Tech × Books plusシリーズTCP/IP技術入門
——プロトコルスタックの基礎×実装[HTTP/3, QUIC, モバイル, Wi-Fi, IoT]

[表紙]TCP/IP技術入門 ——プロトコルスタックの基礎×実装[HTTP/3, QUIC, モバイル, Wi-Fi, IoT]

紙版発売
電子版発売

A5判/352ページ

定価3,080円(本体2,800円+税10%)

ISBN 978-4-297-14157-8

電子版

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書籍の概要

この本の概要

社会インフラとなったインターネットを動かす技術群「TCP/IP」にスポットを当て,長く役立つ基本を主軸に,先端の開発/ 研究動向の観点を盛り込んだ入門書。

本書では「プロトコルスタックの基礎」を理論× 実践のアプローチで丁寧に解説し,とくに,

  • Wi-Fiやセルラーネットワークをはじめ
    無線通信による通信量の爆発的増加
  • TCP/UDP/QUICのトランスポート層における
    スピードと信頼性のトレードオフ
  • HTTP/3やWebTransport, IoTなど
    進化する上位レイヤー関連プロトコル

といった「インターネットの今」を支える技術ポイントを押さえた点が特徴です。

既存仕様に生じる限界の顕在化とそれらを解決する新たなテクノロジーの開発とが絶え間なく続いていく,そんなネットワークの世界が見えてくる1冊です。

※本書の4章/5章は,『TCP技術入門』(安永 遼真/中山 悠/丸田 一輝著,技術評論社,2019)の一部を元に大幅な加筆修正を行い収録しています。

こんな方におすすめ

  • 今&これからのTCP/IPプロトコルスタックに関心のあるエンジニアの方々
  • 無線&通信量の増大を背景とするいまどきの通信技術を知りたい学生の方々
  • モダンなネットワークの基本をおさらいしておきたいエンジニアの方々
  • 「目に見えない」ネットワークについて知りたい方々

本書のサンプル

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目次

第0章 コンピューターネットワーク&通信の基本開発×研究のための基礎知識

  • 0.1 コンピューターネットワーク&通信の今
  • 0.2 [シンプル図解]基本のしくみ
  • 0.3 [研究開発のための]ネットワークの理論と現実
  • 0.4 本章のまとめ

第1章 コンピューターネットワークとプロトコルスタック基本用語,OSI参照モデル,TCP/IPモデル

  • 1.1 基本用語の整理
  • 1.2 [さまざまなプロトコルスタック]OSI参照モデル
  • 1.3 [さまざまなプロトコルスタック]TCP/IPモデル
  • 1.4 プロトコルスタックとパケット転送の流れ
  • 1.5 [研究開発に活きる]ネットワーク評価の観点
  • 1.6 [研究開発に活きる]ネットワーク評価の方法
  • 1.7 本章のまとめ

第2章 プロトコルの変遷×ネットワークの基本ツール歴史とツールで辿る通信環境&主要プロトコル

  • 2.1 インターネットアプリケーションの進化
  • 2.2 通信環境の変化と主要プロトコルの進化
  • 2.3 ネットワークの基本ツール

第3章 ネットワークインターフェース層&MAC層無線&有線対応。物理的な伝送メディアとデータ伝送

  • 3.1 メディア/mediumとは何か
  • 3.2 Ethernet
  • 3.3 無線LAN
  • 3.4 IEEE 802.11物理層
  • 3.5 IEEE 802.11 MAC層
  • 3.6 本章のまとめ

第4章 [比較&評価で見えてくる]無線LAN MAC層物理層レベルとMAC層レベルの性能評価

  • 4.1 MACプロトコルまでを考慮したネットワーク性能の評価
  • 4.2 MATLABを用いたMAC層ネットワークシミュレーション
  • 4.3 システム性能評価
  • 4.4 本章のまとめ

第5章 トランスポート層信頼性とリアルタイム性

  • 5.1 トランスポート層の役割と主要プロトコル
  • 5.2 UDPのしくみ
  • 5.3 TCPのしくみ
  • 5.4 TCPの課題とQUICの登場
  • 5.5 本章のまとめ

第6章 [比較&評価で見えてくる]TCP/IPシミュレーターを通して変遷の過程を辿る

  • 6.1 TCPのしくみと輻輳制御
  • 6.2 輻輳制御アルゴリズムの観察
  • 6.3 ネットワーク高速化とアルゴリズムの進化
  • 6.4 バッファ遅延増大への対応
  • 6.4 本章のまとめ

第7章 近年の上位層プロトコルHTTP/2, HTTP/3, QUIC

  • 7.1 上位層のプロトコルスタックと主要プロトコルの再確認
  • 7.2 [QUICのしくみ]パケットとストリーム
  • 7.3 [QUICのしくみ]ハンドシェイクと輻輳制御
  • 7.4 WebTransport/MQTT/CoAP
  • 7.5 本章のまとめ

第8章 [比較&評価で見えてくる]HTTP/3QUICとWebTransportの実装を通じてメカニズムを学ぶ

  • 8.1 Go言語によるQUICの実装
  • 8.2 QUICパケットの可視化
  • 8.3 WebTransportによる通信
  • 8.4 本章のまとめ

第9章 [大規模/高速化]通信環境とプロトコルの技術動向考察の観点と考え方

  • 9.1 [再入門]これからの考察に役立つ3つの観点
  • 9.2 通信環境の変化
  • 9.3 これから研究開発に関わる人に向けて
  • 9.4 本書のまとめ

著者プロフィール

中山悠(なかやまゆう)

2006年東京大学農学部卒業,2008年東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻修了,同年日本電信電㈱入社。2018年東京大学大学院情報理工学系研究科電子情報学専攻博士課程修了。博士(情報理工学)。2019年より東京農工大学大学院工学府・准教授。特定非営利活動法人neko 9 Laboratories 理事長。2022年より㈱Flyby代表取締役,2024年より㈱UMINECO代表取締役も兼務し,大学発技術の社会実装に取り組む。


丸田一輝(まるたかずき)

2006年九州大学工学部卒業,2008年九州大学大学院システム情報科学府知能システム学専攻修了,同年日本電信電話㈱入社。2016年九州大学大学院システム情報科学府情報知能工学専攻博士後期課程修了。博士(工学)。千葉大学・助教,東京工業大学・特任准教授を経て,2022年4月より東京理科大学工学部電気工学科・准教授。無線ネットワークにおける干渉低減技術の研究に従事。2017年度電子情報通信学会論文賞,RCS研究会最優秀貢献賞等。