新型携帯電話の情報をCMSで迅速かつ効率的に配信
NEC mobile は、NEC製の携帯電話端末を紹介するサイトです。情報発信力を強化すべく2009年から2010年にかけてCMSを導入、サイトリニューアルを実施しました。その模様について、日本電気株式会社モバイルターミナル販売推進本部課長 宮内伸晃氏、NECビッグローブ株式会社ビジネス事業部 梶原誠氏、塩野入和哉氏、株式会社ロフトワーク代表取締役諏訪光洋氏、マーケティングDiv.木下里美氏にお話を伺いました。
費用削減と情報の即時性を目標に
宮内: CMSのことは以前から知っていましたが、費用対効果を考えるとなかなか導入を決めるまでには至らず、ページ制作を社外に委託していました。ところがここ数年、携帯電話の機種数増加に伴い、カタログコンテンツはもちろん、ニュースやお知らせ、FAQやキャンペーンなどのページも急増してきており、このまま機種数に比例してコストがかかることを避けるために、CMS導入の検討をはじめました。
またコスト削減だけでなく、即時性を高めることも目標にしました。それまで休日や深夜の更新、緊急性の高いコンテンツの更新も社外にお願いしなければならず大変でしたが、CMSを導入して自社内だけで運用できる体制作りに取り組むことにしました。そして春夏モデルが出て落ち着いたころ、すでにホスティングを利用していたこともあり、ビッグローブさんに相談をしました。
CMS選定はローエンドからハイエンドまで幅広く
梶原: ご相談を受け、ご要望をヒアリングさせて頂きながらCMSの選定をはじめました。今回のプロジェクトでは、サイト全体ではなく、ある程度対象を絞ってCMSに移行することになっていましたが、将来のスケールアップまでを見越して、ブログベースの小規模なものから、スクラッチで開発する大規模なものまで、幅広く製品をリストアップして選定を行いました。その結果、数百ページから数万ページ規模のサイトの導入実績を持つWebRelease 2が第一候補になりました。
CMSの選定と並行して、制作パートナーの選定も進めました。何社かの候補のなかから、CMSの実績が100社以上もあり、Webサイトで詳細な事例を公開していて、大手企業の大規模プロジェクトの経験も豊富なロフトワークさんにお願いすることにしました。またCMSの選定についても、ロフトワークさんの意見をお聞きしてみました。
木下: お話を頂いた時点で、すでにお客様のニーズがしっかりまとめられていたため、CMSの選定はまったく苦労しませんでした。単に費用だけならブログベースのCMSになるのでしょうが、柔軟なワークフローやシンプルな操作性、将来の拡張性や汎用性までを考慮して、私たちもWebRelease 2をご提案しました。
日本電気株式会社 モバイルターミナル 販売推進本部課長 宮内伸晃氏(中央) NECビッグローブ株式会社 ビジネス事業部 梶原誠氏(右から2番目) 塩野入和哉氏(右端) 株式会社ロフトワーク 代表取締役社長 諏訪光洋氏(左端) マーケティングDiv. 木下里美氏(左から2番目)
取材日時 2010年2月16日
デザインはそのままに、更新性向上に注力
宮内: プロジェクトがスタートしたのは2009年8月ごろでした。以前から効果測定を行いながら改善を重ねていたため、サイトデザインはそのままで、更新頻度の高いコンテンツをCMSに移行することにしました。とくにWebRelease 2の特長であるコンテンツの紐付けをうまく活用して、更新性の高いサイトを作りたいと思いました。
梶原: 宮内さんがおっしゃるように元々のサイトの完成度が高く、目に付くような課題がとくになかったため、今回はCMS化する部分についてどのようにコンテンツを紐付けていくか、そのための情報設計に専念することができました。
木下: 微調整はありましたが、サイトの構造やデザインはそのままでテンプレートを開発することができました。イレギュラーなページがとても少なかったため、これまでに経験したCMS導入プロジェクトと比べるととてもスムーズにできたと思います。
できあがったテンプレートにコンテンツを投入し、ご確認とフィードバックを頂くところには時間をかけました。その後、冬モデル分を追加して無事公開することができました。
宮内: 今回のリニューアルで製品ページのCMS移行が終わりました。次は、実際にページ更新など運用フェーズに移ります。現在は次の新機種発売に向け、このサイトの運用に関する勉強会を開くなど準備をしている段階です。今後は、実際にコンテンツを流し込んだりページを作りながら、運用して気になった部分を改修していきたいです。また、製品ページ以外でもCMSの更新性の高さを活かしたコンテンツを提供できればと思っています。
WebReleaseとホスティングをセットにBIGLOBEより新サービス
諏訪: 制作面以外に、今回のプロジェクトのもう1つの特徴として、CMSサーバに高品質のホスティングサービスを利用したことが挙げられます。自社でサーバ環境を構築する場合は、ハード・ソフトの調達やインストール・環境構築の作業が必要になりますし、またあまりにも安価なホスティングは後々の運用が心配です。今回はそのような手間を省きながらリスクも回避でき、制作に注力できたことが大きいと思います。
塩野入: 実はプロジェクトと並行して我々の方でも独自にWebReleaseに対してさまざまなテストやベンチマーク、また他社製品との比較を行いました。その結果、WebReleaseのコストパフォーマンスの高さ、動作信頼性を高く評価し、我々のホスティングとセットにして「CMS All in One for WebRelease 2」という新サービスとして提供を開始しました。
諏訪: Webサイト、とくにBtoCの場合は、サーバのサイジングがとても難しいのです。たとえば5年先のトラフィックやコンテンツ容量を予見する、というようなことは実際には不可能です。その点、必要に応じてスケールできるホスティングは、必要以上に高価なサーバを購入したり、予定外のリプレイスといったことがないので、プロジェクトのライフサイクルで見ればコスト削減になると思います。データも安全に運用できますし、今後は、公開サーバもCMSサーバもホスティングサービスを利用するケースが増えていくのではないでしょうか。
製品名:WebRelease 2
問合せ先:㈱フレームワークスソフトウェア
URL:http://www.frameworks.co.jp/
TEL:03-3547-3676