英国首相官邸の公式サイト「Number10.gov.uk」の記事翻訳です。内容は、イギリスのBrown首相が故Alan Turing氏に対して公式に謝罪したものです。
Alan Turing氏を知らない人でも、「チューリングマシン」「チューリング完全」「チューリング賞」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
Turing氏は天才数学者として活躍し、ドイツの暗号エニグマを解読したことでよく知られています。謝罪文には、「Turing氏の貢献がなければ第二次世界大戦は違った道を歩んでいただろう」と書かれています。
Turing氏は、1952年に同性愛の罪に問われ、女性ホルモン投与による化学的去勢を受けさせられ、2年後に自殺してこの世を去りました。謝罪文では、Turing氏が受けた扱いを「議論の余地なく不正なもの」とし、「同性愛嫌悪の最も有名な犠牲者の一人」として公式に認めることが、同性愛に対して平等な社会へ進む一歩となるだろう、と述べています。
そして、反ユダヤ主義やホロコーストなどが過去のものとなり現在にまで及んでいないのも、Turing氏のような人たちのおかげであると感謝の言葉を表しています。
謝罪の背景として、長い間、同性愛者たちや科学者たちが、政府に対して公式謝罪をするよう署名活動などを行って働きかけていたようです。今回の謝罪により、ようやくそれが実を結ぶことになりました。
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