現代社会において、私たちが企業の一員としていかなる業務に就いていたとしても、契約書の内容のチェックや締結済みの契約書を読むことが必要となる場面が必ずあるでしょう。また、個人として生活するにあたっても、車や不動産を購入したり、スポーツクラブに入会するなど、さまざまな機会に契約書を締結する場面に遭遇することになります。
このように私たちは、日常的に、契約書をつくったり、読んだりすることが必要になります。
そこで本書では、契約書の読み方と作成について、わかりやすく、基礎から説明しています。
本書は、3つのパートによって構成されています。
Part1では、契約とは何か、契約書とは何か、といった初歩的なところから、契約書の形式的な事柄について、説明しています。また、最近よく用いられることとなった電子契約についても説明しています。
Part2では、契約書の読み方・つくり方の基本として、契約と法律との関係や、契約書の一般的な構成、契約書でよく用いられる代表的な条項などについて、横断的にご説明しています。
Part3では、売買契約書・建物賃貸借契約書といった代表的な契約書からライセンス契約書や秘密保持契約書といった契約書まで、各種の契約の書式例を挙げて、その内容について説明しています。
なお、ボリュームの関係から、契約書の実務についてすべてを説明できているものではありません。もっとも、契約書の実務にはじめて接する方がいらっしゃることも想定して、契約書の実務における知識を基礎から網羅するとともに、読者の皆様が目にしたり、締結したりすることの多い契約類型について、可能な限り書式を呈示して説明しています。本書が、皆様にとって、少しでもお役にたつものであることを執筆者一同、心より祈念しております。
(「はじめに」より)