数学への招待 論理パズルで数学力を磨く ~背景と構造を知るともっと楽しくなる~
- 数理哲人 著
- 定価
- 2,200円(本体2,000円+税10%)
- 発売日
- 2025.9.5
- 判型
- 四六
- 頁数
- 256ページ
- ISBN
- 978-4-297-15122-5 978-4-297-15123-2
サポート情報
概要
数学には、図形的パズル、論理的パズル、ゲーム理論的パズル…と多くのパズルが存在します。本書は「論理的パズル」を取り上げます。論理的パズルとはパズルの中でも背景に隠れた性質を見出す類のものです。たとえば、江戸時代の『塵劫記』に記された油分け問題が代表格です。油を与えられた容器だけを使って等分する問題で、一見すると計算問題のようですがパズル問題として考えることができます。
具体的なパズルの背後に隠れている《本質》や《構造》を取り出すことができれば、目の前のパズルをもっと楽しく解くことができるはずです。
「パズルを解き明かす」過程の楽しさ、数学の醍醐味を堪能できる1冊です。
こんな方にオススメ
- 中学生以上、図形や論理などをパズル的な考え方を通して深めたい方
- 純粋に数学的なパズルを楽しみたい人
目次
- はじめに
第1章 論理パズル
- あらゆるケースを検討する
- 仮定をし、場合を分けて考える
- 帽子の色当て問題
- 問題の正解
- 【雑談1】遊歴算家の歴史について
第2章 贋金判別問題
- 石垣島に上陸
- 贋金判別問題に取り組む
- 贋金問題の他のバージョン
- 誤り訂正の技術
- 2進法の活用
- 問題の正解
- 【雑談2】緊急事態宣言を縫っての遊歴算家
第3章 川渡り問題
- 川渡り問題を論理で解く
- アルゴリズムを見出そう
- 川渡りの局面状態を記号化する
- 移動が可能な状態を線で結んでみる
- より複雑な条件設定
- 状態の配列を工夫する
- 問題の正解
- 那覇西高校の講義後アンケートより
- 【雑談3】那覇 6 校襲撃会 2020
第4章 魔方陣
- 数学と人間生活
- ルービックキューブに熱中していた話
- 命題とは主張のことである
- 数学の規範
- 予想・仮説と命題
- 定性的な問題
- 命題の真偽判定
- 問題の正解
- 【雑談4】離島フラクタル
第5章 ピタゴラス数
- 主張の背後にある根拠を気にかける
- 数学は権威主義を排除する
- 定義は約束/命題は主張
- 数学を通して判断力を身につける
- 奇数をたし上げてピタゴラス数へ
- 原始ピタゴラス数はどれだけあるか
- ピタゴラス数は無限に存在する
- 教科書の単元にはつながりがある
- 【雑談5】戦後 80 年経っての救難信号
第6章 油分け算と互除法
- 和算と遊歴算家
- 具体と抽象
- 結果主義から脱出せよ
- 権威主義を否定する数学
- 油分け算に挑もう
- 油分け算の手順を図解してみる
- 互いに素な整数での議論
- 演繹と帰納
- 検定教科書が「性質」と述べるとき
- 問題の正解
- 【雑談6】戦争の影響
第7章 百五減算
- 共通テストの《定性的》問題
- 余りから年齢を求める
- 江戸時代の百五減算
- 中国剰余定理
- 有名な大学入試問題のメッセージ性
- 整数論基本定理
- 問題の正解
- 《付録:大学入学共通テストにおける百五減算》
- 【雑談7】沖縄の教育のいま
- あとがき
- 著者紹介
プロフィール
数理哲人
学習結社・知恵の館所属の覆面の貴講師。「闘う数学、炎の講義」をモットーに、教歴40年あまりの間、大手予備校・数理専門塾・高等学校・司法試験予備校・大学・震災被災地などの現場に立ち続ける。
平成~令和の「遊歴算家」(旅する数学者)として、北海道から沖縄の離島まで、津々浦々で「規範としての数学」を伝道し、各地の若者が覚醒している。講義および講演実績多数。