8へび座
蛇座
- 学 名
- Serpens(略号 Ser)
- 英語名
- The Serpent
- 設 置
- 古代ギリシア
- 面 積
- 637平方度
天体観測の見どころ
1星雲星団の観察
(2)へび座
へび座の頭にはM5球状星団、尾にはM16散光星雲というたいへん素晴らしい観察対象があります。
M5球状星団(=NGC5904)
- 位置(分点2000.0)赤経15h18.6m,赤緯+02°05’ 視直径17.4’,等級5.7,集中度(高1-低12)5
ヘルクレス座のM13球状星団とともに、夏の星雲星団の先頭に立ち姿を見せてくれます。へび座5番星と並んでいて導入しやすい位置にあります。大型で全天でも屈指のとても美しい球状星団のひとつです。中心部が明るく密集度の高い星団で、双眼鏡でも星雲状に見えます。
M16散開星団+散光星雲(=散開星団NGC6611+散光星雲IC4703)
- 愛称:わし星雲(Eagle nebula)
- 散開星団
- 位置(分点2000.0)赤経18h18.8m,赤緯-13°47’ 視直径21’,等級6.0
- 散光星雲
- 位置(分点2000.0)赤経18h18.6m,赤緯-13°58’ 長径35’×短径28’タイプHⅡ発光
M16は、小型の散開星団と散光星雲が重なっています。散開星団はよくわかり、本来メシエ番号はこの散開星団につけられています。その周りにほんのりと光のベールが取り巻いているのが散光星雲で、形状から「わし星雲(Eagle Nebula)」の愛称があります。この星団と星雲の混在したさまは絶品です。星雲が薄れないように低倍率で観察しましょう。ここは恒星が誕生しつつある領域としてもよく知られています。この星雲の恒星の誕生領域を、ハッブル宇宙望遠鏡が初期に観測したことでも知られています。
2重星の観察
(2)へび座
5番星
- 位置(分点2000.0)赤経15h19.3m,赤緯+01°46’
- 主星5.1等,伴星10.1等,位置角36°,離角11.7” (2017年),スペクトルF8V
光度差の大きな重星で、そう思って観察しないと見逃してしまいます。明るい黄色の主星に消え入りそうな伴星がついています。すぐ近くに球状星団M5があります。M5に続けてチャレンジしてみましょう。
δ星
- 位置(分点2000.0)赤経15h34.8m,赤緯+10°32’
- 主星4.2等,伴星5.2等,位置角171°,離角4.0” (2020年),スペクトルF0IV
1等級差のあるみごとな重星です。明るく離角も面白い、小望遠鏡での観察によい見本のようなペアです。主星伴星とも明るい黄色です。この重星は公転周期1,038年の連星系でもあります。
h2814星(=HIP 87813)
- 位置(分点2000.0)赤経17h56.3m,赤緯-15°49’
- 主星5.9等,伴星9.2等,位置角157°,離角20.6”(2006年),スペクトルA1V
光度差がありますが、離角が十分で楽に観察できる可愛らしく美しい重星です。主星は白色で、伴星はルビーのような赤紫色のペアです。
59番星
- 位置(分点2000.0)赤経18h27.2m,赤緯+00°12’
- 主星5.4等,伴星7.6等,位置角322°,離角3.7” (2018年),スペクトルG0III+A6V
明るい黄色の主星にくっつくような離角で、青い伴星が見え隠れします。2等級差で離角の小さいとても美しいペアです。気流の止まった時に伴星がフッと見えてきます。
Σ2375星(=HIP 92027)
- 位置(分点2000.0)赤経18h45.5m,赤緯+05°30’
- 主星6.3等,伴星6.7等,位置角120°,離角2.6” (2019年),スペクトルA1V
ほぼ等光度の双子のようです。これがぴったりとくっつき、気流が悪いと楕円形状に見えます。両星の間を分ける暗い線があるように見えてきます。主星と伴星はそれぞれ不可視の近接した連星系となっていて、全体では4重連星です。
θ星
- 位置(分点2000.0)赤経18h56.2m,赤緯+04°12’
- 主星4.6等,伴星4.9等,位置角106°,離角22.4” (2019年),スペクトルA5V+A5V
へび座の尾の先端でわし座との境界に近いところにある、素晴らしい重星です。ほぼ等光度の白色のペアで、仲の良い双子のような印象があります。広く離角があり、観察会や小望遠鏡での観察に最適です。夏の銀河の中で周囲は微光星があふれています。