ChatGPTの「その先」へ─⁠─ 2025年⁠いま押さえるべきAIエージェント最前線

生成AIが“指示待ち”を卒業するとき

一般的なビジネスパーソンでも、業務に生成AIを活用する機会が増えてきたのではないでしょうか?

画像生成や音声合成といった機能も注目され、2025年に入ってからも生成AIはなお進化を続けながら、その活用範囲を急速に広げています。

こうした生成AIの進化と拡大が進む中で、次に注目を集めているのが「タスクを整理し、先回りして動くAI」AIエージェントです。

ChatGPTのように「与えられた指示に答えるAI」から、自律的に判断し必要に応じて外部と連携していく“自律型AI”へ。

その流れは、すでに日本の現場でも始まっています。

AIエージェント_1.jpg

日本国内でも本格導入が加速中

大手企業から先進ベンチャーまで、あらゆる業務で実用化が進行中

日本国内でも、AIエージェントの導入が急速に広まっており、以下のような実用事例があります。

  • カスタマーサポートや営業支援における定型業務の自動化
  • 会議記録・ドキュメント作成などの日常業務支援
  • マーケティングや社内ナレッジ活用における高度な業務支援

企業による導入事例

続いてAIエージェントを導入している企業の具体的な導入事例をみていきましょう。

NTTデータ:「つなぎAI」基盤による短期導入モデル※1

  • LangGeniusのDify Enterpriseをベースに、NTTデータが日本企業向けに拡張したSaaS型AIエージェント基盤
  • トヨタ紡織での旅費精算申請検証では、通常3か月かかる開発がわずか2週間で完了し、工数を約 80%削減

IBM Japan:銀行の稟議書作成を95%削減※2

  • 金融機関向けに、融資稟議書作成プロセスを自律的に支援するマルチエージェントを構築
  • 複数のエージェントが役割を分担し、複雑な文書作業を数分で生成
  • 実際に「作業時間95%削減⁠⁠、かつAI生成の稟議書が「行員作成よりも精度・品質が高い」と評価された事例も

CyberAgent×Oracle Cloud:広告配信領域のAI基盤強化※3

  • サイバーエージェントが、Oracle Cloud Infrastructureを用いてAI推論基盤を導入
  • 同社が独自開発する日本語LLM「CyberAgentLM」などと組み合わせ、広告やマーケティング領域での自律型AIエージェント運用を加速

AIエージェントの構造を体系的に理解できる一冊

ここまで見てきたように、生成AIが実用化・一般化したいまこそ、⁠その先に何があるのか?」を先取りしておくことが重要です。AIエージェントを理解し、使いこなせるかどうかが、あなたの生産性を大きく変えることになるかもしれないのです。

本書『その仕事、AIエージェントがやっておきました。――ChatGPTの次に来る自律型AI革命』は、AIエージェントに興味があるビジネスパーソンにオススメの一冊です。AIエージェントの「しくみ」「人間との関係性」について本質をついた解説は、刊行から1年半以上経った今もなお、通用すると言えるでしょう。

AIエージェント_2.jpg
【画像①:p14,15】
AIエージェント_3.jpg
【画像②:p72,73】

AIエージェント元年の“いま”、読むべき一冊として

ChatGPTを起点とした生成AIが革命を起こしたのは確かに大きな出来事でしたが、“指示待ちAI”“自律型AI”との違いを本質的に理解できる書籍は、まだ限られています。

本書はその違いを、専門知識のないビジネスパーソンでも理解できるよう丁寧に整理し、AIエージェントの仕組みと実用の両面を解説しています。

今後さらに進化が予想されるAIエージェント。全体像と実装の可能性を今のうちに整理しておくことは、来るべき実務改革に備えるうえで、きっと大きな力になるはずです。

その仕事、AIエージェントがやっておきました。は、その第一歩として最適な一冊です。

本書の著者

西見公宏(にしみまさひろ)

株式会社ジェネラティブエージェンツ 代表取締役CEO
ChatGPTの利活用を中心に大規模言語モデルを活用したアプリケーション開発ならびにアドバイザリーを提供する中で、吉田、大嶋と出会い、株式会社ジェネラティブエージェンツを共同創業。AIエージェントを経営に導入することにより、あらゆる業種業態の生産性を高めるための活動に尽力している。

●著書、執筆記事
⁠その仕事、AIエージェントがやっておきました。――ChatGPTの次に来る自律型AI革命』⁠技術評論社)単著、エンジニア選書『LangChainとLangGraphによるRAG・AIエージェント[実践]入門』⁠技術評論社)共著、⁠現場で活用するためのAIエージェント実践入門 ⁠⁠講談社)共著、Software Design「実践LLMアプリケーション開発」⁠技術評論社)連載。