Webゆえに考える テキスト編集のテクニカルコンセプト

第4回 可読性を高める(3)"音のつながり"をきれいにしよう

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同じ形を3回以上繰り返さない

文中で同じ音が何度も繰り返されると,しつこくて"耳障り"です。連続して同じ音でつながない,同じ文末表現を繰り返さないように気を付けましょう。筆者の経験では,3回以上同じ形が連続する部分は,誰が読んでもしつこさを感じるようです。

【例】
連続して同じ音でつながない
「あなた指定ジャンル新譜CDを毎週お届けします」
⁠あなた指定したジャンル新譜CDを毎週お届けします」
同じ文末表現を繰り返さない
  • 「小腹が空いたときにピッタリの量になっています。たった5分で出来たてのおいしさを再現します。カロリー控えめでダイエットにも向いています。」
    ⁠小腹が空いたときにピッタリの量になっています。たった5分で出来たてのおいしさを再現。カロリー控えめでダイエットにも効果的です

修飾部/被修飾部の配置に気を付ける

修飾部はメッセージの「どんな・何が」における「どんな⁠⁠,被修飾部は「何が」の部分のことです。修飾部が被修飾部の意味を詳しくすることで,説明は具体的なものになっていきます。

もし修飾部と被修飾部が離れていたり,記述する順番がまずいと,頭の中で意味のつながりを整え直すことになり,結果として閲覧のリズムを崩します。ひとまずは「修飾部はそれが直接修飾するものに近づける」⁠並列する修飾部が2つ以上ある場合は長いものから順に書く」この2点に気をつけて配置しましょう。

【例】
修飾部は被修飾部と近接させる
  • 明確な,弊社の特徴は・・」
    ⁠弊社の明確な特徴は・・」
長いものから順に書く
  • 「一般的な,あらかじめストックされた商品を加工する製法とは異なり・・」
    ⁠あらかじめストックされた商品を加工する,一般的な製法とは異なり・・」

長い括弧書きの挿入は避ける

説明の意味を補足するために,文中に括弧書きの説明を挿入することがよくあると思います。しかし,日常会話では括弧書きを使うような話し方はしません。あまり長い説明を挿入すると説明が間延びしてしまいますので,難しい言葉の注釈であったり,引用文の引用元を紹介するようなやむを得ない場合を除いて,括弧書きを使うのは出来るだけ避けるようにしましょう。

冗漫な表現を削る

同じ意味の言葉を重ねてしまったり,無くても意味が通じる言葉を間に挟んでしまうといった冗漫な表現も,"間延び"の原因となる要注意ポイントです。削れる言葉は無いか,もっと短く言い換えられないか,よくよく見直しておきましょう。

【例】
同じ意味を持つ言葉の重複を無くす
  • 「8/1~8/31の一ヶ月間に限り~」
    ⁠8月に限り~」
無くても意味が通じる言葉を削る
  • 「~することが出来ます」
    ⁠~出来ます」

まとめ

以上3回にわたり,文章の可読性を確保するための初歩的な注意点をいくつか紹介してきました。後半2回の内容は,ツールなどを用いて機械的にチェックすることも出来るのですが,それはあくまで基本が身に付いていてのこと。はじめから全てを頭に入れて作業に臨む必要はありませんので,簡単に出来そうなことから少しずつ取り組んでみてください。大体数千~一万字も経験を積めば,あえて"乱文"を書こうとしても,もはや書けなくなっている自分に気付くはずです(ツールについては連載の終わりの方でお話ししたいと考えています⁠⁠。

著者プロフィール

松下健次郎(まつしたけんじろう)

Webを中心に活動するフリーランスの編集ライター。自著に"プロフェッショナルWebライティング"(技術評論社)がある。バイクとお酒をこよなく愛する子年生まれの乙女座O型。

ブログ:松下健次郎のブログ