生物ミステリー(生物ミステリー プロ)シリーズ蜂の奇妙な生物学

[表紙]蜂の奇妙な生物学

紙版発売
電子版発売

A5判/272ページ

定価2,640円(本体2,400円+税10%)

ISBN 978-4-297-13587-4

電子版

→学校・法人一括購入ご検討の皆様へ

書籍の概要

この本の概要

1冊まるごと
ハチの本!
世にも不思議な昆虫の世界へようこそ。
83種のハチの生態,徹底解説!

蜂(ハチ)という生き物に,皆さんはどのようなイメージを持っているでしょうか? 花から花へと飛び回り,甘いはちみつを集めるミツバチでしょうか? 人を刺そうと襲いかかってくる,怖いスズメバチでしょうか? けれど,蜜を集めることも,刺すことも,それは蜂という生き物のごく一部の特徴でしかありません。蜂の種類は,なんと約15万種! 蜂の世界は,私たちが想像するよりずっと多種多様で,そこには不思議な生態をいくつも見ることができるのです。

例えば,

  • 「カタツムリの殻を家にするマイマイツツハナバチ」
  • 「キノコを育てて幼虫の餌にするキバチ」
  • 「子供を抱いて温めるマルハナバチ」
  • 「果物の中で一生を過ごすイチジクコバチ」

などなど。この本では,こうした蜂の興味深い生態をかわいいイラストでわかりやすく紹介。昆虫に興味のある人もそうでない人も,「こんな蜂がいたんだ!」「蜂ってこんなに奇妙な生き物だったんだ!」と,蜂への印象がガラリと変わるにちがいありません。そして,蜂のことをきっと好きになるはずです。この本を片手に,蜂たちの奇妙な世界へいざ旅立ちましょう!

本書に登場するハチの種類

タマバチ/トックリバチ/アシナガバチ/マイマイツツハナバチ/マメコバチ/ハキリバチ/アカガネコハナバチ/シロスジフデアシハナバチ/ウツギヒメハナバチ/ホクダイコハナバチ/クマバチ/マルハナバチ/ハリナシバチ/セイヨウミツバチ/ニホンミツバチ/オンシツツヤコバチ/サバクツヤコバチ/ハモグリミドリヒメコバチ/コレマンアブラバチ/ギフアブラバチ/チャバラアブラバチ/カマバチ/スズメバチ/クロスズメバチ/オオスズメバチ/オオミツバチ/ハチガタハバチ/ムモンホソアシナガバチ/キバチ/アリバチ/エイコアブラバチ/ナシマルアブラバチ/トビコバチ/コマユバチ/アザミウマタマゴバチ/ホソハネコバチ/セイボウ/スズバチ/テントウハラボソコマユバチ/エゾカギバラバチ/ウマノオバチ/アメンボタマゴクロバチ/クモヒメバチ/エメラルドゴキブリバチ/アトボシキタドロバチ/オデコフタオビドロバチ/ハラナガツチバチ/オオクモカリベッコウ/オオキバドロバチ/ヒメスズメバチ/チャイロスズメバチ/キイロスズメバチ/モンスズメバチ/オリエントスズメバチ/ウォレスジャイアントビー/オオトガリハナバチ/オオハキリバチ/ルリモンハナバチ/スジボソフトハナバチ/ダイミョウキマダラハナバチ/ニッポンヒゲナガハナバチ/アオスジフトハナバチ/ミナミスジボソフトハナバチ/シタバチ/セイヨウオオマルハナバチ/ノサップマルハナバチ/ヌスミハリナシバチ/カリヤサムライコマユバチ/イチジクコバチ/コツチバチ/トラマルハナバチ/クリタマバチ/チュウゴクオナガコバチ/ツマアカスズメバチ/タイワンタケクマバチ/オガサワラクマバチ/アマミクマバチ/オキナワクマバチ/アカアシセジロクマバチ/キムネクマバチ/ハワイクマバチ/クロマルハナバチ/フタモンアシナガバチ
etc.

こんな方におすすめ

  • 蜂の生態に関心のある人
  • 昆虫など,生き物全般に関心のある人

本書のサンプル

本書の一部ページを,PDFで確認することができます。

目次

口絵

  • 華麗!黄色と黒だけではない美しいハチの世界
  • これでもハチ?変わった姿のハチたち
  • いろいろなハチの巣(カリバチ)
  • いろいろなハチの巣(ハナバチ)
  • ハキリバチの巣作りの一部始終
  • いろいろな仕草から垣間見えるハチたちの生活
  • ハナバチによる作物の受粉
  • マルハナバチの女王バチを巧みに利用するクマガイソウ
  • ハチのマネ(擬態)をする昆虫たち
  • 外国からやってきたハチたち
  • はじめに

第1章 知ってる?ハチにまつわる基礎知識

  • そもそもハチとは何か?
  • どのようなハチがいるのか?ハチの分類と進化
  • ハチは危険な生物なのか?
  • ハチを食生活から比べてみる

第2章 名建築家!六角形だけがハチの巣じゃない

  • 家は植物のコブの中 タマバチ
  • 壺作りはお手のもの 陶芸家 トックリバチ
  • 嫌な臭いで寄せつけません アシナガバチ
  • マイホームはカタツムリの殻 マイマイツツハナバチ
  • 束ねた筒は集合団地 マメコバチ
  • 有名なのはアリだけど… ハチの世界にもいる ハキリバチ
  • アリのように土の中に迷路を作る アカガネコハナバチ
  • 英語の名前は大工バチ クマバチ
  • ウズラの卵,温泉饅頭の積み重ね?相部屋で育つマルハナバチ
  • 六角形の構造は戦車にも使われる ミツバチ
  • COLUMN 1 二度目は危ない?おしっこが効く?ハチ刺されの迷信

第3章 お世話になってます!あれもこれもハチのおかげ

  • 畑を守る用心棒たち オンシツツヤコバチ
  • 野菜ハウスにハチの銀行 コレマンアブラバチ
  • 旅は道連れ,風まかせ カマバチ
  • 紙の作り方教えます! アシナガバチ,スズメバチ
  • 見直される伝統食 クロスズメバチの幼虫
  • スポーツ飲料のヒントになったのは幼虫の唾液?スズメバチ
  • リンゴが食べられるのはマメコバチのおか
  • トマトが食べられるのはマルハナバチのおかげ
  • イチゴやメロンが食べられるのはミツバチのおかげ
  • 甘〜いはちみつは働き蜂が吐き戻した…?ミツバチ
  • COLUMN 2 世界の野菜や果物はハチなどの昆虫の力を借りて作られている

第4章 知れば知るほど奥深い!ミツバチの世界

  • 年寄りをいたわらない?仕事分担の不思議 ミツバチ
  • 究極のヒモ生活? ミツバチのオス
  • それでも交尾は命がけ ミツバチのオス
  • 人の家に押し寄せて蜜ドロボー ミツバチ
  • 必殺技は「熱殺蜂球」。スズメバチを布団蒸し ニホンミツバチ
  • 誰が教えた?冷却システム ミツバチ
  • どうしてそんなことするの?レタスを齧るニホンミツバチ
  • 一度は浴びたい?ウンチの雨 オオミツバチ
  • 凶暴化したのは人間のせい キラービー=セイヨウミツバチ
  • COLUMN 3 身近だけれど意外と知らないハチミツよもやま話

第5章 面白習性!あなたの知らないハチたちの多彩な生きざま

  • もともとハチなのに…失礼な名前をつけられた ハチガタハバチ
  • キノコも一緒に育てましょう キバチ
  • 本当はどっち? アリバチ
  • 入り込んでしまえばこちらのもの… エイコアブラバチ
  • 兵隊アリならぬ兵隊幼虫? トビコバチ
  • 世界最小のハチ=世界最小の昆虫 アザミウマタマゴバチ
  • テントウムシを手玉にとる テントウハラボソコマユバチ
  • 子供の成長は運まかせ? エゾマルカギバラバチ
  • 体の7倍以上の長さの尾を持つ ウマノオバチ
  • 水の中を飛ぶように泳ぐ アメンボタマゴクロバチ
  • 育ての親をとことん酷使 クモヒメバチ
  • 漢字で書くと「青蜂」美しいハチの仲間 セイボウ
  • 名前だけだとよくわからない エメラルドゴキブリバチ
  • 寄生者?用心棒?ダニを飼う アトボシキタドロバチ
  • オスにも針がある? オデコフタオビドロバチ
  • 毒グモ タランチュラより強い タランチュラホーク
  • まるでクワガタ?キバで戦う オオキバドロバチ
  • 無駄な抵抗はしません アシナガバチvsスズメバチ
  • 壁をひっかいて腹ペコを知らせる オオスズメバチ
  • 自分で巣作りはまっぴらごめん チャイロスズメバチ
  • 動物界初?太陽光で自家発電 オリエントスズメバチ
  • 世界最大のハチ再発見はウソ? ウォレスジャイアントビー
  • まるでカッコウ? オオトガリハナバチ
  • 幸せを呼ぶ?青いハチ ルリモンハナバチ
  • 身近にいるのに謎だらけ ダイミョウキマダラハナバチ
  • 眠るときはみんなで整列 フトハナバチ
  • 縄張りの侵入者はすべてチェック? クマバチのオス
  • 花にとっては迷惑な存在?蜜ドロボー クマバチ
  • だらしない?舌を出したままの シタバチ
  • 子供を抱いて温めて育てる鳥のようなハチ マルハナバチ
  • 「飛べるはずがない」と言われていた マルハナバチ
  • その名もマネハナバチ。マネをして学習する マルハナバチ
  • 咲かぬなら咲かせてみせよう セイヨウオオマルハナバチ
  • 天然記念物級の希少種 ノサップマルハナバチ
  • 大家族を養うって大変… ハリナシバチの餌取り合戦
  • 針がない分,苦労の多い? ハリナシバチ
  • COLUMN 4 まるでエイリアン?寄生バチの奇妙な世界

第6章 利用し利用され?植物とハチの不思議な関係

  • SOS!救難信号で用心棒を呼ぶ カリヤサムライコマユバチ
  • うらやましい?生涯を果物の中で イチジクコバチ
  • 結婚相手はランの花 ハンマーヘッドオーキッド×コツチバチ
  • ぴったりフィット①パッションフルーツ×クマバチ
  • ぴったりフィット②サクラソウ×トラマルハナバチ
  • 花の匂いでプロポーズ ランの花×シタバチ
  • どうしてそんな形を思いついた? クマガイソウ×マルハナバチ
  • さあ,寄ってらっしゃい キンリョウヘン×ニホンミツバチ
  • COLUMN 5 紫外線を利用した花とハナバチの情報交換

第7章 切っても切れない!ハチに関わる生き物たち

  • 数千個の卵を産むギャンブラー ツチハンミョウ
  • クマバチの巣に寄生するクワガタ? ヒラズゲンセイ
  • 寄生した相手のやる気をなくす スズメバチネジレバネ
  • 木の上の覇権争い オオスズメバチvsカブトムシ
  • どうしても入りたくなっちゃう… メンガタスズメ
  • 世界のセイヨウミツバチ大ピンチ ミツバチヘギイタダニ
  • マルハナバチの巣に同居するサソリの仲間 カニムシ
  • ウンチと一緒にばらまいてもらう マルハナバチタマセンチュウ
  • ハチが黒いものを攻撃するのはクマのせい?
  • スズメバチ大好き ハチクマ
  • COLUMN 6 ハチをマネするいろいろな昆虫たち

第8章 お騒がせ?外国から来たハチたち

  • クリを守るために連れてこられた チュウゴクオナガコバチ
  • フランスワインが飲めなくなる? ツマアカスズメバチ
  • 海外でお騒がせ! オオスズメバチ,フタモンアシナガバチ
  • 世界を席巻?勢力拡大真っ最中 オオハキリバチ
  • いろんなところに穴を開けちゃう タイワンタケクマバチ
  • トマト栽培の救世主から悪者に セイヨウオオマルハナバチ
  • COLUMN 7 世界のマルハナバチ利用と外来種問題

特別寄稿

  • 国立環境研究所 生物多様性領域 生態リスク評価・対策研究室 室長
    五箇公一
    ハナバチの危機とその対策
  • 玉川大学学術研究所所長
    小野正人
    嫌われ者のスズメバチも生態系にとっては大切な存在
  • 筑波大学生命環境系助教
    横井智之
    ハナバチ研究の面白さ
  • 東北大学大学院生命科学研究科博士研究員
    大野ゆかり
    植物と食べ物とマルハナバチを守るために
  • 参考文献
  • おわりに

著者プロフィール

光畑雅宏(みつはたまさひろ)

1971年横浜市生まれ。農業場面における送粉者利用のスペシャリスト。在来種マルハナバチの実用化について中心的な役割を果たし,その利用技術の確立と作物毎の利用ノウハウの構築に注力。ハナバチや天敵昆虫を利用する農業者へのアドバイスだけでなく,一般の市民や子供たちむけの昆虫観察会,講演など幅広く普及啓発活動も行っている。

[専門]応用昆虫学,送粉生物学,動物行動学


coco(ココ)

作家,写真家,漫画・イラスト描き。愛知県在住。

本好き女子の生態を描いた漫画『今日の早川さん』1~4巻(早川書房)でデビュー。その他の著書にクトゥルー漫画『異形たちによると世界は…』(早川書房),自然と生き物の奇談集『里山奇談』シリーズ三巻(日高トモキチ,玉川数と共著,KADOKAWA),写真とイラストを担当した『ずかん ハチ』(技術評論社),池澤春菜との競作エッセイ漫画『SFのSは,ステキのS』1~2巻(早川書房,「S-Fマガジン」に連載中),他に書籍挿画,装画等。生き物はなんでも好きだが特にハチに興味があり,休日は山や川辺へ観察・撮影に,夜はおかずを釣りに海へと出かける。