ポケット介護
【ポケット介護】楽になる認知症ケアのコツ改訂新版
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山口晴保,田中志子 編
大誠会認知症サポートチーム 著 - 定価
- 1,760円(本体1,600円+税10%)
- 発売日
- 2025.11.7
- 判型
- 新書
- 頁数
- 248ページ
- ISBN
- 978-4-297-15180-5
サポート情報
概要
認知症の人の気持ちを中心に、本人・家族・専門職がみんな笑顔で一緒の時間を過ごせるように「現場の知恵」をコンパクトにまとめました。社会の変化や認知症に対する意識の変化を反映させ、2015年の初版の内容を全面的に刷新しました。
生活リズムの乱れ、睡眠障害、転倒、排泄がうまくいかないなど、日常生活で起こるさまざまな出来事への対応から、認知症の人がよりよく暮らすための環境づくり、認知症の人の意思を尊重するケア、認知症介護をする側がどう変わっていけるかなどを、豊富なカラーイラストや写真、図解をまじえてわかりやすく解説しています。
専門職、認知症の人の生の声も満載。すぐに役立つ現場のノウハウが詰まった1冊です。また、本書は認知症のご本人が読んでも納得し、元気が出る内容にしました。
「誰もが笑顔になれるケア」「認知症の人の意思を尊重するケア」を始めてみませんか?
著者のホームページ
- 医療法人大誠会 内田病院
https://taiseikai-group.com/ja/ - 山口晴保研究室
https://www.yamaguchi-lab.net/
こんな方にオススメ
- 介護の現場で働いている人
- 家族を介護している人(介護職ではない一般の人)
- ケアマネジャー/介護福祉士/(社会福祉士)を目指す人
- 認知症になってしまった人
目次
- まえがき
- ビジュアルインデックス
第1章 本人の意思を尊重する認知症ケアへ
- 1-1 私たちの認知症ケア
-大誠会スタイル- - 1-2 認知症の人を中心に多視点でとらえサインに気づく
- 1-3 認知症ポジティブ
-みんなウェルビーイング - 1-4 パーソン・センタード・ケア
- 1-5 縛らないケアのために
- 1-6 「 本人視点」と「介護者視点」のズレを知る
- 1-7 楽しい役割と褒め愛でやる気アップ
-脳活性化リハビリテーション5原則とポジティブ心理学- - 1-8 認知症にやさしい共生社会を-認知症基本法-
- 1-9 施設内の仕事を通じ、認知症の人が社会とつながる
-ソナタリュー(SONATARUE)- - 1-10 交流し、支え合う新しいコミュニティケアの形
-いきいき未来のもり
第2章 認知症の人がより良く暮らすのための工夫
- 2-1 認知症の理解-より良く暮らすために
- 2-2 認知症の進行と生活支援-アルツハイマ ー型認知症を中心に
- 2-3 生活支援7原則56
- 2-4 生活リズムを整える
- 2-5 ぐっすり眠るために
- 2-6 排泄支援はとてもデリケート
- 2-7 自力で移動する
- 2-8 動けば誰でもいつかは転ぶ
- 2-9 お金を持つことは人間らしさの象徴
- 2-10 服薬の自立
- 2-11 身だしなみを整える
- 2-12 着替えの工夫
- 2-13 入浴をスムーズに
- 2-14 口腔ケアで身体の状態もチェック
- 2-15 食事をいつまでも楽しむために
第3章 そこにはものがたりがある
- 3-1 本人の意思を受け取るところから、ケアが始まる
- 3-2 本人の「決める」を支える
-意思決定支援- - 3-3 意思決定支援のためのコミュニケーションの工夫
- 3-4 コミュニケーションの基本
- 3-5 心身の状態に気づいて欲しいときのサイン
- 3-6 強い思い込みへの対応
- 3-7 幻覚? 見間違え?
- 3-8 気分の落ち込み
- 3-9 歩き回りや思いつき外出
- 3-10 こだわりとルーチン化療法
- 3-11 社会のルールと他人の気持ち
- 3-12 愛着行動(魅惑に従う本能)
- 3-13 私にとっては必要な物(コレクション)
- 3-14 効果や成果の評価・再検討がより良いケアにつながる
- 3-15 ポジティブケアで介護者が幸せになろう
- 3-16 専門性の高い多職種によるケア
-認知症サポートチーム-
第4章 専門機関やサービス、地域のサポートとつながろう
- 4-1 その人らしい暮らしを支える相談窓口や専門的支援
-地域包括ケアシステム- - 4-2 どこに相談しよう? 困ったときの相談先
- 4-3 頼もしい味方。地域包括支援センターと認知症初期集中支援チーム
- 4-4 望む生活の実現をサポートする介護保険制度
- 4-5 いざというとき、権利・財産・生活を守る
- 4-6 若年性認知症への支援を受けるには
- 4-7 運転免許について
- 4-8 認知症カフェや家族会に参加しよう!
- 4-9 認知症の人が役割を持てる場をつくる
- 4-10 地域で見守る
第5章 認知症の経過と医療ケア-早期診断から看取りまで
- 5-1 早期診断のメリット
-自分で決めたり選んだりできる - 5-2 早期診断のタイミング
-家族・同僚が気づく - 5-3 突然の変化は早期受診で治療可能なことも
- 5-4 医療と介護の情報連携
- 5-5 軽度認知障害(MCI)
- 5-6 アルツハイマー型認知症
- 5-7 アルツハイマー病/アルツハイマー型認知症の治療薬
- 5-8 レビー小体型認知症
- 5-9 前頭側頭型認知症
- 5-10 血管性認知症
- 5-11 治療薬を介護者が管理する
- 5-12 認知症を予防する、進行を遅らせる
- 5-13 残された機能を維持し、廃用を防ぐ
- 5-14 私の人生の物語
-最期まで自分らしく生ききる-
付録 認知症初期症状11項目質問票-
プロフィール
山口晴保
群馬大学・名誉教授。認知症介護研究・研修東京センター・元センター長。大誠会・顧問/非常勤医師。認知症専門医。日本認知症学会 名誉会員。1976年に群馬大学医学部卒業、同大学院博士課程修了(医学博士)。専門は認知症の神経病理学や脳活性化リハビリテーションと実践医療。群馬県の介護予防サポーター育成にも取り組んだ。著書に『認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント』『認知症予防』『認知症ポジティブ!』(いずれも協同医書出版社)、ほか。
田中志子
医療法人大誠会 社会福祉法人久仁会理事長、群馬県認知症疾患医療センター内田病院センター長、1991年帝京大卒。小児も診る老年病専門医・指導医、認知症学会専門医・指導医、認知症サポート医、地域医療学会地域総合診療専門医、群馬大学医学部臨床教授、帝京大学医学部医学教育センター臨床教授。日本で初めて医師として認知症介護指導者となり、地域や医療関係者への認知症啓発活動や認知症にやさしいまちづくりに努めている。著書等に『ふるさとの笑顔が、咲き始める場所 地域包括ケアシステムを実践する、とある病院のチャレンジ』(幻冬舎)、『身体拘束ゼロの認知症医療・ケア』(照林社)ほか。