詳解 クラウド型ネットワークのインフラ技術
~基礎からクラスタリング、仮想化、分散DBまで
2022年1月27日紙版発売
2022年1月24日電子版発売
笠野英松 著
B5判/520ページ
定価3,960円(本体3,600円+税10%)
ISBN 978-4-297-12569-1
書籍の概要
この本の概要
近年のコンピュータネットワークは,仮想化・クラウド・ビッグデータなどの技術分野と不可分になっています。本書はこのような「クラウド型ネットワーク」について,クラウドに隠されている要素技術を解きほぐし,横断的・総合的な理解を助けます。個々の技術・ソフトウェアを深掘りするのではなく,ネットワーク下位層に焦点を当てて知識・スキルの習得を目指します。ネットワーク技術者としてさらなる高みを目指す方にお勧めです。
こんな方におすすめ
- ネットワーク・エンジニア,社内インフラエンジニア,クラウドエンジニア,クラウドサービス利用エンジニア
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- クラウドに隠れたネットワークインフラを理解する
- 個人でも企業でもパブリッククラウドの利用が一般化し,インターネット環境さえあれば,さまざまな利便性の高いサービスの恩恵にあずかることができます。
本書のサンプル
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目次
第1章 ネットワークインフラ基礎知識
- 1.1 ネットワークやネットワークインフラ
- 1.2 全体像
- 1.3 ネットワークの要素(技術,プロトコル,仕様)
- 1.4 用語
- 1.5 ネットワーク技術の技術要素分野と要件
- 1.6 その他
第2章 ネットワークインフラ入門
- 2.1 本書単元技術の関係性,共通性,差異
- 2.1.1 関連構造
- 2.1.2 関係性
- 2.1.3 共通性
- 2.2 インフラ
- 2.2.1 データリンク層(ネットワークインターフェース層)
- 2.2.2 ネットワーク層(インターネット層)
- 2.2.3 ストレージレベル
- 2.3 クラスタリング
- 2.3.1 Pacemaker
- 2.3.2 フロントエンド分散
- 2.3.3 LVS/Keepalived/HAproxy
- 2.3.4 Ultra Monkey L7
- 2.4 仮想化
- 2.4.1 単体仮想システム
- 2.4.2 ホスト型仮想化
- 2.4.3 ハイパーバイザー型仮想化
- 2.4.4 ネットワーク型仮想化
- 2.4.5 新利用形態の仮想化技術
- 2.4.6 仮想化環境におけるトラフィック制御と運用管理の実装
- 2.5 バックエンド
- 2.5.1 Apache Hadoop
- 2.5.2 基本的なしくみ
- 2.5.3 プログラミング
- 2.5.4 動向
- 2.6 信頼性と品質~HA,セキュリティ
- 2.6.1 サーバ監視
- 2.6.2 セキュアOS
- 2.6.3 データ保全
- 2.6.4 ネットワーク監視
- 2.6.5 その他(セキュリティや運用管理)
- 2.7 その他の関連技術,理論技術,実装技術
- 2.7.1 関連技術の概要
- 2.7.2 関連理論
- 2.7.3 実装技術
- 2.7.4 RFCの利用と実装
第3章 インフラ構築①-インフラ~インフラ分散/統合
- 3.1 ネットワークインターフェース層の冗長化・負荷分散・統合技術
- 3.1.1 複数IP/NICの設定
- 3.1.2 ネットワークインターフェースの冗長化と負荷分散:Ethernetチャネルボンディング
- 3.2 IPネットワーク層の冗長化・負荷分散・統合技術
- 3.2.1 パス制御
- 3.2.2 パストラフィック制御によるルーティングの負荷分散:iproute2
- 3.3 ストレージレベルの冗長化・負荷分散・統合技術
- 3.3.1 論理ボリューム管理:LVM
- 3.3.2 ディスクアレイ:RAID
- 現場技術者の眼
第4章 インフラ構築②-フロントエンド~クラスタリング
- 4.1 クラスタリングの特徴と機能
- 4.1.1 高信頼クラスタシステムの特徴
- 4.1.2 求められる機能
- 4.1.3 解説箇所
- 4.1.4 高信頼クラスタシステムのまとめ
- 4.2 Pacemaker(+Heartbeat/Corosync)
- 4.2.1 Pacemaker HAクラスタシステムの処理制御
- 4.2.2 動作環境と処理
- 4.2.3 Pacemaker HAの障害時の自動フェイルオーバー/フェイルバック動作
- 4.2.4 クラスタ構成別の動作例
- 4.2.5 その他のポイント
- 4.2.6 Pacemaker/Corosyncの場合
- 4.2.7 Pacemaker
- 4.2.8 ldirectord稼働監視デーモン
- 4.3 フロントエンド分散
- 4.3.1 機能
- 4.3.2 Poundの利用
- 4.3.3 設定と実行例
- 4.3.4 その他
- 4.4 LVS/Keepalived/HAproxy
- 4.4.1 LVSの物理的構成
- 4.4.2 LVSの論理的構成
- 4.4.3 負荷分散スケジューリング
- 4.4.4 パケット転送(ルーティング)方式
- 4.4.5 LVSクラスタ設定
- 4.4.6 LVSバーチャルクラスタの設定と処理
- 4.4.7 LVSルータ間HA機能~LVSディレクタ間のフェイルオーバー
- 4.4.8 リアルサーバHA機能~LVSディレクタによるリアルサーバの監視と障害対応
- 4.4.9 まとめ
- 4.4.10 LVSをベースに組み合わせたHA/負荷分散クラスタ
- 4.4.11 Keepalived/VRRP
- 4.4.12 HAProxy
- 4.5 Ultra Monkey L7
- 現場技術者の眼
第5章 インフラ構築③-インターナル~仮想化
- 5.1 単体仮想システム
- 5.1.1 WWW仮想ホスト
- 5.1.2 メール仮想ホスト
- 5.1.3 仮想ドメインシステム
- 5.1.4 利用上の問題点について
- 5.1.5 その他
- 5.2 ホスト型仮想化
- 5.2.1 VMware Workstation Player
- 5.2.2 VirtualBox
- 5.2.3 利用上の問題点について
- 5.3 ハイパーバイザ型仮想化
- 5.3.1 XEN
- 5.3.2 KVM
- 5.3.3 VMware ESXi/vSphere Hypervisor
- 5.3.4 Hyper-V
- 5.3.5 利用上の問題点について
- 5.4 ネットワーク型仮想化
- 5.4.1 OpenVPN
- 5.4.2 SoftEther VPN
- 5.4.3 Windows VPN
- 5.4.4 その他(SSH-VPN)
- 5.4.5 利用上の問題点について
- 5.5 新利用形態の仮想化技術
- 5.5.1 コンテナ型仮想化(Docker/Kubernetes)
- 5.5.2 SDN/OpenFlow
- 5.5.3 利用上の問題点について
- 5.6 仮想化環境におけるトラフィック制御と運用管理の実装
- 5.6.1 仮想環境の運用管理
- 5.6.2 仮想環境リモート運用管理の実装例
- 現場技術者の眼
第6章 インフラ構築④-バックエンド~ビッグデータ分散データベース処理
- 6.1 Apache Hadoop
- 6.1.1 Hadoopの概観
- 6.1.2 Hadoop適用
- 6.1.3 Hadoopの歴史とコンポーネントの概観
- 6.1.4 スケールアップとスケールアウトの問題
- 6.1.5 HadoopとRDBMSの比較
- 6.1.6 CAP定理
- 6.1.7 処理タイプ
- 6.2 Hadoopアプリケーション
- 6.3 Hadoop System
- 6.3.1 Hadoopレイヤ
- 6.3.2 HDFS(Hadoop Distributed File System)
- 6.3.3 Hadoopクライアント
- 6.3.4 Hadoop分散クラスタ
- 6.3.5 MapReduce
- 6.3.6 YARN(MRv2)
- 6.3.7 Hive
- 6.3.8 HBaseの利用概要
- 6.3.9 Hadoopの適用
- 6.3.10 Hadoopの利用
- 6.3.11 Hadoopの使用ポートと運用管理
- 6.4 Java MapReduceプログラミング処理
- 6.5 Java以外の言語を使ったプログラミング
- 6.6 RubyやUNIXのサンプルコード
- 6.7 動向
- 6.7.1 データ基盤の変化とHadoop
- 6.7.2 HadoopとIoT
- 6.7.3 ストリーミングStreaming
- 6.7.4 Hadoopのストリーミング処理
- 6.7.5 Apache Sparkストリーミング
- 6.7.6 Kafka(Apache Kafka)
- 6.7.7 Hadoop関連パッケージ
- 現場技術者の眼
第7章 インフラ構築⑤-品質~HA,セキュリティ
- 7.1 サーバ監視
- 7.1.1 障害監視・自動復旧:watchdog
- 7.1.2 デーモンの稼働監視:daemontools
- 7.1.3 lm_sensors
- 7.2 セキュアOS
- 7.2.1 SELinux
- 7.2.2 TOMOYO Linux
- 7.2.3 RSBAC(Rule Set Based Access Control)
- 7.2.4 その他
- 7.3 データ保全
- 7.3.1 データファイル同期rsync
- 7.3.2 ディレクトリデータ共有(LDAP-OpenLDAP)
- 7.3.3 デバイスミラーリング(DRBD)
- 7.3.4 その他
- 7.4 ネットワーク監視
- 7.4.1 ネットワークリソース監視
- 7.4.2 サーバサービス稼働監視
- 7.5 その他(セキュリティや運用管理)
- 7.5.1 サーバのセキュリティ
- 7.5.2 ネットワーク侵入検出システム
- 7.5.3 統合運用管理(グループノード統合運用管理:Hinemos)
- 現場技術者の眼
第8章 その他の関連技術動向と実装知識
- 8.1 関連技術の概要
- 8.1.1 クラウドサービス
- 8.1.2 IoT
- 8.2 関連理論
- 8.2.1 ネットワーク理論
- 8.2.2 TCP/IPコアプロトコルのフォーマットと手順
- 8.3 実装技術
- 8.3.1 認証と暗号化
- 8.3.2 トラフィック捕捉技術
- 8.4 その他
- 8.4.1 インターネット管理・運営組織
- 8.4.2 標準化トラック――RFCとインターネットドラフト(I-D)
- 8.4.3 RFCの実装要件
- 8.4.4 RFCの情報
- 現場技術者の眼
Appendix
- 付録1 用語概説
- 付録2 本書単元別参照RFC
- 付録3 情報通信ネットワーク関係機関・組織URL
- 付録4 参考文献
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