夏の星座15

15いるか座

海豚座

学 名
Delphinus(略号 Del)
英語名
The Dolphin
設 置
古代ギリシア
面 積
189平方度

天体観測の見どころ

いるか座にはメシエ番号のある星雲星団はありません。ここではやや上級者向けの惑星状星雲と球状星団を取り上げます。重星ではγ星が有名で、重星の見本のような対象で観察会等でもお勧めです。

1星雲星団の観察

NGC6905惑星状星雲 愛称:ブルーフラッシュ星雲(Blue flash nebula)

  • 位置(分点2000.0)赤経20h22.4m,赤緯+20°07’ 視直径39”
  • 写真等級11.9,視等級11.1,中心星等級15.5

いるか座の北西端にある小型の惑星状星雲です。写真では淡い写り方ですが、口径20cm以上の望遠鏡で、眼視で小さな青緑色の円盤状に意外によく見えます。不均一なもやもやとした内部構造も分かりそうな気もしてきます。写真では中心星が明瞭に写りますが、眼視では困難です。

NGC6934球状星団

  • 位置(分点2000.0)赤経20h34.2m,赤緯+07°24’ 視直径5.9’,等級8.7,集中度(高1-低12)8

小型の球状星団です。眼視的には惑星状星雲のようにも見えます。小型のため星団とは直ちにわからず星に分離しません。すぐ西隣の恒星が印象的です。

2重星の観察

γ星

  • 位置(分点2000.0)赤経20h46.7m,赤緯+16°07’
  • 主星4.4等,伴星5.0等,位置角266°,離角8.8” (2020年),スペクトルK1IV+F7V

やや大きさの異なる美しいペアで小望遠鏡からお勧めの対象です。両星ともオレンジ色で、低倍率ではかわいらしい雪だるまのような印象があります。この重星は3249年周期の連星系を成しています。現在は少しずつ離角を狭めていますが、長周期ですので数年程度では違いは分かりません。2300年には離角1.1”まで接近します。

Σ2725星

  • 位置(分点2000.0) 赤経20h46.2m, 赤緯 +15°54’
  • 主星A 7.5等,伴星B 8.2等,位置角12°,離角6.2” (2019年),スペクトル K0

Σ2725は、γ星のすぐ南西にあって、広視野でγ星とダブルダブルスターとなっています。

13番星

  • 位置(分点2000.0)赤経20h47.8m,赤緯+06°00’
  • 主星5.6等,伴星8.2等,位置角200°,離角1.5” (2016年),スペクトルA0V

離角が小さく光度差もある対象で、小望遠鏡では難物です。観察には口径15㎝以上は欲しく、シーイングの良いときに観察しましょう。白色の主星に消え入りそうなオレンジの伴星があります。