6うさぎ座
兎座
- 学 名
- Lepus(略号 Lep)
- 英語名
- The Hare
- 設 置
- 古代ギリシア
- 面 積
- 290平方度
天体観測の見どころ
1星雲星団の観察
M79球状星団(=NGC1904)
- 位置(分点2000.0)赤経05h24.5m,赤緯-24°33’ 視直径8.7’,等級7.8,集中度(高1-低12)5
冬の夜空には珍しい球状星団です。1780年メシャンが発見しました。この星団についてメシエは、「星のない星雲。この星雲は美しく、中心は明るい。星雲は少しぼやけている」と記しています。球状星団としては小型で明るさも控えめですが、冬の球状星団は数が少なく貴重で、また、探しやすい5等星に隣接しているので観察会には重宝します。
2重星の観察
β314星(=HIP 23166)
- 位置(分点2000.0)赤経04h59.0m,赤緯-16°23’
- 主星A 5.9等,伴星B 7.5等,位置角316°,離角0.7” (2021年),スペクトルF3V+F9V
- 主星A 5.9等,伴星C 10.4等,位置角55°,離角53.3”(2007年),スペクトルF3V+F9V
小望遠鏡での観察は、主星Aと伴星Cの観察が対象となります。とても広い離角ですが、それでも伴星がとても暗いので、観察には注意が必要となります。明るい琥珀色の主星と消えそうに小さい伴星がちらっと見えます。主星A伴星Bは、公転周期55年の近接した連星系となっています。この分離には口径15cm以上の望遠鏡が必要でしょう。
ι星
- 位置(分点2000.0)赤経05h12.3m,赤緯-11°52’
- 主星4.5等,伴星9.9等,位置角337°,離角11.9” (2015年),スペクトルB8V
うさぎの西の耳の先端にある4等星です。伴星と5等級の大きな光度差がありますが、離角は十分です。白色の主星に、白っぽい紫色の伴星があります。さらに、主星は4.8等と7.2等が離角0.4”で近接する連星系ですが、この分離は大望遠鏡が必要となるでしょう。
κ星
- 位置(分点2000.0)赤経05h13.2m,赤緯-12°56’
- 主星4.4等,伴星6.8等,位置角357°,離角2.2”(2008年),スペクトルB9V
ι星のすぐ南にある4等星です。かなり挑戦的な離角と光度差のペアです。この分離には、口径15cm以上と良好なシーイングが必要でしょう。主星は白色、伴星はややくすんで、主星のコブのように見えます。
HIP24927
- 位置(分点2000.0)赤経05h20.4m,赤緯-21°14’
- 主星4.7等,伴星8.5等,位置角279°,離角4.0” (2016年),スペクトルA0V
ジョン・ハーシェルはこの重星を「最も美しい」と書いています。4等級の光度差の伴星が、やや狭い離角でくっついています。主星は乳白色で、伴星は白色です。小望遠鏡でも観察を楽しむことができます。
h3752星(=HIP 25045)
- 位置(分点2000.0)赤経05h21.8m,赤緯-24°46’
- 主星A 5.4等,伴星B 6.6等,位置角91°,離角3.5” (2015年),スペクトル G0
- 主星A 5.4等,伴星C 9.3等,位置角104°,離角59.8” (2015年),スペクトル G0
すぐ近くにM79球状星団があります。近接した主星Aと伴星Bは、重星観察の醍醐味を味わえる挑戦的な離角と光度差です。小望遠鏡でも分離できますが、良好なシーイングが必要です。黄色がかったオレンジ色をしています。伴星Cは、かなり広い離角にあり、光度差はありますが観察は容易です。
h3759星(=HIP 25397)
- 位置(分点2000.0)赤経05h26.0m,赤緯-19°42’
- 主星5.9等,伴星7.3等,位置角317°,離角26.6” (2019年),スペクトルF5IV
広い離角の観察の容易な重星です。色のコントラストが絶妙です。主星は黄色がかった琥珀色で、伴星は深い青色をしています。
γ星
- 位置(分点2000.0)赤経05h44.5m,赤緯-22°27’
- 主星3.6等,伴星6.3等,位置角349°,離角95.5” (2019年),スペクトルF6V+K2V
うさぎ座では、もっとも小望遠鏡向きの観察しやすく美しい重星です。離角はとても広く、色のコントラストを楽しんでください。主星は明るい黄色で、伴星はレンガ色をしています。
h3780
- 位置(分点2000.0) 赤経05h39.3m, 赤緯 -17°51’
- 主星A 6.7等, 伴星C 8.9等, 位置角137°, 離角89.3” (2012年), スペクトル B7V
- 主星A 6.7等, 伴星E 7.9等, 位置角 9°, 離角75.6” (2012年), スペクトル B7V
- 主星A 6.7等, 伴星F 8.3等, 位置角300°, 離角 8.3” (2012年), スペクトル B7V
うさぎ座のほぼ中央にあるおもしろい四重星。それぞれの間隔は広く開いていて、小望遠鏡で楽しく観察できます。小さな星団のような印象です。最も北にある伴星Eは、赤い色をしていて目立ちます。主星Aには、位置角160°離角0.50" に伴星B(7.8等)がありますが、これは大望遠鏡でないと観察は困難です。また、伴星Cには、位置角356°離角1.50"に伴星D(9.6等)がありますので、シーイングの良い夜にチャレンジしてみましょう。