販売促進のためのCMS導入、カタログコンテンツを充実
ライトウェイプロダクツ ジャパン株式会社は、GT BicyclesやFELTなど、海外有名ブランドの自転車やパーツ・アクセサリの輸入卸売を行う企業です。
同社では、Webによる効果的な情報発信のためにCMSを導入しました。今回、ライトウェイプロダクツ ジャパン株式会社取締役経営企画室長 高島義人氏、マーケティング 上野梓美氏、制作を担当した株式会社インターワークWeb Service事業部ディレクター岩波全亮氏にお話を伺いました。
手作業による制作の限界
高島氏:そもそも私がWebを担当することになったのは、前任担当者が産休に入ったのがきっかけでした。当時は1ページずつ手作業で制作しており、弊社が取り扱う商品のうち完成車については更新時期がほぼ年に1回ということもあって、すべて掲載できていましたが、数千アイテムあるパーツ&アクセサリについては量が膨大なうえ情報が年中更新されるため、ごく一部しか掲載できていませんでした。もちろんすべての商品を載せたかったのですが、手作業のままでは作業負荷の制約からあきらめざるをえませんでした。何か良い方法は無いものかと情報を収集したところCMSというものがあることを知り、インターワークさん主催のセミナーに参加しました。
岩波氏:セミナーの後にお話を伺い、商品情報が大量であることやレコメンドの導線があることからCMSはWebRelease 2を、またなるべく短期間・低予算で構築するために、弊社が開発した中小企業向けのWebRelease 2用テンプレートパッケージ「INTERWORK EZ-CMS」をカスタマイズするプランをご提案しました。
全商品をCMS化、Web上の品揃え・更新性を高める
高島氏:並行して他のCMS製品やASPサービスなども調査しましたが、大手メーカなどでの導入実績や将来の拡張性、またスケジュールやトータルのコストがリーズナブルであることを評価し、インターワークさんの提案を採用しました。まずアイテム数が3,000以上あり更新頻度も高いパーツ&アクセサリを第1フェーズの対象とし、2008年1月にプロジェクトを開始しました。
岩波氏:今回のプロジェクトは、白紙の状態からサイトを設計してテンプレートを制作するのではなく、EZCMSをベースにいくつかのテンプレートをカスタマイズするという進め方だったので、とても効率良く短いスケジュールで構築できました。EZ-CMSは、特定の業種を対象としたものではなく汎用的に使えるものなのですが、「製品カタログ」といったニーズはあらかじめ想定されていたので、カスタマイズも少なく済みました。
高島氏:2008年4月に、パーツ&アクセサリのCMS化が無事完了しました。その後Web担当は上野に引き継ぎましたが、以降、完成車のページ、販売店様のページ、トップページと段階的に導入を進め、今年の3月に目標としていた全コンテンツのCMSへの移行が完了しました。
結果的には完全移行に時間が掛かりましたが、このように段階的に進めることで、それまでのフェーズで蓄積された経験を次フェーズにフィードバックすることができました。とくに、上野に引き継いでからは、ページの見やすさ、導線のつながりなどが格段に良くなったと思います。
お客様・販売店・社内で商品情報を共有、購買を活性化
高島氏:CMSを導入していくつか効果が見えてきたところですが、いちばん大きいと感じているのは情報の共有です。弊社は商品を直接お客様へは販売せず、すべて販売店様経由で販売しています。ですのでECサイトは持っていません。弊社のサイトはカタログサイトとして商品を訴求していくことがその役割になります。
自転車、とくにパーツ&アクセサリは、情報量が多く更新の頻度も高いので、お客様や販売店様に対してタイムリーかつ正確に情報を提供することが難しかったのですが、今回のCMS導入で少し前進できたのではないかと思っています。実際に弊社内では、Webに掲載している情報がマスターで、かつ最新のものであると認知されています。今後、お客様と販売店様、そして弊社が同じWeb上の情報を共有することで、よりスムースに商品を購入して頂けるようになるのではと思っています。
上野氏:WebReleaseを使ったページ更新は、たとえば、Dreamweaverのようなオーサリングツールと比べても圧倒的に便利です。まとまった情報はCSVで入力して一括でページを生成でき、複雑なリンクもテンプレートの定義どおりに自動生成されます。現在ひと月に数十、海外で展示会があるときには100を超えるアイテムを更新していますが、これだけの量をきちんと管理しながら迅速にWebに反映するにはCMSなしには考えられません。
土台はできた。次はマーケティングに注力
上野氏:PVは、昨年同月と比べて約1.5倍と向上しています。これについては、この1年間で自転車業界全体が注目を集めていることも影響しているかもしれませんが、トップページについては明らかにアクセスが増えています。またPDFのダウンロード数も増加しています。
一方で、現状はまだパーツ&アクセサリのPVがさほど伸びていないので、今後は各ページ間を横断するよう関連リンクを増やし、ポータル的な構造にすることで回遊率を高めてゆきたいと考えています。その結果、お客様の購買意欲を高められるようになればと思います。販売店様向けのWeb EDIからも各商品ページへリンクを張ったのですが、そちらも活用して頂けるよう周知を進めたいです。
高島氏:今はCMSへの完全移行が終わったばかりで、私としてはやっと弊社サイトのバージョン1.0ができたというふうに思っているのですが、今後はサイトの本来の目的であるWebマーケティングに注力したいと考えています。アクセスログの解析をより精緻に行い、それに基づきコンテンツを取捨選択し、導線を改善するといった、PDCAサイクルを短期間で回してゆきたいです。今は比較的簡易な解析ツールを使っていますが、Google Analyticsに興味があります。
また、インターネット上でクチコミを活性化させるために、カタログ情報をブログパーツとして提供するといったことにも関心を持っています。CMSの導入がひととおり終わった今は、さまざまな次の施策が視野に入ってきています。
岩波氏:高機能なログ解析ツールには、ページ中にJavaScriptなどのビーコンを埋め込むものが多いのですが、大規模なサイトでは個々のページのソースにビーコンを挿入するのに膨大な手間が掛かってしまいます。その点、WebRelease化された今のサイトであれば、テンプレートにビーコンを記述するだけで全ページを解析対象とすることができます。またWebReleaseはXMLを生成することもできるので、テンプレートを追加するだけで全商品をブログパーツとして提供できます。高島さんのおっしゃるとおり、今後はいろいろな応用が考えられますね。
編集部:ありがとうございました。
- 製品名:WebRelease 2
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