SourceForge.JPの管理者を務め、オープンソースに関するコラムを数多く執筆している八田真行氏による記事です。最近Web上にて、「オープンソース」という言葉の使われ方について激しい議論が行われました。記事では、議論の背景には「オープンソース」自体が2つの性格を併せ持っているからだ、と指摘しています。
記事では、オープンソースは「法的状態としてのオープンソース」「開発形態としてのオープンソース」の2つの意味を持つ、と定義しています。ソフトウェア開発者など、オープンソースに深く関わっている人は前者の認識が強いため、Eric S. Raymond氏の『伽藍とバザール』により広く認知された後者の意味でとらえている人は間違いだと考え、両者の間で摩擦が起きてしまうと分析しています。八田氏によれば「開発形態としてのオープンソース」という認識も間違っているとは言えず、オープンソースという言葉は「本質的にはレイヤーを異にする二つの要素を含んだ二面的なものだったと考えるべきなのである」と述べています。
オープンソースに縁のない一般の人には「法的状態」としての意味は理解しづらくライセンスを軽視しがちです。しかし開発形態としてのオープンソースがちゃんと成立していく背景には、法的状態としてのオープンソースがとても重要になってきます。八田氏は最後に、『「オープンソース」を語る際は、常に法的状態と開発形態の二面、特に前者の重要性を念頭に置いて議論すべき』という考えを示しています。
URL:http://sourceforge.jp/magazine/09/06/24/0520207