冬の星座3

3きりん座

麒麟座

学 名
Camelopardalis(略号 Cam)
英語名
The Giraffe
設 置
ペトルス・プランシウス
面 積
757平方度

天体観測の見どころ

大きな面積のある星座ですが、不思議と小望遠鏡向きの星雲星団の乏しい星座です。その中で、NGC2403銀河は明るく見ごたえのある観察対象でお勧めできます。

1星雲星団の観察

NGC2403銀河

  • 位置(分点2000.0)赤経07h36.9m,赤緯+65°36’ 視直径25.5’x13.0’,等級8.5,型SAB

おおぐま座との境界に近いところにある明るい銀河です。おおぐま座のM81銀河にも匹敵する大きさと明るさのある立派な天体ですが、メシエはこの銀河を見落としてしまったようです。ファインダーでは見えませんが、口径5cm程度の小望遠鏡から観察の対象となります。口径10cm以上になると、素晴らしい銀河であることが分かります。紡錘状で全体にのっぺりしていて内部の濃淡は分かりません。面白いことに、銀河の東西両端に明るい星が乗っていて目立ちます。

2重星の観察

Webb2(=HIP 17342)

  • 位置(分点2000.0)赤経03h42.7m,赤緯+59°58’
  • 主星5.8等,伴星8.5等,位置角36°,離角54.8” (2019年),スペクトルK4II

離角の広い愛らしい色合いのペアです。明るく濃いオレンジ色の主星と青緑色の伴星があります。色のコントラストが特徴の重星です。

1番星

  • 位置(分点2000.0)赤経04h32.0m,赤緯+53°55’
  • 主星5.8等,伴星6.8等,位置角308°,離角10.4” (2018年),スペクトルB0III

見事な重星で、離角も適度に近く小望遠鏡から楽しめます。真珠のような白色の主星と暗いシルバーの伴星があります。

β星

  • 位置(分点2000.0)赤経05h03.4m,赤緯+60°27’
  • 主星4.1等,伴星7.4等,位置角209°,離角84.2” (2017年),スペクトルG0I

濃いオレンジ色の主星とサファイアのような澄んだ青色の伴星のペアです。離角がとても広く光度差も大きな重星です。

19番星

  • 位置(分点2000.0)赤経05h22.6m,赤緯+79°14’
  • 主星5.1等,伴星9.1等,位置角142°,離角31.1”(2016年),スペクトルF6V

素晴らしい重星です。光度差は4等級もありますが、離角は十分広いので、小望遠鏡でも観察は難しくありません。白色の主星と薄紫色の伴星のペアです。

Σ1694(= HIP 62572)

  • 位置(分点2000.0) 赤経12h49.2m, 赤緯 +83°25’
  • 主星 5.3等,伴星 5.7等,位置角324°,離角21.3” (2015年),スペクトル A1III

天の北極の近くにあり、北半球ではいつでも観察できます。離角が広めのみごとな重星です。ほぼ等光度のペアで、十分な離角をへだてた双子のようです。小望遠鏡で楽しく観察できます。澄んだ白色のペアです。