いま,見ておきたいウェブサイト

第120回 Grid 日本語版,MTV - RULE SWITCHER,Get Comic Neue

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あっという間に桜と花粉の季節が過ぎ去って,気がつけば,晴れ晴れとした気分でゴールデンウィークのことばかり考えている今日このごろ,皆様いかがお過ごしでしょうか。今回も個人的に感じた,素晴らしいサイトの特徴をいくつかお話したいと思います。

レスポンシブ・ウェブ・デザインの基本

Grid 日本語版

レスポンシブWebデザインの考え方や構築方法を説明したウェブサイト,⁠Grid 日本語版』です。

図1 ⁠Grid 日本語版』

図1 『Grid 日本語版』

『Grid 日本語版』は,アメリカ・シカゴの8th Lightに勤務するデザイナー,Adam Kaplanによって制作されたGridの日本語版です。岡山県でWeb制作会社に勤務している前川昌幸さんが翻訳を担当しており,ここ数年話題となっている「レスポンシブ・ウェブ・デザイン」に関する考え方や基本的な構築方法が,簡単にわかりやすく説明されています。

有用な情報提供の後ろにあるもの

海外にあるデザイン,Webに関する技術を扱ったウェブマガジンなどから,掲載されている記事をピックアップして紹介するウェブサイトが,日本でも人気を集めています。特に,デザインなどで困ったときの対処方法やアプリケーションのTipsなどを紹介したものは,検索結果でもよく登場することを考えると,多くの人の役に立っているのではないかと思います。

図2 正式な許可を得て公開されている『ニールセン博士のAlertbox』

図2 正式な許可を得て公開されている『ニールセン博士のAlertbox』

じっくりと読まれるような長文や,海外のウェブマガジンや有名なサイトの記事が,丸ごと翻訳される事例も増えています。個人的にも利用しているニールセン博士のAlertboxのように,正式な許可を得てしっかりと翻訳されたコンテンツは,読み応えもあり,非常に役に立っています。今では少しだけ探す努力をすれば,多くの有用な情報にたどり着けることが増えてきており,海外のウェブサイトから苦労して情報を集めていた筆者の経験からすると,本当に良い時代になってきたなと感じています。

『Grid 日本語版』のような長文のコンテンツの翻訳には時間もかかりますし,翻訳したからといって何か確実な報酬があるわけでもありません。こうした個人的な無償の社会貢献にたいして,翻訳者の方に感謝を申しあげると共に,翻訳されたコンテンツの内容をしっかりと理解して,今後の仕事の中で生かせるよう努力していきたいと思います。

明るいのと暗いの,どっちがお好き

MTV - RULE SWITCHER

両親と一緒に生活する若いカップルの潜在的な重圧や感情をドキュメンタリー形式でフィーチャーするMTVの新番組,⁠Sleeping With The Family」のプロモーションサイト,⁠MTV - RULE SWITCHER』です。

図3 ウェブカメラを利用している『MTV - RULE SWITCHER』

図3 ウェブカメラを利用している『MTV - RULE SWITCHER』

credits:MTV World Design Studio Buenos AiresR/GA Buenos AiresMissing Cat

ウェブサイトではウェブカメラを利用して,ユーザーの部屋の明るさを判断し,部屋の明かりが点いている時にはおとなしく,部屋が暗くなれば…というように,部屋の中にいる若いカップルの振る舞いを大きく変化させます。部屋の明るさで変化するカップルの姿がついつい気になり,ユーザーが自分の部屋の明かりをつけたり消したりしてしまう内容となっています。

図4 ユーザーのいる部屋の明るさに応じて,コンテンツが変化する

図4 ユーザーのいる部屋の明るさに応じて,コンテンツが変化する

得た情報を,どうコンテンツに生かすか

「ウェブカメラを利用してコンテンツに変化を与える」という仕組みは,この連載の中でも数多く紹介してきました。最近では,ウェブカメラから得た映像の情報を解析することで,より複雑な動きや変化をリアルタイムに実現するコンテンツが増えてきています。

この『MTV - RULE SWITCHER』でのウェブカメラの使い方は,実にシンプルです。ウェブカメラでPCの前にいるユーザーの部屋の明るさを判断して,条件に応じたコンテンツを提供するだけですが,実際のユーザーの環境とウェブサイト内の環境が同期するため,ユーザーに行動を促し,コンテンツとの一体感を強めるという強い効果を生み出しています。

ウェブカメラから得た"明るさ"の情報だけでも,コンテンツの面白さを十分に伝えられることを教えてくれるこの事例。得られた情報をコンテンツと上手に掛けあわせることで,より面白く,より効果的に変化させる方法がまだまだあることを,改めて感じさせられました。

著者プロフィール

Lançamento(ランサメント)

国内外のウェブサイトを日々紹介する Blog『Lançamento』を運営する,自称“フリーランスという名の無職”。目指すは“エクスペリエンスデザイナー”(O'REILLY『Web情報アーキテクチャ』11ページ参照)。2008年の“ジェフの奇跡的な残留”を目の前で見たサッカー好き。

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