2007年のウェブデザインについて
ウェブデザインは日進月歩。まさにそう思います。2004年位からCSSも大きく普及し始めました。当初は新しいウェブ構築技術であるCSS・XHTMLを使うことだけでも革新的であったし,他のウェブサイトとも大きく差別化を図ることが出来たと思います。
しかしCMSの普及も相まって,もはやCSSでデザインする事は一般的な技術となり,CSSでデザインする事自体が差別化の術ではなくなりました。
確かに私自身CSSをマスターしたというレベルに全くありませんが,それでも一般的な技術を習得することは可能なわけであり,そういった事を考えれば当たり前の事でもあります。
CSSだけでは差別化出来なくなったウェブデザインはどこへ向うのか? 「Modern Life」には,"かわいらしいイラストやマスコットを使用している。""ダークグレイ基調の背景色に鮮やかな配色をおこなっている。"といった2007年度のウェブデザインの特徴が大きく5つのポイントで記載されています。
それぞれの説明は割愛しますが,私も今年のウェブデザインを見る限り,記載されている通りだと感じています。高度なグラフィック技術を取り入れる事により,今までのウェブデザインの常識を覆すレイアウトを試みている事が伺えます。そういった意味ではCSSも実践から応用の時期にさしかかっていると言う事が出来るでしょう。
もはや飽和状態とも言うべきCSSギャラリーサイトですが,その草分け的存在であるCSS Beautyから探ってみましょう(※1)。
2004年注目されたサイトとしては,以下のサイトがあったと思います。
それに対し2007年注目されたサイトでは,個人的には以下のサイトが印象に残っています。
それぞれのサイトの個性もありますので,一概に語る事は難しいかもしれませんが,2004年の時点のサイトが必要最小限の装飾でシンプル&クリーンに纏められているものが多いのに対して,今年のデザインは,イラストや複雑な背景画像を駆使した,カラフルなサイトが相対的に多いように感じます。
また,ただデコレートするだけではなく,全体のバランスを崩さずに,かつフォントは大きめに設定するなど,
ユーザビリティーに配慮する姿勢も失っていないですね。
業界全体のレベルが高まっていくことは,何よりサービスを受けるユーザーにとってメリットが多く歓迎すべきことではありますが,その一方ウェブ業界で働くデザイナーにとっては,日々スキルを高める必要があり,改めて厳しい業界だと痛感しています。
その一方,美しいコーディングをテーマにCSS HappyLifeで行われたコーディングコンテストも非常に興味深かった事を覚えています。
いずれにせよ,始めにも書いたようにウェブデザインは日進月歩です。したがって今日より明日,今年より来年の方がウェブデザインのクオリティも当然高まるでしょう。
まだまだ発展途上の領域ゆえ,来年の動向も気になります。しかしながら"分からない"からこそ,魅力のある分野でもあるんですね。
2008年のウェブデザイン
そういった2007年のウェブデザインを踏まえ,ここからは完全に私の主観による部分が大きくなりますが,「来年のウェブデザインはどうなるのか?」を考えてみましたが,正直言って一言で言うと分からないです(笑)。
でも当然ですよね? 今は一般的な社会状況を見ても,変化の激しい時代で先が分からないと言われます。
その中でもドッグイヤーと言われるウェブ業界にあっては,より変化を推測することは困難ですし,不可能といっても過言ではないでしょう。しかしだからこそ,私はプランドハップンスタンスで2008年も臨みたいと考えています。
ウェブデザインの魅力は基本的なPCのスペックとツールさえあれば,誰でも気軽にはじめる事が出来ることです。
したがって,優秀なデザイナーは日本国内にも数多いると私は確信しています。
その中の誰かが革新的なサイトをひとつでも産み出せば,それがスタンダードになることも十分あり得ます。
一般論になりますが,人間は無いものねだりの我が儘な存在だと思います。したがって,これほどグラフィックを駆使したデコラティブなサイトが多く出てこれば,同じ事をやっていても差別化には繋がりません。デザイナー側もユーザー側も今までとは違う何かを追い求める事になると思います。
したがって,「原点回帰の傾向が多くなるのでは?」と感じています。無駄な装飾を廃し,純粋に伝えたいことだけを伝える。そういったサイトが多くなると感じていますし,逆にそういったサイトが増えてきて欲しいと感じています。
今年は私も依頼を頂いたサイトは若干制作しましたが,個人のブログサイトの更新は怠けてしまいました。進化するウェブ業界の次の動向を対応するため,何か新しい事に取り組んでいきたいと感じている次第です。
最後に,日々変化する業界に身をおける事は非常に刺激が多く,幸せな事だとも感じています。