デジタルブランドマネジメント

第26回競合ブランドのデジタルストラテジー

競合ブランドはどのようなタッチポイントを使ってターゲットにリーチし、購買へと誘導しているのか? 自社とのパフォーマンスの差はどれくらいあるのか? 競合の動向はマーケティング施策への投資に対する有効な判断材料になります。インターネット上で競合が発信する情報や、消費者の反応から相手の戦略を見出すことができれば、優位性の確立に役立つはずです。

競合ブランドのデジタルストラテジーを知る上で役立つ手法や無料ツールを一例として紹介します。他にも様々なツールが存在するため、カテゴリーによって適したものを選びましょう。

ブランドの検索ボリュームを調べる

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Google Adwordsのキーワードプランナーにブランド名を入力すればおおよその月間検索ボリュームを表示してくれます。どれだけの消費者が積極的にブランドの情報を求めているかを比較することが可能です。Googleトレンドにブランド名を入力すれば、検索ボリュームの変動を時系列で比較することもできます。

トラフィックや広告について調べる

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SimilarWebに競合サイトのドメインを入力すれば週別のおおよその訪問数や、リスティング・ディスプレイ広告の有無、ソーシャルメディアからのトラフィックについて知ることができます。トラフィックの流れから、競合の戦略上重要なタッチポイントを知ることができます。SimilarWebは検索からのサイト訪問の主要キーワードも表示してくれます。これらを先ほどのキーワードプランナーと組み合わせればサイトがどれほどトラフィックを捉えることに成功しているかがわかります。また、GRCという検索順位チェックツールを活用すれば、各キーワードに対してサイトの検索順位を知ることもできます。

競合サイトを確認する

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競合のWebサイトで確認したいポイントは「訪問者に取らせようとしている行動」です。多くのブランドは消費者をWebサイトへと誘導した後に何らかの方法で継続的な接点を確立しようとします。メールアドレスの獲得、ソーシャルメディアアカウントのフォロー、クッキー情報の獲得などが考えられます。ブラウザにGhosteryなどのアドオンを入れていれば訪問時にどのような目的でクッキーを取得しているかを知ることもできます。

サイトから直接購入へ誘導しているケースも考えられます。E-コマースへのリンクやオフラインで使用できるクーポンの有無など、誘導先でのプロモーションの内容も含めて確認しましょう。競合サイトは全体を確認し、消費者にどのような行動を喚起しているかをしっかりと確認しましょう。

公式アカウントを確認する

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Facebook、Twitter、LINE、Youtubeなどのソーシャルメディアの公式アカウントはその影響力やユーザーの反応がオープンになっているためその有効性を簡単に確認することができます。ブランドの公式アカウントはWebサイト同様ユーザーに何らかの行動を喚起しているはずです。FanpageKarmaのような解析ツールを使えば投稿毎の反応数を知ることができ、競合がどのようにソーシャルメディアを活用しているかを知ることができます。

商品を購入してみる

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妥当な金額であれば商品の購入も競合の戦略を知る上で効果的です。チャネルによっては購入後のCRMを受けることもできるため、可能なかぎりブランド独自の、又はブランドが勧める販売チャネルを選びましょう。また、商品パッケージなどからオンラインへと誘導する施策の有無も確認するようにしましょう。

話題性を調べる

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Yahooリアルタイムに競合サイトのドメインを入力すれば、サイトへのリンクを含むFacebook・Twitterへの投稿を表示することができます。更に特定のURLをTOPSYに入力すれば、リンクを含んだ投稿の数を知ることもできます。Webサイトやキャンペーンからソーシャルメディアへの投稿を促す場合、定型文に特定のURLやハッシュタグなどを含めることが多いため、消費者の投稿を読むことでどのような施策が行われているかを推測することができます。

Path to Purchase(購買行動プロセス)に当てはめてみる

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消費者の購買行動プロセスに競合の施策を当てはめてみれば、デジタルマーケティングの戦略を俯瞰してみることができます。競合がどのように集客をし、消費者との継続的な接点を作り、購買へ誘導し、話題を起こしているのか。主な競合のデジタルストラテジーの全体像を知ることができれば、優位性を確立するために何処に投資をすれば良いかが明確になるでしょう。

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