いま、見ておきたいウェブサイト

第55回Bijostagram、Gmail Motion BETA、retime.me

桜が咲き誇り、長かった花粉症のモヤモヤ感ともお別れして、非常に気持ちの良い日が続いている今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた、素晴らしいサイトの特徴をいくつかお話したいと思います。

写真の海から、美女を探せ

Bijostagram - Cute Girls on Instagram

iPhone用の写真共有アプリinstagr.amから、女性の画像だけを収集して表示するウェブサービス『Bijostagram』です。

投稿された女性の画像だけを表示する『Bijostagram』
投稿された女性の画像だけを表示する『Bijostagram』

credit:友部 博教

ウェブサイトにアクセスすると、⁠instagr.am」から自動的に女性の画像が集められ、画面全体に表示されます。時間の経過とともに、表示される写真が次々と入れ替わります。

制作者である友部博教さんのBlogによれば、⁠instagr.am」のAPI(Application Program Interface)を使って画像などを収集し、写真の判定を行っているとのことです(詳しい判定の仕組みや制作の経緯はきれいなおねいさんのあつめかた:Bijostagramのはなし。を参照してください⁠⁠。

世界を広げる“公式API”

「instagr.am」はiPhone用の写真共有アプリのため、ウェブブラウザなどを使って「instagr.am」の機能を利用できませんでした。このため、PCから直接アクセスできるようにする、有志による⁠非公式のAPI⁠が公開されたりしていましたが、2011年2月末に公式APIデモページが公開されました。

PCから「instagr.am」の写真が閲覧できる『Webstagram』
PCから「instagr.am」の写真が閲覧できる『Webstagram』

その後、ブラウザで写真の閲覧だけでなくコメントもできるWebstagramや、人気のある写真をスクリーンセーバー風に表示するInstarium⁠、投稿した写真をステッカーにできるInstagoodies!など、公式APIを使用したウェブサービスが次々に登場しています。

ウェブサービスのAPIを使用する場合にはデメリット(APIの機能変更などの影響が大きい)もありますが、⁠instagr.am」の例を見ると、圧倒的にメリットの方が大きいようです。今後もこうしたAPIの使用による多彩な派生ウェブサービスに期待したいと思います。そして何より、こうしたサービスを生み出す元である公式APIの提供に、ユーザーの一人として改めて感謝したいと思います。

メールは体でする時代

Gmail Motion BETA

“ボディランゲージでGmailを操作する⁠という、Googleが開発した最新技術を紹介するウェブサイト『Gmail Motion BETA』です。

Googleが開発した最新技術「Gmail Motion」を紹介している
Googleが開発した最新技術「Gmail Motion」を紹介している

ウェブサイトで紹介されている「Gmail Motion」は、Gmailの新しい機能として追加されたもので、Googleのモーショントラッキング技術とボディランゲージを使うことで、Gmailのさまざまな操作が可能になったことを説明しています。

「Gmail Motion」の仕組みを解説した映像も用意されている

「キーボードやマウスを使用したメールの操作は時代遅れ」というGoogleのメッセージを受けて、早速やってみようと画面右上にある「Try Gmail Motion」ボタンを押してしばらく待つと画面には大きく⁠April Fools!⁠の文字が。この『Gmail Motion BETA』は、Googleによるエイプリルフールの冗談だったのです。

エイプリルフールの冗談が楽しめるということ

もう一つ、個人的に気になったエイプリルフールのウェブサイトを紹介しておきましょう。

RE-35 | Digital cartridges for analog 35-mm cameras

“架空の⁠35mmフィルム型の撮影素子カートリッジ「RE-35」を紹介している
“架空の”35mmフィルム型の撮影素子カートリッジ「RE-35」を紹介している
credit:Rogge & Pott

ウェブサイトでは、フィルムカメラに装着することで、デジタルカメラと同じように撮影ができる35mmフィルム型の撮影素子付きカートリッジ「RE-35」⁠現在開発中⁠であることが発表されていました。⁠愛着あるフィルムカメラがデジタルカメラとして復活する」という期待と、ウェブサイトがしっかりと制作されていたことなどから、本当に開発中なのかと大喜びした人たちも多くいたようです。

今年のエイプリルフールは、海外の事例が目を引く結果となりました。先日の東日本大震災を受け、日本国内では、例年通りのエイプリルフールのために用意された企画やウェブサイトの公開を自粛する動きが多く見られたためです。

仮にこれらの企画やウェブサイトが公開されていたとしても、心から笑える状況ではなかったでしょう。改めて、平穏無事な環境の下でこそ、エイプリルフールの冗談が楽しめるということを感じました。今は日本にもう一度、そうした穏やかな日々が戻ってくることを、心から待ち望んでいます。

みんなの話題は、もう逃さない

retime.me

Twitterのタイムラインから、さまざまな情報を抽出・整理してまとめてくれるウェブサービス『retime.me』です。

Twitterで話題の記事を時間ごとにまとめてくれる『retime.me』
Twitterで話題の記事を時間ごとにまとめてくれる『retime.me』
credit:ピクシブ株式会社

『retime.me』では、24時間以内にTwitterのタイムラインで話題になった記事(リンク)や写真、動画などが、1時間ごとに整理されて表示されます。

記事などの各コンテンツが、1時間ごとに整理される
記事などの各コンテンツが、1時間ごとに整理される

各コンテンツは、フォロワーの間でつぶやかれた回数の多いものから表示されるため、タイムライン上で話題になった情報を簡単に確認できます。

より重要視される「リンク」

Twitterではフォローする人数が増えてくると、タイムライン上に流れる情報すべてを閲覧するのが非常に困難です。この問題は、リスト機能やフォローする人数の厳選などである程度は解決できるのですが、根本的な解決には至りません。

このため、以前紹介したタイムラインの情報からユーザー専用の新聞を発行するpaper.liが2011年2月に日本語に対応したり、一日の記事を5つだけにまとめてくれるSummifyが登場したりと、手軽に話題をまとめてくれるサービスが人気を集めています。

たった5つの記事を選択してユーザーに提供するサービス『Summify』
たった5つの記事を選択してユーザーに提供するサービス『Summify』

また、タイムラインに含まれるリンクをより分けてくれるiPhoneアプリsmartrなど、つぶやかれた「内容の価値」よりも、つぶやきに含まれる「リンクの価値」に重きを置いたサービスも生まれています。

Twitterは各ユーザーがリアルタイムで発信する情報を共有するソーシャルメディアですが、24時間365日、途切れることなくTwitterのタイムラインを見ていることは誰にもできません。そのため、個人の趣味やライフスタイルに合わせた情報閲覧サービスが、今後も誕生してくるでしょう。各個人が多彩なサービスを使い分けることで、より質の高い情報収集が可能になる日も近いのかもしれません。

というわけで、今回も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。それでは次回をおたのしみに。

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