図解即戦力 図解即戦力
事業承継の進め方と要点がこれ1冊でしっかりわかる本

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著者
伊藤良太いとうりょうた梅田篤志うめだあつし髙橋大貴たかはしだいき 著
定価
2,420円(本体2,200円+税10%)
発売日
2026.1.20
判型
A5
頁数
256ページ
ISBN
978-4-297-15395-3

概要

オールカラーではじめての人にもやさしい、事業承継がしっかりわかる教科書です。中小企業では、経営者が高齢化する前にしっかり後継者を決めて準備をしておかないと、優良な事業も存続できないおそれがあります。一方で、そういった事業を引き継ぎたい人や買いたい企業へのマッチングも増えています。事業承継には大きく、親族内承継、従業員・役員承継、M&Aという3つの方法がありますが、資産や株式の評価、相続・贈与といった手続き、税務・法務の面で、経営者にとって初めての課題に多く直面します。承継にあたって何を考慮すべきなのか、誰に相談すればいいのかといった基本から始めて、承継に活用できる有利な制度も紹介します。不安に感じている経営者が全体の流れを把握して、現状の課題を整理し、円滑に事業承継を進めるためのガイドブックです。

こんな方にオススメ

  • 事業承継を考えている中小企業経営者
  • 親族・従業員・役員への承継方法を知りたい方
  • M&Aによる事業承継を検討している方

目次

Chapter1 事業承継の基本をおさえる

  • 01 事業承継とは
  • 02 いま事業承継が重要な理由は?
  • 03 事業承継の方法① 親族内承継
  • 04 事業承継の方法② 従業員・役員承継
  • 05 事業承継の方法③ M&A
  • 06 承継すべき経営資源は?
  • 07 事業承継のメリットは?
  • 08 事業承継で問題になりそうなことは?
  • 09 事業承継に関する主な相談先
  • 10 弁護士あるいは税理士に相談する
  • 11 さまざまな支援機関の活用を考える
  • COLUMN1 データで見る後継者不足の現実

Chapter2 事業承継の準備と計画をする

  • 01 事業承継の進め方
  • 02 経営の状況や課題を「見える化」しよう
  • 03 事業承継に向けて経営改善をはかろう
  • 04 事業承継計画策定にあたっての留意点
  • 05 チェックリストを使って自己診断をしよう
  • 06 事業承継計画を策定しよう
  • 07 事業承継計画表で行動と期限を設定する
  • 08 事業承継計画書を作成する
  • COLUMN2 後継者問題、改善の裏で見える新たな課題

Chapter3 親族内承継の要点

  • 01 親族内承継のメリットは?
  • 02 親族内承継のデメリットは?
  • 03 親族内承継の流れを知ろう
  • 04 親族内で株式を引き継ぐ3 つの手法
  • 05 贈与による株式承継の基本
  • 06 売買による株式承継の基本
  • 07 相続による株式承継の基本
  • 08 親族内承継を成功させるポイント
  • 09 相続対策の遺言書は確実な形で作成する
  • 10 相続と生前贈与においては遺留分に注意する
  • COLUMN3 自社株と遺産分割トラブル

Chapter4 従業員・役員承継の要点

  • 01 従業員・役員承継のメリットは?
  • 02 従業員・役員承継で障害となることは?
  • 03 従業員・役員承継の流れを知ろう
  • 04 承継のための資金の調達を検討する
  • 05 後継者の経営者保証の問題を解決する
  • 06 経営者保証に関するガイドラインとは
  • 07 中小企業投資育成株式会社とは?
  • 08 事業承継における投資育成会社の活用方法
  • COLUMN4 投資育成会社からの株式買い戻しの際には?

Chapter5 M&A による承継の要点

  • 01 事業承継におけるM&Aの役割
  • 02 M&A実行前の整理と準備
  • 03 M&Aの流れを知っておこう
  • 04 ファイナンシャルアドバイザーと仲介業者
  • 05 マッチングからNDA締結、トップ面談、意向表明書
  • 06 基本合意からデューデリジェンスまで
  • 07 最終契約の締結とクロージングまで
  • 08 PMI(成立後の統合プロセス)の重要性
  • 09 M&Aの譲渡対価の考え方
  • 10 M&A利用を促進する「中小企業事業再編投資損失準備金」
  • COLUMN5 M&A を行う際には注意を!

Chapter6 自社株式の評価と税務対策

  • 01 非上場株式の評価額の算定方法
  • 02 譲渡のときは「みなし贈与」や「みなし譲渡」に注意する
  • 03 非上場株式の評価の手順は?
  • 04 「特定の評価会社」に該当するか注意
  • 05 類似業種比準方式による算定方法
  • 06 純資産価額方式による算定方法
  • 07 配当還元方式による算定方法
  • 08 事業承継における株式の売買の際にかかる税金
  • 09 事業承継における株式の贈与の際にかかる税金
  • 10 事業承継における株式の相続の際にかかる税金
  • 11 事業承継に際しては株価対策が重要
  • 12 法人版事業承継税制について知ろう
  • COLUMN6 非上場株式の株価評価に見直しの可能性

Chapter7 トラブルを防ぐ株式承継の法知識

  • 01 事業承継のゴールと法的な視点
  • 02 円満相続を実現するために
  • 03 遺留分とは何か
  • 04 遺留分対策の基本
  • 05 株主構成を中心とした中小企業の資本政策
  • 06 議決権集約の意義と少数株主のリスク
  • 07 株式が分散している場合の集約方法
  • 08 名義株主を確認して株主名簿を訂正する
  • 09 所在不明株主がいるときの対応は?
  • 10 株式の分散を防止する対策は?
  • COLUMN7 税務署の資産税担当職員と調査の実態

Chapter8 事業承継に役立つ制度と活用術

  • 01 自己株式を活用しよう
  • 02 事業承継に活かす合併とは?
  • 03 事業承継に活かす会社分割とは?
  • 04 事業承継に活かす株式交換とは?
  • 05 事業承継に活かす株式移転とは?
  • 06 事業承継に活かす適格現物分配とは?
  • 07 従業員持株会を事業承継に活用する
  • 08 種類株式を事業承継に活用する
  • 09 民事信託を事業承継に活用する
  • 10 生命保険を事業承継に活用する
  • COLUMN8 事業承継ファンドは後継者がいない場合の選択肢の1つ

Chapter9 事業承継でよくあるQ&A

  • 01 事業承継・M&A に使える補助金はありますか?
  • 02 会社の許認可は事業承継でそのまま引き継げる?
  • 03 遺族が死亡退職金を辞退したら相続税は減る?
  • 04 事業に使っていた土地は相続税の優遇がある?
  • 05 生命保険を使えば遺留分のリスクはなくせる?
  • 06 信託財産は遺留分の対象から除外される?
  • 07 手書きの遺言が便利になったのですか?
  • 08 M&A契約書の表明保証条項はいちいち確認が必要ですか?

プロフィール

伊藤良太いとうりょうた

1984年生まれ。早稲田大学大学院法務研究科を修了後、司法試験合格。2012年に弁護士登録し、ベンチャー企業法務、M&A等の案件に従事。2015年に経済産業省中小企業庁に任期付き公務員として採用され、経営承継円滑化法の執行・改正、事業承継税制の執行・改正作業、事業承継ガイドラインの案文執筆等を担当する。任期満了した2017年、独立して事業承継・M&Aを中心とした中小企業支援に取り組み、2019年、弁護士法人フォーカスクライドに社員パートナー弁護士として参画。第二東京弁護士会「事業承継研究会」代表幹事、東京商工会議所「事業承継対策委員会」学識委員等を歴任。日本経済新聞「事業承継・M&A弁護士50選」に掲載される。

梅田篤志うめだあつし

1986年生まれ。中央大学商学部会計学科を卒業後、都内の税理士法人に入社し、法人税務顧問業務や数多くの企業組織再編の提案・実行に携わる。2015年には、資産税に特化した税理士法人タクトコンサルティングに移り、相続・事業承継など資産税分野の業務を担当。2017年、結婚を機に新潟へ移住し、税理士法人山田&パートナーズに入社、引き続き資産税業務に従事。2018年には梅田税理士事務所を開設し、新潟を拠点に資産税専門税理士として活動を開始。2020年には税理士法人フォーカスクライドを設立し、資産税の専門家として多数の相続・事業承継案件を支援しながら、セミナー講演の担当やラジオの相続コーナーに不定期出演している。

髙橋大貴たかはしだいき

1987年生まれ、大学卒業後、銀行・税理士法人勤務を経て、資産税専門のタクトコンサルティングに入社。同社で6年間資産税業務に従事し、2020年に税理士法人フォーカスクライドを設立。税理士法人フォーカスクライドは、お客様の大切な資産の承継・活用に係る税分野(資産税)に特化した税理士法人であり、グループの弁護士法人フォーカスクライドをはじめとして各専門家と一体となり、お客様の想いを実現できることを強みとする。全国のお客様に対して資産税支援を行いながら、セミナー講演及び執筆活動にも従事しており、2024年は「相続・事業承継に強い! 頼れる士業・専門家50選」に選出される。