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クラウド時代を支えるLinux
クラウド・仮想化全盛の時代が到来し,かつてのように,自社内にサーバを用意して管理・運用するといった場面は大幅に減りました。クラウドサービス各社はマネージドサービスの充実に力を入れており,サーバやOSの管理・運用までまとめてアウトソーシングすることも,以前よりはるかに手軽にできるようになっています。
こうしたクラウドの世界では,オープンソースOSの1つ「Linux」が大きな役割を果たしています。クラウド上で動作させるサーバOSとして,ソフトウェアやサービスの開発環境として,Linuxは多くの場面で使われており,現代のITエンジニアにとって必須ともいえる存在になりました。
エンジニアがLinuxを活用するうえでは,各種コマンドの使い方はもちろんのこと,ネットワークやサーバ,セキュリティなどに関する幅広い知識・技術が求められます。こうした知識や技術は一朝一夕に身に付くものではありませんが,Linuxに関する資格の取得を目指して学習するのは有効な手段の1つです。
Linux技術者認定資格「LinuC」とは
Linux技術者としての技術力を認定する資格試験の1つに「LinuC(リナック)」があります。LinuCは,2018年に始まった比較的新しい資格試験ですが,グローバルな展開も行われており,日本だけでなく世界で認められる資格試験の1つといえるでしょう。
LinuCには,レベル1~レベル3の3つのレベルが用意されています。レベルの数字が大きくなるほど扱う内容は高度になります。上位のレベルに認定されるためには,下位レベルの認定が必須となっていますから,最初のステップではレベル1を選択することになります。LinuCレベル1の取得により,Linuxシステムの構築・運用・管理を行えるエンジニアであることを証明できます。
LinuCレベル1を取得するには,101試験,102試験という2つの試験に合格する必要があります。基本的なコマンドの使い方からセキュリティ,サーバ管理業務まで,試験範囲は多岐にわたります。LinuCレベル1の出題範囲を簡単に表にまとめました。
表 LinuCレベル1の出題範囲
試験番号 | 出題内容 |
101試験 | システムアーキテクチャ
Linuxのインストールとパッケージ管理
GNUとUnixのコマンド
デバイス,Linuxファイルシステム,ファイルシステム階層標準 |
102試験 | シェル,スクリプト,およびデータ管理
ユーザインターフェイスとデスクトップ
管理業務
重要なシステムサービス
ネットワークの基礎
セキュリティ |
LinuCレベル1に関する情報は,公式サイトで見ることができます。詳細な出題範囲も掲載されていますので,受験を検討されている場合は必ず公式サイトの情報を確認しましょう。
資格取得という結果はもちろん大切ですが,資格試験のために勉強すること自体,ITエンジニアにとって大きな力となります。LinuCの学習を通じて,Linuxのスキルアップを目指してはいかがでしょうか。