夏の星座9

9たて座

楯座

学 名
Scutum(略号 Sct)
英語名
The Shield
設 置
ヨハネス・ヘヴェリウス
面 積
109平方度

天体観測の見どころ

1星雲星団の観察

M11散開星団(=NGC6705)愛称:野鴨星団(Wild Duck Cluster)

  • 位置(分点2000.0)赤経18h51.1m,赤緯-06°16’ 視直径13’,等級5.8,星数200

天の川の濃いところにある密集した散開星団です。散開星団の中でも最も密集度の高い天体に数えられます。ファインダーでは星雲状に見えて、望遠鏡の視野に微光星がひしめく様はみごとの一言です。小望遠鏡では星雲を交えているように見え、球状星団のようにも見えます。大口径ではすべてが微光星であることが分かります。鴨が群れているように見えるとして「野鴨星団(Wild Duck Cluster)」とも呼ばれます。数あるメシエ天体の散開星団の中でも、特徴のある必見の観察対象です。

たて座の星団ですが、わし座の南端に当たるλ星からたどる探しやすいでしょう。

M11星団付近の星域。天の川の中でも写真の右側の特に微光星の多い領域は「スモール・スター・クラウド」と呼ばれます。M11散開星団はその一角にあります。

M26散開星団(=NGC6694)

  • 位置(分点2000.0)赤経18h45.2m,赤緯-09°24’ 視直径14’,等級8.0,星数30

M11星団の4°南にあり視直径はM11と同じくらいの星団です。しかし、星の数は極端に少なく、どうしてもM11と比べると見劣りしてしまいます。明るい星が多い特徴があります。天の川の中にあって、その星の集まりがピークを作っているように見えます。

2重星の観察

Σ2325星(=HIP 90804)

  • 位置(分点2000.0)赤経18h31.4m,赤緯-10°48’
  • 主星5.8等,伴星9.3等,位置角257°,離角12.4”(2005年),スペクトルB2V

明るい白色の主星に青みがかった伴星があります。光度差がありますが、離角は十分で分離は容易です。