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オープンソースソフトウェアの育て

Fogel Karl氏の書籍『Producing Open Source Software』の翻訳です。彼はSubversionなどのいろいろなオープンソースソフトウェアに関わり、その経験をもとにオープンソースプロジェクトを運営するにあたっての有用な情報や注意すべき点について1冊の書籍としてまとめました。O'reillyより出版されている一方、彼のWebサイトにて全文が公開されています。今回取り上げたページはそれを翻訳したもので、翻訳書籍も出版予定です。

全部で9章からなり、内容は、オープンソースソフトウェアの概要からプロジェクトを始めるために用意するツール群の解説、運用するにあたってのコミュニケーションや政治、お金やライセンスの問題など多岐にわたります。ツールの説明など一部は最新の情報でないこともありますが、大きな支障はないでしょう。

特に6章の「コミュニケーション」は、彼の長年にわたる経験に基づいた考えがふんだんに詰まっていて、とてもおもしろいです。メーリングリストにおけるさまざまな問題を扱っており、⁠どういった発言内容が失礼にあたるのか?」について、一般的なマナーとは違ったオープンソースプロジェクトならではの文化を紹介しています。また、⁠議論の量と話題の複雑さが反比例する」という原則があり、技術的な難度が低い話題になればなるほど議論が発散する可能性が上がるようです。これに関連する実際にあった投稿メールを、付録「なんで自転車置場の色まで気にしなきゃならないの?」に掲載しています。無意味な投稿ばかりを繰り返す厄介者の排除方法についても実例を交えて解説しています。

オープンソースソフトウェアを作ってみたいという方はもちろん、何らかの形で関わってみたいけれども文化がよくわからず二の足を踏んでいる人にとっても、この文書はとても役立つことでしょう。

URLhttp://producingoss.com/ja/

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