こんにちは。モデレーターのカネダヨシアキです。
3月8日(土)にWebSig会議 vol.34「Webディレクター必見!プロジェクトを成功に導く、オンラインツール活用トラノマキ2014」と題して、今年第1回目のWebSig会議が開催されました。
今回のWebSig会議 vol.34では、現在の分業化(チーム体制)が主流のWeb制作・運用においてプロジェクトを進めるうえで欠かせないオンラインツールに注目し、ベンチャー企業や受託企業のケーススタディを通して活用方法や留意点、チップスの共有がメインのテーマでした。
ベンチャー企業にとってのオンラインツールの活用と押さえるべきポイント
スピード感が命のベンチャー企業にとって、エンジニアの生産力をいかに効率良く高めるに重点を置くことが昨今、大切だと言われています。ただし、開発者=プロジェクトリーダーならともかく、一切のコミュニケーションを遮断して良いのかというそういうわけにもいきません。
正しい情報を伝え、オンタイムでの確認や周知はプロジェクト進行には欠かせない中、
株式会社nanapi 齊藤氏のセッションでは、会社が社員やサービス数の増大により生産力とコミュニケーションコストが比例して上がる傾向がある中、プロダクト開発、セールス/PR活動、社内ナレッジなどにフォーカスし、それらをオンラインツールで補完する方針でChatWork、Backlog、Team Quiitaなどを活用されているとのことでした。
社内で主に使われている各ツールもそれぞれでの使い分けを明確にされているとのこと。
即時のレスポンスが必要なもの。ログとして残し共有するためのもの。社内でのQ&Aをナレッジとして資産化するなど個々に工夫がされており、また、社員一人ひとりが主体性をもって工夫をしている姿勢が個人的に印象深かったです。
とはいえ、オンラインツールのみに依存せず、オフラインでの社内の交流にも配慮されているとのことで、コミュニケーションに対するコストを明確に捉え、問題解決としてオンラインツールの活用に取り組むという姿勢が大事なのだなと強く感じたセッションでした。
続いての株式会社ソニックガーデン倉貫氏のセッションもさらに興味深く「100%アジャイル開発」を掲げ、いかにオンラインツールで無駄のない開発を実現するかがテーマでした。
納品のない受託開発=アジャイルでのサイト運営がメインのビジネスモデルでは、マイルストーンの設定期間を短くする工夫をした結果、短期で社内開発の生産性の集中力を高めることに成功されているとのこと。
短い期間であるからこそ、やるべきタスクが明確化され、またレスポンス早く、かつ開発エンジニアが集中できる環境を確保するかの点で「youRoom」や「Remotty」などの自社開発ツールも含めて取り組まれていました。
倉貫氏も繰り返し話されていましたが「ツールに使われない。ツールの本質を問う」「小さなチームで大きな成果」の姿勢を持つことでロスの少ない開発環境を実現させているのでしょう。
前半の2セッションは自社サービスやサイト運営が主なベンチャー企業の例がメインでした。
どちらも共通して言えるのが「いかにコストをかけないか」「エンジニアの生産性の最大化」といったところ。生産性=売上の構造だからこそ企業努力として明確ですし、場所や時間といったオンラインツールで補完しやすい部分へのアプローチも積極的に行われているようです。
その一方でオフラインでのコミュニケーションも粗野にせず、目的に準じ適材適所で使い分けている面も無視できません。チーム間で何が問題でどうやって解決するかの共有と、導入時のファシリテーションの動機付けがあってこそ、ツールは活きるもの。
自社サービスやサイト運営ならではの試行錯誤の中で徐々に浸透してきたナレッジなのだと強く感じました。
次回は、受託企業での例をメインにオンラインツールの理想と現実についてレポートしたいと思います。お楽しみに。