Windows 8に学ぶ次世代ユーザエクスペリエンス

第2回Microsoftによる次世代インターフェース─Modern UI

Windows 8の今までのWindowsと最も異なる点は、そのインターフェースのデザインです。Windows 95からWindows 7までは、バージョンアップのごとに、多少の視覚的変更は行われましたが、基本的なボタンの位置や、機能、レイアウトに統一性がありました。しかしながら、今回のWindows 8のリリースでは、OSのインターフェースの根本的な見直しを行い、モバイルやタッチデバイスを念頭においた、大幅な作り直しがされました。最も特筆すべき点は、パソコンとモバイルのUIの統合で、マルチデバイスを日々の生活で活用する現代のユーザに対して、デバイス間でのユーザエクスペリエンスの統合を図っています。

画像

今回採用されたUIはMondern UIと呼ばれ、フラットなデザインと文字要素を活用したタイル型パネルが特徴です。それに加え操作時のスムーズなトランジションも今までのWindowsではあまり感じなかった⁠オシャレ感⁠を演出しています。その一方で、既存のWindowsユーザからは今までとはあまりにも使用感が異なるため、使用時の違和感から、多少なりとも批判の声も出ています。

Modern UIの長所
  • スムーズな使用感
  • セキュリティ面の向上
  • バッテリパフォーマンスの向上
  • ブートスピードの向上
  • タッチデバイスへの最適化
Modern UIの短所
  • スタートメニューの欠如
  • 旧型デスクトップの欠如
  • 非タッチデバイスでの使いにくさ
  • CPU利用量の高さ
  • 旧Windowsとの違和感

それでは、このMondern UIにおける3つのポイントを見てみましょう。

1.デスクトップ全体がユーザごとにカスタマイズされるタイル

今までのWindowsでアプリケーションを起動する際には、画面左下のスタートボタンをクリックし、リストから、起動するアプリケーションをクリックしました。ところが、今回のWindows 8のModern UIでは、スタートアップボタン自体を廃止したため、アプリケーションを起動する際には、基本的にデスクトップ上のパネルをクリックすることになります。

また、そのデスクトップ上に表示されるのは、アプリケーション用のパネルに限らず、ソーシャルメディアやニュースサイトを中心としたWebサービスからの情報パネルも含まれます。それにより、Windows 8でのデスクトップは、利用するアプリケーションのパネル+jパーソナライズドダッシュボードとしての、スタートスクリーンとなっています。

画像
画像

2.カラフルにカスタマイズ可能なデスクトップテーマ

Windows 8 のデスクトップの色とデザインは複数のカラースキームでとまるでタトゥーを連想させる背景イメージで構成されたテーマを設定することでカスタマイズが可能です。そのデスクトップテーマは、動物、メカ、音楽の他に幾何学的なものもあり、搭載されるパソコン、タブレット、スマートフォンデバイスやケースのデザインに合わせ、スタイリッシュなカスタマイズが可能です。そして、デザインテーマは大画面のパソコンから小さなスマートフォンまで、あらゆるスクリーンサイズのデバイスをカバー可能に作られています。ちなみにその理由から、スタート画面に対しては、ユーザ自身の写真の利用が不可能になっています。

画像
画像

3.スタートスクリーンのナビゲーション方法

Windows 8のデスクトップパネルは、iOSやAndroidのように複数のアイコンをドラッグ&ドロップすることでグループ化することが可能です。また、デスクトップのパネル上では、インストールされている全てのアプリケーションが表示されるわけではないので、Windows 8でのナビゲーション方法は、少々慣れが必要になります。

デスクトップに表示されていないアプリケーションを見つけるには、右クリックもしくは、画面下部をスワイプすることで、すべてのアプリケーション表示を行います。そこで表示されたアプリをデスクトップパネルに追加することが可能です。もしくは、検索機能でアプリ名から起動することも可能。また、スタートアップ画面は、ピンチを行うことでズームイン、アウトが可能。たとえばズームアウトすることで、横長に並んだタイルを一斉表示することもできます。

画像
画像

次回はModern UIのもうひとつの特徴であるチャームバーに関して説明します。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧