[改訂第9版]LaTeX美文書作成入門
2023年12月9日紙版発売
2023年12月9日電子版発売
奥村晴彦,黒木裕介 著
B5変形判/432ページ
定価3,630円(本体3,300円+税10%)
ISBN 978-4-297-13889-9
書籍の概要
この本の概要
本書は,本や論文などを組版し,印刷・電子化するためのフリーソフト「LaTeX」および関連ソフトについて,やさしく解説したものです。LaTeXの基礎から,「自分で体裁を変更したい」といった高度な知識が必要なところまで幅広く網羅。LaTeXを使うすべての人にお薦めの一冊です。本書自体もTeXで組版されており,新たにLaTeXを学ぶ方はもちろんのこと,すでに旧版をお持ちの方も細部まで変化を見比べていただけます。
第9版では,モダンLaTeXへの対応を強化し,いつでも最新の環境を利用できるようにTeX Liveのインストールについて改めて解説しました。阿部紀行氏(東京大学),寺田侑祐氏(鉄緑会),山本宗宏氏(株式会社Green Cherry)の三名のTeXエキスパートによるコラムを収録。
こんな方におすすめ
- LaTeXを学習しようとしている人
- 論文をLaTeXで執筆する学生・教師
本書のサンプル
本書の一部ページを,PDFで確認することができます。
- サンプルPDFファイル(7,616KB)
目次
序
第1章 TeX,LaTeXとその仲間
- 1.1 TeXって何?
- 1.2 TeXの読み方・書き方
- 1.3 LaTeXって何?
- 1.4 TeX,LaTeXの処理方式
- 1.5 TeX,LaTeXの処理の流れ
- 1.6 TeX,LaTeXと日本語
- 1.7 TeX,LaTeXのライセンス
- 1.8 TeXディストリビューション
- 1.9 TeXの系譜とこれから
第2章 使ってみよう
- 2.1 WebブラウザでLaTeXを使う
- 2.2 WindowsでTeXworks
- 2.3 MacでTeXShop
- 2.4 ターミナルでLaTeXを使う方法
- 2.5 LaTeXでレポートに挑戦
- 2.6 エラーが起きたなら
- 2.7 texdocの使い方
第3章 LaTeXの基本
- 3.1 LaTeXの入力・処理の例
- 3.2 最低限のルール
- 3.3 ドキュメントクラス
- 3.4 プリアンブル
- 3.5 文書の構造
- 3.6 タイトルと概要
- 3.7 打ち込んだ通りに出力する方法
- 3.8 改行の扱い
- 3.9 注釈
- 3.10 空白の扱い
- 3.11 地の文と命令
- 3.12 区切りのいらない命令
- 3.13 特殊文字
- 3.14 アクセント類
- 3.15 書体を変える命令
- 3.16 文字サイズを変える命令
- 3.17 環境
- 3.18 箇条書き
- 3.19 長さの単位
- 3.20 空白を出力する命令
- 3.21 脚注と欄外への書き込み
- 3.22 罫線の類
- 3.23 いろいろなLaTeX
第4章 パッケージと自前の命令
- 4.1 パッケージ
- 4.2 簡単な命令の作り方
- 4.3 パッケージを作る
- 4.4 命令の名前の付け方
- 4.5 自前の環境
- 4.6 引数をとるマクロ
- 4.7 マクロの引数の制約
- 4.8 ちょっと便利なマクロ
- 4.9 (どこまで)マクロを使うべきか
- 4.10 新しいL3マクロ
第5章 数式の基本
- 5.1 数式の基本
- 5.2 数式用のフォント
- 5.3 数式の書き方の詳細
- 5.4 上付き文字,下付き文字
- 5.5 別行立ての数式
- 5.6 和・積分
- 5.7 分数
- 5.8 字間や高さの微調整
- 5.9 式の参照
- 5.10 括弧類
- 5.11 ギリシャ文字
- 5.12 筆記体
- 5.13 2項演算子
- 5.14 関係演算子
- 5.15 矢印
- 5.16 雑記号
- 5.17 mathcompで定義されている文字
- 5.18 大きな記号
- 5.19 log型関数とmod
- 5.20 上下に付けるもの
- 5.21 数式の書体(一般の場合)
- 5.22 数式の書体(unicode-math)
- 5.23 ISO/JISの数式組版規則
- 5.24 プログラムやアルゴリズムの組版
- 5.25 array環境
- 5.26 数式の技巧
第6章 高度な数式
- 6.1 amsmathとAMSFonts
- 6.2 いろいろな記号
- 6.3 行列
- 6.4 分数
- 6.5 別行立ての数式
第7章 グラフィック
- 7.1 LaTeXと図
- 7.2 LaTeXでの図の読み込み方
- 7.3 \includegraphicsの詳細
- 7.4 おもな画像ファイル形式
- 7.5 PostScriptとは
- 7.6 EPSとは
- 7.7 Ghostscript
- 7.8 PDFとは
- 7.9 SVGとは
- 7.10 文字列の変形
- 7.11 色モデルとその変換
- 7.12 色の指定
- 7.13 枠囲み
第8章 表組み
- 8.1 表組みの基本
- 8.2 LaTeX標準の罫線
- 8.3 tabularrayパッケージ
- 8.4 表の制御
- 8.5 セル結合
- 8.6 色のついた表
- 8.7 ページをまたぐ表
- 8.8 表組みのテクニック
第9章 図・表の配置
- 9.1 図の自動配置
- 9.2 表の自動配置
- 9.3 左右に並べる配置
- 9.4 図・表が思い通りの位置に出ないとき
- 9.5 回り込みと欄外への配置
第10章 相互参照・リンク・目次・索引
- 10.1 相互参照
- 10.2 ハイパーリンク
- 10.3 目次
- 10.4 索引とMakeIndex,mendex,upmendex
- 10.5 索引の作り方
- 10.6 索引スタイルを変えるには
- 10.7 索引作成の仕組み
- 10.8 入れ子になった索引語
- 10.9 範囲
- 10.10 ページ数なしの索引語
- 10.11 ページ番号の書体
- 10.12 \index命令の詳細
第11章 文献の参照と文献データベース
- 11.1 文献の参照
- 11.2 すべて人間が行う方法
- 11.3 半分人間が行う方法
- 11.4 citeパッケージ
- 11.5 文献処理の全自動化
- 11.6 文献データベース概論
- 11.7 BibTeXの実行例
- 11.8 文献スタイルファイル
- 11.9 文献データベースの詳細
- 11.10 並べ替え順序の制御
- 11.11 biblatex
- 11.12 Citation Style Language
第12章 欧文フォント
- 12.1 フォントの5要素
- 12.2 フォントのエンコーディングの詳細
- 12.3 ファイルのエンコーディング
- 12.4 LuaLaTeXの欧文フォント
- 12.5 英語以外の言語
- 12.6 マイクロタイポグラフィー
- 12.7 Computer Modern
- 12.8 Latin Modern
- 12.9 欧文基本14書体
- 12.10 欧文基本35書体
- 12.11 TeX Gyreフォント集
- 12.12 その他のフォント
- 12.13 レガシーな数式用フォント
- 12.14 モダンLaTeXとunicode-math
- 12.15 New Computer Modernフォント
- 12.16 仮想フォントの作り方
第13章 和文フォント
- 13.1 おもな和文書体
- 13.2 レガシーLaTeXの和文フォントの設定
- 13.3 LuaLaTeXの和文フォントの設定
- 13.4 和文フォントを切り替える命令
- 13.5 和文フォント選択の仕組み
- 13.6 縦組
- 13.7 ルビ・圏点・傍点
- 13.8 混植
- 13.9 日本語の文字と文字コード
- 13.10 OpenTypeフォントとAdobe-Japan
- 13.11 otfパッケージ
- 13.12 強調と書体
- 13.13 和文組版の詳細
- 13.14 もっと文字を
第14章 ページレイアウト
- 14.1 ドキュメントクラス
- 14.2 ((lt)js)article等のオプション
- 14.3 jlreqのオプション
- 14.4 ページレイアウトの変更
- 14.5 例:数学のテスト
第15章 スタイルファイルの作り方
- 15.1 LaTeXのスタイルファイル
- 15.2 スタイルファイル中の特殊な命令
第16章 美しい文書を作るために
- 16.1 全角か半角か
- 16.2 句読点・括弧類
- 16.3 引用符
- 16.4 疑問符・感嘆符
- 16.5 自動挿入されるスペース
- 16.6 アンダーライン
- 16.7 欧文の書き方
- 16.8 改行位置の調整
- 16.9 改ページの調整
- 16.10 その他の調整
第17章 LaTeXによる入稿
- 17.1 LaTeX原稿を入稿する場合
- 17.2 PDFで入稿する場合
- 17.3 ファイルとフォルダの準備
- 17.4 LaTeXで処理
- 17.5 トンボ
- 17.6 グラフィック
- 17.7 若干のデザイン
- 17.8 PDFへの変換
- 17.9 その他の注意
第18章 LaTeXによるプレゼンテーション
- 18.1 jsarticleによるスライド作成
- 18.2 Beamerによるスライド作成
付録A LaTeXのインストールと設定
- A.1 TeX Liveについて
- A.2 Windowsへのインストールと設定
- A.3 Macへのインストールと設定
- A.4 一般のUnix系OSへのインストール
付録B TeXのディレクトリ構成
- B.1 ディレクトリ(フォルダ)とパス
- B.2 パスを通すとは?
- B.3 TeXのディレクトリ構成
付録C 基本マニュアル
- C.1 texdoc
- C.2 pdflatex,platex,uplatex,lualatex
- C.3 dvipdfmx
- C.4 ptex2pdf
- C.5 mktexlsr
- C.6 latexmk
- C.7 texfot
- C.8 tlmgr,tlshell
- C.9 updmap
- C.10 kanji-config-updmap
- C.11 getnonfreefonts
- C.12 kpsewhich
- C.13 Ghostscript
付録D TikZ
- D.1 PGF/TikZとは
- D.2 TikZの基本
- D.3 いろいろな図形の描画
- D.4 グラフの描画
- D.5 Rで使う方法
- D.6 Pythonで使う方法
- D.7 gnuplotとの連携
- D.8 ほかの図との重ね書き
- D.9 TikZを使うパッケージ
付録E 記号一覧
- E.1 特殊文字
- E.2 ロゴ
- E.3 旧textcompパッケージで使える文字
- E.4 pifontパッケージで使える文字
- E.5 fontawesomeパッケージで使える文字
- E.6 otfパッケージで使える文字
付録F TeX関連の情報源
- F.1 文献
- F.2 ネット上の情報
- あとがき
コラム目次
- TeXは誰が作ったの?
- オープンソースライセンス
- OverleafでpLaTeX,upLaTeXを使う
- 逆斜線か円印か
- VS Code
- 文字コード
- jlreqドキュメントクラス
- jlreq開発裏話 by 阿部紀行
- TeX2img
- 相互参照はいつでも解決(収束)するか?
- 学習塾でのLaTeXの活用 by 寺田侑祐
- 複数の著者での執筆に便利なバージョン管理システム
- 更新のあったファイルだけ処理する
- Markdownとpandoc
- LaTeX組版のお仕事 by 山本宗宏
- Windowsのメモ帳(notepad)
- 文字コードを判別,変換するツールnkf
- 改行コード
- SyncTeX
- LaTeXソースに記述したタイプセット方法を実行できるllmk
- tikz-cdパッケージ