Hosting Department:ホスティングを活用するための基礎知識

第3回ホスティングを利用したWebサイトでのマーケティング

今回は「Webマーケティング」にフォーカスを当て解説します。取り上げるテーマは、SEO/SEM、メールマーケティングです。ホスティングサービスでECサイトを運用している場合などにぜひご活用ください。

SEO-Search Engine Optimization

進歩し続ける検索エンジン

皆さん、インターネットの利用といってまず思い浮かぶのが、GoogleやYahoo!といった検索エンジンではないでしょうか。技術評論社発行の『ネットユーザー白書2008』によれば、現在約82%のユーザが検索目的のためにWebを利用しています。

このように、ユーザにとって、今や「インターネット=検索エンジン」と言えるぐらいの利用率となっています。

検索エンジンを意識したWebマーケティング

この「インターネット=検索エンジン」という状況は、実はユーザだけではなく情報を発信する側、すなわちWebサイト運営者にも当てはまります。とくにWebを利用したマーケティングを行う場合、検索エンジンは非常に高い重要性を持ちます。なぜなら、ある商品をプロモーションしたい場合、検索エンジンのキーワードと連動することでアクセス率を高めることができるからです。

こうした戦略をSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)と呼びます。

SEOを実現する

SEOはその名のとおり、検索エンジンにおける検索用語とWebサイトの連携を最適化するための手法です。たとえば海外旅行をしたいユーザがいた場合、Webで検索するのは「海外旅行」⁠格安航空券」⁠海外ツアー」といったキーワードが予想されます。このとき、旅行代理店のWebサイトにこれらのキーワードが掲載されていれば、ユーザの検索エンジンからのヒット率が高くなります。こうした関係を意識したWebサイト構築がSEOの基本となります。

実際はこれほどシンプルではありませんが、ユーザのキーワードと自分のWebサイトをいかに効率良く連結させるか、それがSEOの第一歩です。

この他SEOの手法として、HTMLの記述の仕方、画像とテキストの配分など、さまざまな方法があります。しかし、単に検索エンジンにヒットするためのサイト構築をしていては本末転倒です。一番大事なのはユーザが何を求めているかを意識し、そのニーズをコンテンツに反映させることでしょう。

SEM-Search Engine Marketing

SEM-包括的な検索エンジンマーケティング

先に取り上げたSEOは検索エンジンに対しての最適化手法です。今回は、そのSEOを含めた包括的なマーケティング手法、SEM(Search Engine Marketing)について解説します。

SEOとSEMの関係

最初にSEOとSEMの関係について見てみましょう。先ほども述べたとおり、SEOは検索エンジンのヒット率を上げ、その結果として売り上げ向上を目指すための手法です。SEOだけで売り上げが伸びるわけではありません。

そこで、実際に売り上げを上げるための手段として検索エンジンを活用するのがSEMになります。簡単に言えば、検索エンジンからWebサイトへ来訪ユーザを増やすマーケティング手法全般のことを指します。その1つにSEOが含まれます。

その他、SEMにはクリック課金型の検索連動型広告マーケティングなどの手法も含まれます。それを実践したのがクリック課金型の検索エンジン連動型広告(Pay Per Click)です。

Pay Per Clickとは?

Pay Per Clickとは、検索結果が表示された後、ユーザがクリックするごとに課金される広告のスタイルです。従来の紙媒体やメールマガジンへの広告出稿に比べて、ターゲットが絞れる、露出した分だけの実広告費で済むといったメリットがあります。一方で、通常の広告出稿に比べて、プロモーションとしての印象が薄い、検索エンジンに依存するなどのデメリットもあります。

現在、日本ではGoogle、Overtureなどの企業が検索エンジンに対応した検索連動型広告を行っています図1⁠。1クリック当たりの価格は変動し、人気のあるキーワードには1クリックあたりの単価が1,000円を超えることもあります。

この他、SEMの手法の1つにディレクトリ登録などもあります。 そしてどの手法にも共通しているのが「検索エンジンをいかに有効に使うか⁠⁠、また、そのためには「検索エンジンの特徴をきちんと把握する必要がある」ことです。

ネットワークインフラが浸透した現在、Webをマーケティングに活用することはどの企業にとっても大切なファクターと言えるでしょう。

図1 数年前から積極的に検索連動型広告を実施しているGoogle。
図1  数年前から積極的に検索連動型広告を実施しているGoogle。
最近はモバイル向けの検索連動型広告も行っている。

メールマーケティング

インターネットでマーケティング

先のSEO/SEMを含め、商品販売のマーケティング戦略として、今インターネットによるものが盛り上がっています。その中でも古くから利用されていて、今でも効果を上げる手法として使われるのがメールを利用したマーケティングです。現在もたくさんの企業が活用しています。

新しい戦略的マーケティング手法

インターネットの普及に伴いメールを利用したコミュニケーションが急増しています。インターネットに接続している時間のほどんどをメールに費やしている人も少なくありません。これに着目し、顧客にメールマガジンやダイレクトメールを配信する戦略的なマーケティング手法を「メールマーケティング」と呼びます。プロモーションやニュースといった目的を持ったメッセージを、以前購入した顧客、特定地域に住む人、特定の年齢層などその内容に合った個人に向けて最適の日時に送信するものです。

メールマーケティングは顧客から簡単にフィードバックを受けられ、時間もコストも削減できることから顧客満足の向上にも役立つ非常に魅力的なマーケティング手法として注目されています。メールを配信すると瞬時に、確実に顧客に届けられるため、タイムリーな情報をいち早く顧客に知らせることができる高い即時性も特徴です。 従来の紙でのダイレクトメールに比べ、メールで配信した場合は約10分の1以下のコストで済むなど、とても安価です。また、Webページ上に広告バナーを掲載するよりも費用対効果にも優れています。

さらに、顧客からの返信も手軽に行えるだけでなく、メールに記載されているURLをクリックすると該当するサイトへ素早くアクセスできる高い誘導性、実際に店舗へ出かけずにすむといった企業と顧客との近い距離感など、双方向性の高い効果が得られます。

最も典型的なメールマガジン

メールマーケティングにはさまざまな手法があります。その最も典型的な手法が「メールマガジン」の広告として配信するものです。メールマガジンの広告は手軽に扱える反面、興味のあるなしにかかわらず不特定多数のユーザに配信されるため、広告効果が十分に発揮できないこともあります。

広告よりも効果的なのがオプトインメールを配信する手法です。あらかじめ顧客が選択したジャンルの広告が複数の広告主から配信され、広告効果と顧客掘り起しを同時に狙えます。ただし、顧客のニーズが変化するため、顧客データベースを頻繁に更新する必要があります。

これらの手法よりもさらに効果的なのは、自社サイトで会員登録していたり、以前に自社のサービスを受けたことがある顧客に対してダイレクトメールを配信する方法です。オプトインメールで自社サイトに誘導し、会員登録を行ってもらい、顧客とした後にこのような手法に切り替えることで顧客を確実に確保できます。この場合でも顧客を飽きさせず、常にインパクトを与え続け、不快感を与えないための文面を作成するなど細心の注意が必要です。

なお、顧客の許可なく営業目的で無差別に送信される迷惑メール、ダイレクトメールなどは一般的に「spamメール」と呼ばれます。メールマーケティングも一歩間違えるとspamメールとみなされて社会的信用を落とす可能性もあるので注意が必要です。また、メールを配信するユーザの情報は個人情報と見なされますので注意が必要です。

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