Webゆえに考える テキスト編集のテクニカルコンセプト

第7回 好まれる"話し方"でユーザに接しよう

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なれなれしすぎず,へりくだりすぎない態度

相手を立てる/敬意ある態度で話すことは,ビジネス会話の基本中の基本です。一方で,なれなれしい/くだけた態度で話すことにも,距離感を縮め,心の中に入りやすいというメリットがあります。どのような態度でユーザーに接するのが正解かは一概に言えませんが,例文のように,接続詞と文末表現を言い換えるだけでもかなり調整できるので,いろいろな形を試してみましょう。もちろん,どんなケースでも,誰もが不快に感じる過度な敬語表現は禁物です。

図4

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熱すぎず,淡泊すぎない態度

ユーザーの心を動かすには,適度な熱意が必要です。あまりに熱心に商品を勧めてくるセールスマンはうっとうしいものですが,あまりに淡々とした態度で応対されても,せっかく芽生えた購買意欲が冷えてしまうものです。これもまた"正解"の見えにくい要素ではありますが,例文のように,感嘆詞や感嘆符の数を調整するだけでも随分変わるので,いろいろな形を試してみましょう。もちろん,どんなケースでも,誇大広告に見えるほど暑苦しくしてしまうのは禁物です。

図5

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ターゲットについて十分理解しておく

ユーザーのことを十分理解しないまま書いた文章は,どうしても独りよがりな表現に陥りがちです。似たようなユーザー層をターゲットとする情報(雑誌・Webサイト・テレビ番組など)に目を通しておく,ターゲットとするユーザーに直接会って話をしてみるなど,ターゲットが普段どんな言葉を使い,何を考え,どんな相手を好むのか,実際のところを良く理解してから執筆に入るようにしましょう。少なくとも,ターゲットすら決めずに執筆に入るのだけは厳禁です。

演じる人物像を具体的に設定しておく

より積極的には,ユーザーに対して最も効果的,かつ自分が演じることの出来るパーソナリティを設定してから執筆に臨むと良いでしょう。常に「その人物ならどう言うか」と考えながら書くことで,一言一句の迷いも減り,部分部分での表現のブレを減らすこともできます。はじめのうちは,だれか"著名人"に例えておくと筆が進みやすいでしょう。独自のキャラクターを用意して,そのキャラクターがユーザーに"話しかける"ような形のコンテンツにするのも上手な方法と言えます。

著者プロフィール

松下健次郎(まつしたけんじろう)

Webを中心に活動するフリーランスの編集ライター。自著に"プロフェッショナルWebライティング"(技術評論社)がある。バイクとお酒をこよなく愛する子年生まれの乙女座O型。

ブログ:松下健次郎のブログ