アサインは突然に
はい、そういうわけでございまして!
サルでき流企業サイトの作り方、第2回を迎えました。いきなりのマンガ始まりで何が何だかというアナタは前回の記事をダッシュで読んで戻ってきてくださいね。
さてさて。今回ウミネココーポレーションは、突然の人事異動に動揺しまくりのメンバー一同です。彼らほどではないにしても、新しい仕事のアサインってある日突然やってくるものですよね。きっと皆さまの中にも似たような経験がある人、少なくはありますまい。
動揺する彼らを尻目に、社長は「Webサイト作り」を命じます。そこそこ規模がありそうな雰囲気の会社に、ちゃんとしたWebサイトが今までなかったというものどうかと思いますが、それを未経験のメンバーにやらせようとするのもずいぶんと思い切った社長です。
……なーんて、小さ目の会社ですとリニューアル案件なんかで案外ありがちな話だったりしますが。それでは、今回は彼らが一番最初に悩みそうな、企業サイトって一体ナニヨ?ということについてお話をしていきましょう!
企業サイトってどういうもの?
企業サイトとは、「企業が自社の活動内容を広く伝えるために、開発・運用しているWebサイト」である。以上終わり。
……おおお、まるでゲリラ豪雨のような皆さまからのココロの罵声が聞こえてきました。そうですね。そうでした。「ソレでわかればこんな連載まったくラフランス」なのでした。嫌だなあ。冗談ですって。えーと。
比較対象があったほうがわかりやすいですよね。では個人サイトと何が違うのか、という観点から、企業サイトを噛み砕いていきましょう。
個人サイトは「個人が作って個人が運用しているもの」で、企業サイトは「企業が作って企業が運用しているもの」です。
……まだ「だからどうした?」という声が聞こえていますね。いやいや、意外とこの違いは大きいのですよ。
まず最初にコンテンツが違ってきます。そして集客へのプレッシャーが違ってきます。さらにはメンテナンスが違ってきます。
おっ、コンテンツとかメンテナンスとか、なんだかそれっぽい言葉が並んでますよ。こういう「なんだかよくわからない業界用語風横文字」があまり好きじゃない方もいらっしゃるかと思いますが、書籍等でもよく出てきますし、せっかくですので「サルでき流解釈」で慣れていただきましょう。
コンテンツの違い
さて、最初の違い。コンテンツです。コンテンツって言うのは、英語の意味的には「中身」とか「内容」というものなんですけど、IT関連に限ってやたらと出てくる言葉です。もはやIT用語と言ってもいいかもしれません。中身、ですので、Webサイトで言えば、要はどんなネタを用意するかということになります。
個人サイトでは、趣味がネタになることが多いですよね。「音楽とワタシ」とか「フットサルの戦術論」とか「萌えろマンガアニメ」とか。ブログでは更に日常に密着して「上司への倍返しだ」とか「今日もノンアル酩酊」とか、そういうことがネタ、つまりコンテンツになります。
では、企業サイトとなるとどんなことがネタになるでしょう?
- 「会社概要」「代表メッセージ」「サービス( 商品) 案内」「アクセスマップ」「採用情報」「お問い合わせ」
……あれ。なんだかすごくどこかで見たことあるラインナップになりましたよ。うーん、まあ……そうですね。別に間違ったコンテンツ構成ってわけじゃないですよね。ユニークで面白そうなサイトという雰囲気は伝わってきませんが、間違ってはいません。こんな感じです。
そう、企業サイトは個人サイトと違って、ある意味基本パターンが決まっています。その昔、Webデザインのエラい人がこんなことを言っていました。
「ユーザは9割以上の時間を“アナタのサイト以外のサイト”で過ごしていることを忘れてはいけない」と。
あまりに独創性豊かなサイトを作ってしまうと、「面白い」と思われる前に「(他と比べて)何このサイト? 」と思われてしまう可能性が高くなります。個人サイトなら「個性」で済むかもしれませんが、企業サイトとなると「信用」の問題がありますので、そういうわけにはいきません。
基本パターンと独創性。シッカリしている部分とユニークな部分。企業サイト作りにおけるコンテンツ検討のポイントは、このバランスをどうやってとっていくか、ということになります。
集客へのプレッシャーの違い
さて、次の違いは、集客へのプレッシャーです。出た、集客。横文字にすると「アクセス」なんて言葉になります。企業サイト担当者が一番見たくない言葉はコレじゃないかと思います。読んで字のごとく、お客様を集めることです。
最初にワタシ的正直な感想を言ってしまうと、ほとんどの企業サイトは、個人サイトに比べて集客が弱いように思います。山ほどお金をかけて作った企業サイトの数倍数十倍の規模で集客している個人のタダブログ。なんて構図を実にあっちこっちでよく見かけます。
理由はさまざまありますが、先ほどコンテンツのところで書いた「ネタ」の問題が少なからずあると思います。ある意味「なんでもアリ」の個人サイトに対して、「お作法に則っている」企業サイトは、つまらなくなりがちなのです。
想像してみましょう。
皆さま、毎日必ず見に行く「個人サイト」と「企業サイト」、どっちが多いですか? 企業が運営母体になっているニュース系サイトはちょっと脇に置いておきましょうか。
そうすると、ほとんどの方は個人サイトのボロ勝ちになってしまうのではないかと思います。
もちろん企業サイトは「商売」という明確な目的がありますので、ただ単に「ウケを狙って誰かれ構わず数を集めればいい」というわけではありません。
ですが、社長さんをはじめとする会社の経営者さんもそこは人の子。「最低限売れるなら少ないアクセスでも良い」とは言ってくれなかったりします。「アクセスはないよりもあったほうが潜在的な顧客につながるだろう」って、無理難題を言い出すのです。
制限されたネタ、堅苦しいお作法の中で、どうやって集客につなげていくか。致し方ないことではあるのですが、企業サイトの集客は、企業サイトだからこその難しさがあります。
メンテナンスの違い
最後の違いは、メンテナンスの違いです。車のメンテナンス、なんて感じで耳にする言葉ですね。「整備」とか「保守」とか、そういう意味があります。Webサイトで言うと、要はどうやって日々面倒を見ていくかということですね。
~~言い訳開始( 読み飛ばし可)~~
あ、ちなみに。今回お話する違いは3つだけですが、違いは他にもたくさんあります。今回3つしかご紹介しないのは連載スペースの関係なのです。コレ以上書くと長くなりすぎてしまうのです。命拾いしましたね、皆さま(とワタシ)。どこかでまたあらためてご紹介します。とは言え、この3つは非常に大事な3つですので、今はこれだけしっかり覚えて下さいね。では、メンテナンスのお話に戻ります。
~~言い訳終了~~
企業サイトが個人サイトとわかりやすく違うのは、メンテナンスするのが個人ではなくて企業である、ということだったりします。
我らがウミネココーポレーションもそんな感じになりそうな雰囲気がプンプンしていますが、担当者がチーム単位、つまり、複数になる可能性がある、ということですね。
1つのWebサイトを1人で面倒を見るのと、複数で面倒を見るのでは、気をつけなければならないポイントが大きく異なります。
1人で何もかもやってしまうのでしたら、個人のクセ丸出しで各種設定を行ってもそれほど大きな問題にならないのですが、複数の場合はそうはいきません。
「チーム」という横のつながりで考えた時には、誰がなんの作業をいつどうやるか、役割分担をスムーズに行うための5W1H的なルールが必要になってきますし、「時間」という縦のつながりで考えた時には、担当者が退職、というような不測の事態を考えて、いつでもバトンタッチができるよう文書化も必要です。
うわぁスゲェ企業っぽい。サイトがどう、というより、企業として行う活動ですので、組織としての煩雑さがメンテナンス面ではモロに出てきます。
いかにシンプルでわかりやすいルールを作っていくか、そこが長い目で見るととっても大事です。
まとめ
いかがでしたか? 企業サイトと個人サイト、いろいろ違いましたね。企業サイトは何やら大変そうな雰囲気です。ズッシリと胃が痛い。
ですが、3つの違いをこんな感じに読んでみましょう。「メンテナンスを楽にして、楽になったぶんでコンテンツにチョットだけ独創性を加え、加えた独創性で集客につなげる」。
……ふむふむ。なんとなく線が見える気がしませんか?
では、その最初の一歩の「メンテナンスをどう楽にしていくか」ということについて、この連載のもう1つのテーマ、WordPress(ワードプレス)を通してお話していきましょう。
おっと。
と、いうところで終了の時間です。
ではでは、今回はここまで!
次回をお楽しみに~ 。