12くじら座
鯨座
- 学 名
- Cetus(略号 Cet)
- 英語名
- The Sea Monster
- 設 置
- 古代ギリシア
- 面 積
- 1231平方度
天体観測の見どころ
1星雲星団の観察
M77銀河(=NGC1068)
- 位置(分点2000.0)赤経02h42.7m,赤緯-00°01’ 視直径8.2’x7.3’,等級8.9,型SAB
ほぼ天の赤道上にあります。小型の銀河ですが、中心部が輝くように明るく特徴的です。眼視では一見、球状星団のように見えます。銀河では例外的に高倍率にしても薄れにくく、倍率を高くすると楕円形状であることが分かります。メシエは、「星のかたまりが星雲状の物質に入りこんでいる。」と述べています。
NGC1055銀河
- 位置(分点2000.0)赤経02h41.8m,赤緯+00°26’ 視直径7.3’x3.3’,等級10.6,型Sb
M77の北30’にある小銀河です。M77を観察した後に試してみるとよいでしょう。すぐ北に6等星と7等星があり、NGC1055銀河を探す目印になりますが、非常に淡く、観察には口径20cm以上を要すでしょう。とても淡い楕円状の光のシミのようです。楕円形状の片側に比較的明るい恒星(10.5等)が乗っかっています。
写真ではM104ソンブレロ銀河(おとめ座)のようなエッジオン銀河で、暗黒帯のあることが分かります。
NGC246惑星状星雲
- 位置(分点2000.0)赤経00h47.0m,赤緯-11°53’ 視直径225”
- 写真等級8.0,視等級10.9,中心星等級11.9
大型の惑星状星雲です。データでは8.0等ですから楽に見えそうに思えますが、大型であるがゆえに輝度が低くなかなかの難物です。口径10cm以上の低倍率で透明度の良い空で観察しましょう。全体にのっぺりとして内部の構造は見えません。核があるように見えます。
NGC247銀河
- 位置(分点2000.0)赤経00h47.1m,赤緯-20°46’ 視直径19.0’x5.5’,等級9.2,型SAB
ディフダ(β星)の南にあるかなり大型の銀河です。写真ではその広がりが分かりますが、眼視ではとても淡く、空の条件が良いときに中心部がようやく分かる程度です。
NGC936銀河
- 位置(分点2000.0)赤経02h27.6m,赤緯-01°09’ 視直径5.7’x4.6’,等級10.2,型SB
とてもユニークな銀河です。これほど倍率で異なる見え方の異なる天体もありません。低倍率では、恒星と区別がつきません。倍率を上げると紡錘状の形が分かり、鋭い核が恒星のように見えていたことが分かります。
2重星の観察
β734星(=HIP 4104)
- 位置(分点2000.0)赤経00h52.7m,赤緯-24°00’
- 主星5.6等,伴星9.6等,位置角346°,離角10.9” (2016年),スペクトルK1III
ちょうこくしつ座との境界に近く低空の観察になります。明るい金色の主星に小さな青い伴星がついています。光度差と色のコントラストを楽しめる重星です。
26番星
- 位置(分点2000.0)赤経01h03.8m,赤緯+01°22’
- 主星6.1等,伴星9.5等,位置角253°,離角16.0” (2015年),スペクトルF1V
若干光度差はありますが、楽に分離することができます。主星は黄白色で暗くて青みがかった伴星がついています。
66番星
- 位置(分点2000.0)赤経02h12.8m,赤緯-02°24’
- 主星5.7等,伴星7.7等,位置角235°,離角16.8” (2019年),スペクトルF8V+G1V
適度な光度差と広い離角があり、光度のコントラストの良い小望遠鏡の観察に最適な重星です。主星は明るい黄白色で、伴星は小さなグレーです。主星はさらに、6.2等と6.7等が近接する不可視の連星系をつくっています。
H III80星(=HIP 11348)
- 位置(分点2000.0)赤経02h26.0m,赤緯-15°20’
- 主星5.9等,伴星9.1等,位置角296°,離角12.2” (2016年),スペクトルA6V
光度差がありますが十分な離角があり、分離することに難しくはありません。主星は黄色がかった乳白色で、これに小さな伴星があります。
ν星
- 位置(分点2000.0)赤経02h35.9m,赤緯+05°36’
- 主星5.0等,伴星9.1等,位置角80°,離角8.1” (2016年),スペクトルG3III
さらに光度差があり離角も小さく、難易度が上がります。黄白色の主星に小さな伴星が消え入りそうに見えます。
γ星
- 位置(分点2000.0)赤経02h43.3m,赤緯+03°14’
- 主星3.6等,伴星6.2等,位置角299°,離角1.9” (2020年),スペクトルA1V
離角がたいへん狭く3等級の光度差ですから、口径10cm以上でも難易度の高い観察対象です。シーイングの良い環境の下で観察しましょう。主星は黄色がかった白色で、これに接触するように小さな薄い緑色の伴星があります。