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出版の未来

Haskellを使った実用的なアプリケーションの作り方を解説した洋書『Real World Haskell』⁠O'reilly)があります。この書籍の公式ページではCreative Commonsライセンスにより全文が公開されています。さらにレビュー用としてパラグラフごとにコメントが付けられるようになっており、今までに投稿されたコメントを閲覧することもできます。

今日、いろいろな場所で技術書の読書会や輪講会が行われています。みんなが同じ場所に集まって集中的に議論し合うことによる価値は当然ありますが、上記のようなシステムがあればオンラインでいつでも気軽に参加できます。コメント機能を利用して誤表記やわかりにくい部分をフィードバックすることもできるでしょう。出版社や著者にとっても、⁠何冊買われたか」だけでなく「どの部分がよく読まれたか」についても知ることができ、読者のニーズをつかむ貴重な情報となりえます。

現在、O'reillyのSafari Books Onlineや、Books24x7など、Webブラウザ上で書籍が読める電子書籍サービスがいくつかあり、それぞれコメントを付ける機能はありますが、ユーザー同士でコメントを共有する機能はありません。私は『Real World Haskell』のページを見て、これからの出版社や電子書籍サービスは、オンラインで読者同士が集う場の提供を検討すべきではないかと思いました。

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