著者の一言

現代社会において、私たちが企業の一員としていかなる業務に就いていたとしても、契約書の内容のチェックや締結済みの契約書を読むことが必要となる場面が必ずあるでしょう。また、個人として生活するにあたっても、車や不動産を購入したり、スポーツクラブに入会するなど、さまざまな機会に契約書を締結する場面に遭遇することになります。

このように私たちは、日常的に、契約書をつくったり、読んだりすることが必要になります。

そこで本書では、契約書の読み方と作成について、わかりやすく、基礎から説明しています。

本書は、3つのパートによって構成されています。

Part1では、契約とは何か、契約書とは何か、といった初歩的なところから、契約書の形式的な事柄について、説明しています。また、最近よく用いられることとなった電子契約についても説明しています。

Part2では、契約書の読み方・つくり方の基本として、契約と法律との関係や、契約書の一般的な構成、契約書でよく用いられる代表的な条項などについて、横断的にご説明しています。

Part3では、売買契約書・建物賃貸借契約書といった代表的な契約書からライセンス契約書や秘密保持契約書といった契約書まで、各種の契約の書式例を挙げて、その内容について説明しています。

なお、ボリュームの関係から、契約書の実務についてすべてを説明できているものではありません。もっとも、契約書の実務にはじめて接する方がいらっしゃることも想定して、契約書の実務における知識を基礎から網羅するとともに、読者の皆様が目にしたり、締結したりすることの多い契約類型について、可能な限り書式を呈示して説明しています。本書が、皆様にとって、少しでもお役にたつものであることを執筆者一同、心より祈念しております。

(⁠⁠はじめに」より)

太田大三(おおたたいぞう)

丸の内総合法律事務所。1996年東京大学経済学部経済学科卒業,同年司法試験合格,1997年東京大学経済学部経営学科卒業,1999年司法修習終了(51期),同年弁護士登録(第二東京弁護士会)。企業法務,知的財産法務等を主に取り扱う。著作に,『職務発明規程の実務ハンドブック』(商事法務 2005年),『人事・総務部員のための契約書作成の基礎から実務』(政経研究所 2008年),『一問一答 金融機関のための事業承継の手引き』(共著,経済法令研究会 2018年)他多数。2023年から雑誌『NBL』(商事法務)にて「契約書の一般条項のチェックポイント」連載中。

堀口佐耶香(ほりぐちさやか)

丸の内総合法律事務所。2013年慶應義塾大学法学部法律学科卒業,2015年慶應義塾大学法科大学院卒業,2017年司法試験合格,2018年司法修習終了(71期),同年弁護士登録(第二東京弁護士会)。一般企業法務等を主に取り扱う。2021年から2023年には民間企業へ出向し,契約法務等に従事。著作に,『バンクビジネス』NO.979「総特集 改正相続法に対応した相続アドバイス~対策への関心を高める声かけ&情報提供 PART1 改正相続法の内容と相続対策への影響⑤~⑩」(共著,近代セールス社 2018年)など。

尾臺知弘(おだいともひろ)

丸の内総合法律事務所。2016年中央大学法学部卒業,2017年中央大学法科大学院中退。同年司法試験合格,2018年司法修習終了(71期),同年弁護士登録(第二東京弁護士会)。一般企業法務等を主に取り扱う。著作に,『旬刊経理情報』1602号「リモートワーク浸透でどうなる?企業の情報セキュリティをめぐる法務Q&A」(共著,中央経済社 2021年)など。

高橋香菜(たかはしかな)

丸の内総合法律事務所。2017年東北大学法学部卒業,2019年東北大学法科大学院卒業,同年司法試験合格,2020年司法修習終了(73期),同年弁護士登録(第二東京弁護士会)。一般企業法務等を主に取り扱う。著作に,『労務事情』1430号「Q&A女性活躍推進にかかわる実務対応」(共著,産労総合研究所 2021年)など。