イラストレーター&Live2Dデザイナーのfumi(@fumi_411)さん執筆の『10日でマスター Live2Dモデルメイキング講座』の刊行を記念して,本書に推薦文を寄せていただいた漫画家・リムコロ(@rimukoro)さん,イラストレーター・巻羊(@rollsheeeep)さんをお迎えし,三者鼎談を開催しました。本稿では,その導入部分をダイジェストでお届けします。
自分の描いたキャラクターに命を吹き込む,VTuberとして配信する楽しさを知るきっかけとしてご一読ください。
Live2Dとの出会い
(fumi):専門学校の卒業制作を考えているときに,4Gamer(※1)でイラストを動かすツールがあるという記事でLive2Dを知って,「面白そうじゃん」ってなったのがきっかけです。Live2D社(※2)さんにポートフォリオと卒業制作の企画書を持ってアポを取ってみたところ,「うちでバイトしながらLive2Dを覚えてみる?」とすごい軽いノリで言っていただいて,そこではじめてLive2Dに触れました。当時はマニュアルすらなくて,なんなら人手も足りず(笑),2か月くらい必死でバイトをしながらLive2Dを習得しましたね。まだ,Live2Dを使ったゲームがほとんど出てない頃だったと思うので,そういった意味でも貴重な経験でした。
(巻羊):それは貴重ですね。ソーシャルゲームの流行が「Live2Dを使ってイラストを動かすこと」を一気に広めましたね。
(リムコロ):立ち絵が動く豪華さみたいなものが出てきたよね。それからの「VTuber(※3)」のブームで,ゲームを作る人だけでなくより多くの人に使われていった印象があります。
(巻羊):僕は「ペイントソフト以外を習得しようかなー」と思っていたタイミングで,VTuberを知り,それがきっかけでLive2Dを勉強しました。映像作品を作るのであればLive2Dの公式のマニュアルだけでもわかるかなっていう感じだったんですけど,やりたいことがFaceRigで使えるモデルの作成だったので,ネット上に散らばってるTIPSを拾い集めて独学で作り上げました。ちょうど2年前くらいだったけど,当時は参考にできるところが本当に少なかったです。
(リムコロ):僕は巻羊くんがきっかけですね(笑)。巻羊くんが僕のモデルを作ってくれた後に,自分でも色々とモデルを編集しようと思って,ネットでLive2Dの勉強をしました。そこそこ扱えるようになりましたよ(笑)。
(巻羊):Live2Dはペイントソフトを使っている人ならわかりやすいソフトだと思います。ほかは何を触ってた人だとわかりやすいんだっけ?
(リムコロ):3DソフトやFlash(※4)などを触ってた人がわかりやすいのかなって思います。レイヤーと制御点の概念がわかっている人であれば,すんなりと入れるソフトですね。
3Dにはない良さ
(fumi):Live2Dを知った頃に「サモンナイト5(※5)」でLive2Dが使われていて,黒星紅白先生のイラストがそのまま動いてゲームになってるっていうことにめちゃくちゃ感動したんですよ。昔はどんなキャラデザでも3Dになるとなんか違うよね感っていうのが結構あった。Live2Dの登場で,イラストレーターさんの持つ味,イラストのテイストをそのまま活かして動かせて。Live2Dの一番の魅力だと思いますね。
(リムコロ):最近の3D技術は進化してきましたけど,それでもキャラデザした方のイラストが再現度が高めに動いている・・・という感じではあるんですよね。Live2Dならあの人のイラストが「そのまま」動いている感動があります。
(リムコロ):あと,描く側としても感動が大きいんですよ。
(巻羊):自分がデザインしたキャラを動かすってなったときに,いきなり3Dでやろうとするとハードルが高い。その点,Live2Dは自分のイラストがそのまま動かせる。
(リムコロ):自分のイラストがそのまま動いていて,「めっちゃ可愛い,これやばいな……」ってなるのは,Live2Dだからこそ味わえる感覚です。