言書の内容をどう決めるか
    • 「一番の気がかり」を最優先に考える
    • 完全な公平はありえない
    • 財産をもらう人のことも考える
    • 親子間の援助をどのように遺言書に反映させるか
  • 3-4 相続税がかかるかどうか確認する
    • 相続税は基礎控除を超えてはじめて課税される
    • 節税対策は事前によく調べて慎重に
  • 3-5 遺言書の種類を選ぶ
    • 自筆証書遺言と公正証書遺言が一般的
    • おすすめは公正証書遺言
  • 3-6 自分の相続人を確認する
    • 配偶者と子どもがいれば,他に相続人はいない

第4章 自分で手軽に,遺言書を作ろう ~自筆証書遺言~

  • 4-1 法改正により,自筆証書遺言が作りやすくなった
    • 手順に沿って遺言書を作ろう
    • 「全文を自分で書く」必要がなくなった!
    • ①本文,財産目録のすべてを手書きするパターン
    • ②本文を手書きし,財産目録はパソコンで作成するパターン
    • ③本文を手書きし,財産目録は預金通帳のコピーなどを添付するパターン
  • 4-2 自筆証書遺言作成のポイント
    • 遺言書を作るときに最低限押さえておきたいこと
    • 預貯金の書き方
    • 有価証券の書き方
    • 不動産の書き方
    • こまごました財産はどうする?
    • 相続人が高齢の場合は「予備的遺言」にすると安心
    • 人に知られたくないことは書かない
    • 遺言書を封印してから保管する
  • 4-3 自筆証書遺言を保管する
    • 自宅で保管する場合は,紛失に注意
    • 貸金庫で保管すると,開錠できない可能性がある
    • 遺言執行者や受遺者に遺言書を預けておく
    • 法務局で保管してもらう
  • 4-4 自筆証書遺言を書き替えたくなったらどうする?
    • 訂正ではなく,なるべく書き直そう
  • 4-5 将来,自筆証書遺言はどうやって執行する?
    • 自筆証書遺言執行の流れ
    • 自筆証書遺言の有効・無効はどうやって見分けるの?

第5章 家族も安心!きちんとした遺言書を作ろう ~公正証書遺言~

  • 5-1 公正証書遺言の作成手順
    • ①公証役場で公証人と打ち合わせをする
    • ②文案が出来上がったら内容を確認する
    • ③遺言書の作成日時を予約する
    • ④証人2人を用意する
    • ⑤予約日に公証役場を訪ねる
    • ⑥遺言書に署名押印する
    • ⑦正本・謄本を受け取る
    • ⑧相続発生まで正本・謄本を保管する
  • 5-2 公正証書遺言を紛失しても大丈夫?
    • 公正証書遺言の再発行
  • 5-3 公正証書遺言を書き替えたくなったらどうする?
  • 5-4 将来,公正証書遺言はどうやって執行する?
    • 公正証書遺言執行の流れ

第6章 遺言書以外の方法も知っていると安心

  • 6-1 遺言書があってもトラブルになる時代になった
    • 遺言書が絶対ではなくなった
    • 相続人全員が合意すれば,遺言書のとおりにしなくていい
    • 遺言書はいつでも書き替えられる
  • 6-2 遺言書の弱点を解決する方法は?
    • 遺言執行者を指定する
    • スピーディに遺言を執行する
    • 「遺言書」ではなく「契約書」にする
    • 遺言書以外に作っておくと役立つ書類
    • 付録 遺言書作成に役立つ「下書き準備シート」
    • 遺言関連の用語

    [コラム]

    • 「万一の事態」は突然起きるもの/法改正で遺産相続はこんなに変わった!/「子どもに迷惑をかけたくない」という人は,ぜひ遺言書を作って/付言事項は必ず書こう/私の死後,ペットはどうなる?/配偶者の保護が手厚くなった/今心配していることは,将来ひどい形で実現すると考える/エンディングノートを書けば遺言書はいらない?/迷っていたら,誰かに背中を押してもらおう/年を取った親を過信しない/公証人とは?/リクエストに応じて遺言書を作りすぎた親の悲劇/何も準備しない親のこと,みんな心の中では困っている/パソコンやスマートフォンの死後処理はどうする?

著者プロフィール

本田桂子(ほんだけいこ)

弁護士。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。主な業務は,遺言・相続・信託契約書の作成など。『誰でも簡単に作れる遺言書キット』(永岡書店),『明日のための「マイ・エンディングノート」』(技術評論社),『行職員が読む 遺言書のすすめ方つくり方』(共著,経済法令研究会)他,著書・講演多数。東京・蒲田の法律事務所に勤務。